GOOD DESIGN AWARD
2022年度受賞結果

開催概要

今年度のグッドデザイン賞の開催概要についてまとめています。近年、デザインへの期待が高まってきていることを認識し、今こそさらにデザインの持つ可能性を問い、その成果を広く社会に示すべく実施しました。事業経緯は以下の通りです。

開催要項主催・後援グッドデザイン賞の理念審査の視点本年度の事業指針賞の種類開催メッセージ

開催要綱・要領

「開催要綱」は、グッドデザイン賞事業の基本的な事項を定めたものです。この要綱に基づき、要領を定めています。

開催要綱
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応募要領
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審査要領
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大賞選出規則
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Gマーク使用要領
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主催・後援

主催

公益財団法人日本デザイン振興会

後援

経済産業省 / 中小企業庁 / 東京都 / 日本商工会議所 / 日本貿易振興機構 (JETRO) / 国際機関日本アセアンセンター / 日本経済新聞社 / NHK / World Design Organization

グッドデザイン賞の理念

人間
本質
創造
魅力
倫理

審査の視点

人間的視点
  • 使いやすさ・分かりやすさ・親切さなど、ユーザーに対してしかるべき配慮が行われているか

  • 安全・安心・環境・身体的弱者など、信頼性を確保するための様々な配慮が行われているか

  • ユーザーから共感を得るデザインであるか

  • 魅力を有し、ユーザーの創造性を誘発するデザインであるか

産業的視点
  • 新技術・新素材などを利用または創意工夫によりたくみに課題を解決しているか

  • 的確な技術・方法・品質で合理的に設計・計画されているか

  • 新産業、新ビジネスの創出に貢献しているか

社会的視点
  • 新しい作法、ライフスタイル、コミュニケーションなど、新たな文化の創出に貢献しているか

  • 持続可能な社会の実現に対して貢献しているか

  • 新たな手法、概念、様式など、社会に対して新たな価値を提案しているか

時間的視点
  • 過去の文脈や蓄積を活かし、新たな価値を提案しているか

  • 中・長期的な観点から持続可能性の高い提案が行われているか

  • 時代に即した改善を継続しているか

本年度の事業方針

2022年度のグッドデザイン賞は、昨年応募件数が大きく増えたことから、デザインへの期待が高まってきていることを認識し、今こそさらにデザインの持つ可能性を問い、その成果を広く社会に示すべく実施しました。要点は以下の通りです。

国内外への応募促進

昨年度中小企業からの応募が特に増加したことを受け、スタートアップ企業等の若い経営者と大手企業の経営者の両方を読者層に持ち、雑誌とウェブを双方展開している媒体に、2021年度受賞者や正副委員長のインタビューを応募期間に掲載・公開することにより、受賞のメリットやグッドデザイン賞の持つ機能を訴求しました。またウェブ及びSNSによる応募告知広告も、特に新規応募者に届きやすくなるように集中的に実施しました。さらに本年度からは、日本語だけでなく英語及び韓国語でも同施策を実施しました。
オンラインセミナーも複数回開催し、グッドデザイン賞の審査の視点や正副委員長の考え方の周知をはかりました。
特に応募の多い中国・台湾については、現地メディアパートナーと協力して中国語での情報化および発信を促進し、オンライン説明会や個別相談も実施しました。

進化した受賞プロモーションの実施

昨年度に引き続き受賞対象全件の展示を見合わせましたが、東京ミッドタウン・デザインハブにて「グッドデザイン・ベスト100」受賞対象を中心とした約1ヶ月間の展示を計画しました。また展示期間中には東京ミッドタウン館内において受賞対象を購入することができるポップアップショップの実施も策定しました。
受賞祝賀会・大賞選出会については、3年ぶりとなる対面とオンラインのハイブリッドでの実施を計画し、受賞者の皆様と喜びを分かち合う機会を創出しました。

事業成果の情報発信強化

Facebook、InstagramなどのSNSのグッドデザイン賞アカウントのフォロワーは、年々増加しています。本年度も、グッドデザイン賞や受賞対象について一般ユーザーに身近に感じてもらうことができるメディアとして、SNSによる情報発信を継続的に実施しました。

賞の種類

すべての応募対象の中で、デザインが優れていると認められるものに「グッドデザイン賞」が贈呈され、さらにその中から特に優れた100件が「グッドデザイン・ベスト100」として選出されます。その後、審査委員会によってグッドデザイン・ベスト100の中から「グッドデザイン金賞」及び「ファイナリスト(大賞候補)」、「グッドフォーカス賞」が選出されます。 「グッドデザイン大賞」はグッドデザイン大賞候補の中から審査委員とその年のグッドデザイン賞受賞者等によって選出されます。

賞の種類

交意と交響

Portrait - 安次富 隆
2022年度グッドデザイン賞 |審査委員長
安次富 隆

2022/4/1

誰もが様々な不安を感じている中で、人々の希求に耳を澄まして、それに応えようと動く人たちがいます。そのような人たちどうしが積極的に呼応し、交わり動く中から生み出されるデザインは、何かをより良くしたい、人の気持ちに応えたいという、創造する意志に支えられています。この創意こそがデザインの原動力であり、社会の様々な場面でデザインの力が発揮されることが強く求められるようになってきています。

私たちが抱えている課題は、これまで以上に多様化、複雑化しています。これらの課題を解決して心地よい社会にしていけるよう、分野や領域を超えて「意の力」を交えて行かなければならないでしょう。

デザインは私たちの身の回りのあらゆるところに存在しています。それらはお互いに関係し合い、影響し合ってこの社会をかたち作っています。ひとつひとつのデザインが持っている力と、それぞれのデザインを担った人々の意志とを交わらせて、さらに響き渡らせていくことが大切なのではないでしょうか。

そうしてもたらされる動的な状態は、一致や均衡が取れた状態ではないかもしれないし、時には不協和音が生じることがあるかもしれません。しかし望ましい調和を目指して、交響しながら構築されていくプロセスにこそ意義があると思います。私たちにとって望ましい交響の状態を見すえながら、新しいデザインの取り組みがさらに生まれてきているのです。 グッドデザイン賞は、あらゆるデザインの営みが一堂に会する場です。社会に存在する無数のデザインを意識し、それらの関係性がもたらす成果や可能性を読み解き、示すことがグッドデザイン賞の大きな役割であると考えています。

2022年度のグッドデザイン賞で、新しいデザインに出会えること、新しい響き合いがもたらされることを楽しみにしています。

交意と交響

Portrait - 齋藤 精一 2022
2022年度グッドデザイン賞 |審査副委員長
齋藤 精一

2022/4/1

2021年度はグッドデザイン賞を通じてたくさんの「交動と希求」に出会うことができました。デザインの力を今まで以上に多くの人が希求し、交動したことで、生活を、社会を、価値観を変えるデザインが数多く生み出され、それらが今後社会に引き続き、深く、広く、実装されていくことを強く期待させるように思いました。「交わる」という姿勢が、さらに多くの分野に広がり、様々なところで人々が自分たちと違った価値観や技術との交わりを模索しているうねりも感じることができました。

モノやコトを創り、社会に発し続けている私たちデザインに携わる者にとって、無力感や悔しい思いをする出来事が現在進行系で次々に起きています。生活様式の変化や価値の多様化をはじめ、情報の取捨選択の必要性、デジタル化の力、データを収集・分析することの重要性、ものごとのプロセスの透明化など、社会とデザインが向き合うように求められていることの領域が広がり、それが高速で変化するいま、社会を支えるシステムや産業はそのスピードについていけているでしょうか?これまで使い続けてきたブラックボックス化された技術やプロセスが、いまあるべき社会の進化を遅くしてはいないでしょうか?

デザインという同じレンズで社会を様々な方向から見ることができる私たちが、形態や質量、素材や単位、コードやプログラムなどの違いを超えて、お互いの創造する「意」を交わすことによって、今まで諦めていた仕組みや製品や活動ができる可能性がまだまだあると思います。企業や団体だけではなく、何かを創る個人の「意」が交わり響き合うことで、様々なことがデザインの力を得て、さらに進化できると信じています。

グッドデザインは広がり続けています。私たち審査委員もそこに集うデザインの数々に共通点や繋ぐべきアイディアを見つけ、それらをフォーカス・イシューをはじめとする取り組みを通じて発信できるように議論を重ねていきます。様々なデザインをマクロに見通せる機会でもあるグッドデザイン賞を通して、日本だけではなく世界全体の社会や生活がより良くなるヒントを見つけて発信していきます。

今年も、交わりに溢れたこれからの羅針盤になるようなデザインに出会えることを楽しみにしています。

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グッドデザイン賞は、公益財団法人日本デザイン振興会が運営しています。