GOOD DESIGN AWARD 2025
応募受付を開始
GOOD DESIGN AWARD 2025
応募受付を開始
GOOD DESIGN AWARD
2025
グッドデザイン賞
Portrait - 齋藤 精一 2025
2025年度グッドデザイン賞 |審査委員長
齋藤 精一

2025/4/1

はじめの一歩から ひろがるデザイン

デザインは、一体どこから始まるのか? 生み出されたデザインは、誰によって育まれどのように社会に出ていくのか? 今年度のグッドデザイン賞では、それをもっと知りたいと思う。

私はかねてより、プロダクトデザインのような「モノのデザイン」とソーシャルデザインのような「コトのデザイン」を分けて考えることはできず、モノのデザインの裏側には物語=コトのデザインがあり、コトのデザインのアウトプットにはたくさんのモノのデザインが存在すると言い続けています。そして、過去10年間グッドデザイン賞の審査に携わるなかで、これはあらゆるデザインに対して言えることだと確信しています。このことをあらためて2025年度グッドデザイン賞のメッセージに掲げられるのは、二元論的に語られてきたモノとコトのデザインが、今ようやく融合して考えられるようになってきているからだと強く感じています。

本年度のテーマである「はじめの一歩から ひろがるデザイン」は、昨年度のフォーカス・イシューの議論から導き出されました。2023年度は「アウトカムがあるデザイン」、2024年度は「勇気と有機のあるデザイン」をテーマに掲げ、私たちは今後どちらの方向に進むべきか、そのためにはどのようなプロセスが必要なのかを考え、今あるべきデザインを探してきました。

過去の膨大な受賞デザインから見えてきたのは、すべてのデザインの源流ともいえる、創り出す人の想いの重要性と、それを実現まで推し進める力を持ったプロセスの強度でした。さまざまな既存のシステムが飽和状態に達し、これまでの方程式を疑う必要がある今だからこそ、新たな視点を持って、本当に必要とされる美しくしなやかなデザインを生み出すことが、すべての分野で期待されていると感じます。言い方を変えれば「デザインが時代を追いかける時代(マーケティング重視の時代)」から、「”より良いものを創り出すデザインという行為”が社会を牽引する時代」に確実に踏み出したと考えられます。

「はじめの一歩から」は、そんな新たな視点を実装する”熱量を持った個”が社会との接点で見出す行為を肯定することを意味し、「ひろがるデザイン」はそれを企業や団体の中で尊重し、それぞれの能力を持ち寄って創り上げる力を意味しています。

応募の際には、最終成果物としてのデザインだけではなく、ぜひその成果物が生まれた経緯やプロセスに含まれるデザインも表現していただけると幸いです。本年度もたくさんのデザインにお会いできることを審査委員一同楽しみにしています。


Portrait - 倉本 仁 2025
2025年度グッドデザイン賞 |審査副委員長
倉本 仁

2025/4/1

意思を耕す

今年もグッドデザイン賞が始まります。 私は常々、デザインは人と事物、そして周辺環境とのより良い調和を見つける行為であると考えています。そしてその調和の姿は社会背景や技術革新を反映しながら常に変化し続けています。グッドデザイン賞も多様な世相を反映して変容しながら、時代の価値観を映し出し、その瞬間の「Good」を表してきた運動といえるでしょう。

新たな未来を思い描くことは作り手の大きな喜びであるとともに、膨大なエネルギーを必要とする大仕事です。画期的な研究やアイデアを製品・サービスとして具現化し、社会に浸透して活用されるような事物の多くは企業や組織の優れたチームワークによって成されていますが、元をたどると誰か個人の想い、「はじめの一歩」から展開されているのだと、あらためて思うのです。声を上げる個人の勇気と強い意思でアイデアが提起され、それを受け止める形で企業や組織が有機的に協力し、社会に実装される大きなうねりへと発展させる。審査にあたっては、そうした個人の意思の尊さを積極的に読み解き、またそれを組織がどのように展開して世の中に表明したのかにも注目したいと思います。

「意思」の視点・視野・視角も重要であり、作者や企業の理念がどのように耕され、応募プロジェクトの発意に至ったのかにも興味があります。応募される皆さんの熱意に応えるため、より深く作り手の「意思」を理解するために、審査方法も試行錯誤を繰り返し、社会とデザインの関係性の変化に合わせて更新を行っています。グッドデザイン賞という運動が時代の価値観を測る「ものさし」になれることを願い、今年も皆様のすばらしいデザインに出会えることを楽しみにしています。

Portrait - 永山 祐子 2025
2025年度グッドデザイン賞 |審査副委員長
永山 祐子

2025/4/1

その一歩をチャンスに

過去2年のメッセージでは、「デザインの力」(2023)、「デザインの力の向かう先」(2024)と題し、特にその年度にグッドデザイン賞を通して考えを深めてみたいと思ったことを書きました。そして、実際にデザインの力が社会に与える影響を見つめてきました。今年度のグッドデザイン賞のテーマは「はじめの一歩から ひろがるデザイン」。デザインがはじまる原点から、どのような力を得て広がっていったかを見たいという思いが込められています。 昨年度のフォーカス・イシューで、私は「巻き込み力」と「巻き込まれ力」という言葉で、原点を作り出す人、それぞれのスキルでそこから実現に向けて力強く推進していく人の役割について表しました。どのプロジェクトも、この両方の力があったからこそ実現しているのですが、まさに昨年度の受賞作品にはそのような好事例が多く見受けられました。

1970年の大阪万博から55年経った今年、2度目の大阪・関西万博が開催されます。前回の万博は「奇跡の万博」と言われており、若い建築家、アーティスト、クリエイターが多く参加し、来たる明るい未来に向けた想いを形にし、多くの来場者がそれに共感しました。この度の万博はその時とは少し様子が異なり、開催前から今の時代においての意義が問われています。しかし、日本は開催国として名乗りを挙げ、選ばれ、「はじめの一歩」を踏み出しました。その一歩を無駄にしないために、私を含め関係者はみな、全力を尽くしています。この一歩に意義を与え、チャンスにするかは巻き込まれた私たちにかかっているのだといえます。

グッドデザイン賞は誰かが諦めなかったものだけが並ぶ賞です。そして、そのプロセスの共有は次にアクションを起こそうとしている人たちの背中を押します。ぜひ自らのデザインの過程やストーリーを多くの人と共有し、次なる力を生み出すために、今年度もたくさんの方に応募をしてほしいと考えています。


主催者からの挨拶
Portrait - 深野 弘行 2025
公益財団法人日本デザイン振興会 |理事長
深野 弘行

2025/4/1

グッドデザイン賞は1957年の開始以来、優れたデザインを社会に普及させることにより、産業活動の推進と生活の文化的向上、社会の健全な発展に寄与することを目的として継続されてきました。グッドデザイン賞が1998年に民間事業として再スタートした当時は、応募件数は2,000件程度でしたが、その後も年々増加傾向であり、2024年度は5,773件のご応募の中、1,579件が受賞されました。また応募領域も広がっており、プロダクト、建築のような形のあるものだけでなく、サービス、システム、取り組みなど、有形無形にかかわらず応募が可能です。また、世界に開かれた国際的な賞として45か国・地域から応募いただいております。

このようなグッドデザイン賞の継続的な拡大は何を意味するのでしょうか。近年では、コロナ禍などの厳しい環境下でも応募数は増えており、それは、デザインが様々な分野に良い効果をもたらすことについて社会の期待が高まり、そのことが産業分野や社会の様々な壁を超えた拡大として現れているのでしょう。

今や私たちは経験したことがない変化のただ中にあり、社会には様々な課題やニーズがあります。今年は、大阪・関西国際博覧会もあり、新しい発想と技術を伴う製品やサービスの登場も期待できそうです。デザインの持つ多面的な役割に対する期待はますます高まるものと考えられます。

グッドデザイン賞は、100名近くの第一線で活躍中のデザイナー・専門家による審査による「発見」があり、受賞イベントや広報、更には「Gマーク」の利用を通じた社会との「共有」、そして次なる「創造」の加速という仕組みを持っています。70年近く継続してきたグッドデザイン賞は、これからも皆様のお仕事や日常生活にお役立ていただけることと思います。

2025年度も多くの皆様からのご応募をお待ちしております。

JOIN US!
メールマガジンのご登録はこちら
Tokyo Midtown Design HubGOOD DESIGN STOREGOOD DESIGN MARUNOUCHI

グッドデザイン賞は、公益財団法人日本デザイン振興会が運営しています。

当ウェブサイトのご利用には、クッキーを使用しています。「同意する」ボタンを押すと、引き続き当ウェブサイトのすべての機能をご利用頂くことができます。クッキーに関する情報や設定変更は、クッキーポリシーをご覧ください。