GOOD DESIGN AWARD
2023年度受賞結果
主催者挨拶
Portrait - 深野 弘行
公益財団法人日本デザイン振興会 |理事長
深野 弘行

2023/10/5

今年は35年ぶりに日本で世界デザイン会議が開催され、世界から日本のデザインが注目を浴びる晴れ舞台のなかで、1,548件の作品がグッドデザイン賞を受賞し、その中から、各分野をリードするデザインがベスト100、さらには特別賞各賞として選ばれました。受賞された皆様には心よりお祝いを申し上げます。

受賞作品には、後に振り返った時、新たな時代が作られ転換点となったと評価される力のあるデザインが含まれているように感じられます。審査委員の皆様には、多大な時間を割いて、それぞれのデザインの背景にある物語や思い、可能性を丁寧に読み解いていただいたことに心より感謝を申し上げます。

今年はいくつかの新たな試みも行いました。フォーカス・イシューについて、審査委員長と副委員長が審査委員との活発な対話によりトレンドを読み解きました。これからさらに言説化を進めていくフォーカス・イシューが、デザインのあり方に一石を投ずるものとなることを期待しています。ロングライフデザイン賞については、永年社会から愛され、磨かれてきたデザインへの最高賞賛にふさわしいものとして、例年以上に厳選された結果となりました。

間もなく開催される受賞展も、4年ぶりに最新受賞全件をご紹介する場として、多くの方にデザインの力を体感していただけるものと考えております。

いまは温暖化問題、国際紛争、食料や資源をめぐる問題など、デザインが向き合う世の中は決してバラ色ではありません。そのような中でも新たに選ばれたグッドデザインの魅力が広く社会へ伝わることで、社会を良い方向に変えていく力が生まれることを願っています。


審査委員長挨拶
Portrait - 齋藤 精一 2023
2023年度グッドデザイン賞 |審査委員長
齋藤 精一

2023/10/5

2023年度グッドデザイン賞を受賞されたすべての皆様に心からお祝いを申し上げます。

本年から新たな審査体制がスタートしたのに伴い掲げたテーマである「アウトカムがあるデザイン」を軸に、モノ・コトの境界線を超えて、アウトプットとしてのデザインだけではなく、デザインを生み出すプロセスや、創造の根底にある様々な哲学や挑戦を読み解くことを意識してきました。そして審査を進める過程ではそれらを解像度高く見ることができました。

デザインに関わる人・企業・団体などが立場の違いを超えて同じ目線を携えて、共通のアウトカムを目指して、歩調は違えども強く一歩一歩と社会をより良い方向へ変革させていける、大きなうねりを起こしていることを、今回の受賞結果から感じ取っていただけるものと考えています。

そして、多くの方に今回のグッドデザイン受賞作を解像度高く見ていただくことで、デザインという意義深い活動にどのように参加・参画できるかを共に考え、一緒に行動するきっかけになってほしいと願っております。


審査副委員長挨拶
Portrait - 倉本 仁 2023
2023年度グッドデザイン賞 |審査副委員長
倉本 仁

2023/10/5

グッドデザイン賞を受賞された皆様、おめでとうございます。

今年は「アウトカムがあるデザイン」をテーマに掲げ、応募作や作者が描き出す根源的な価値、我々の未来を推し広げる多様な視点と可能性を審査委員全体で丁寧に読み解き、議論を通してここまでのプロセスを深めてきました。多くの評価を集める応募作にはジャンルを問わず共通して、未来を兆す作り手の強い想いと、細部にまで行き届いた徹底したつくり込みの双方が共存していたように思います。

近年、その躍進が顕著である地域に根差したデザイナー・クリエイターの積極的な創造活動に加え、今年は企業に所属するデザイナーから発進される新規企画立案や商品デザインの好例が多く見られました。これは企業内でのデザイナーの存在が製品・サービス開発の上流に位置している、またはそれに近づいていることの現れであり、今後はものづくりをめぐる全体状況としてもこのような流れがさらに加速することとなるでしょう。

それぞれの受賞作に宿るつくり手の想いを感じながら俯瞰し、また受賞作全体を昨今の社会的総意の創造的な発露として見立てると、グッドデザイン賞は世相を映すメディアとしての役割を担うものであり、未来を測るきっかけとしても、今回の受賞結果を広く生かしていただけますと幸いです。


審査副委員長挨拶
Portrait - 永山 祐子 2023
2023年度グッドデザイン賞 |審査副委員長
永山 祐子

2023/10/5

グッドデザイン賞受賞の皆様、おめでとうございます。

「アウトカムがあるデザイン」というテーマから、“このデザインがあることがどんな未来を作れるのか“という、シンプルだけれども強い問いを立てながら議論を進めることができたのが今年は印象的でした。ベスト100を選出する際にも度々そのための議論があり、ハッとさせられることがありました。また、自分の中で今まで以上にグッドデザイン賞の特徴が見えた年でもありました。ある海外審査委員からの、海外のデザイン賞の場合はよりグローバルイシューに対しての言及があっても、グッドデザイン賞は特にローカルイシューについてフォーカスされている印象がある、という言葉に気付かされました。ガラパゴス化したとも評される日本は、良くも悪くも自分たちの足元の土をていねいに掘っています。国内はもちろん海外から応募されたデザインの中でも評価が高かったのは、地方再生、地産地消、マイクロコミュニティづくりなど、とてもニッチなテーマに丁寧に向き合うものでした。

実直なその姿勢が未来を作り、国内外に向けてグッドデザイン賞からの強いメッセージになることを願っています。

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グッドデザイン賞は、公益財団法人日本デザイン振興会が運営しています。