受賞ギャラリー
2018
グッドデザイン賞
事務所/ 寄宿舎
プラネットジャパン関東支社
分類タグ
産業/商業空間
受賞企業
事業主体名
株式会社Planet Japan
受賞番号
18G120967
受賞対象の詳細
自然塗料・漆喰を扱う会社の、職住が一体になったオフィスと住宅のような用途を併せ持つ建物である。1本のヤマボウシが植えられた三層を貫く中庭を囲むように、働く場と生活する場が内部と外部を巡って立体的に展開されている。建物の内外とも自社製品をふんだんに取り入れた仕上になっているが、仕上材そのものが主役となるような表現ではなく、仕上材と下地となる基材とが「重なり合う」ことで素材がもつ色味や質感を引き出す表現を試みた。ここで働き生活する社員は光や風、自然を感じながら日常的に自社製品に触れ、時間の中で素材や仕上の経年変化を体験する。自然塗料や左官材料がもつ新たな可能性を探る建物が完成した。
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デザイナー
無有建築工房 竹原義二

無有建築工房 竹原義二
詳細情報
利用開始
2017/02
設置場所
さいたま市大宮区吉敷町3-222
背景
自然塗料や左官材料を扱う会社の社屋を計画するにあたり、オフィスと住宅のような用途を併せ持つ複合的なプログラムとなるため、社屋における事務室や寮・ショールームが持つ役割を掘下げて検討を行った。さらに住宅に囲まれた旗竿状の敷地条件から、中庭を囲む三層の空間で、ウチとソトを巡って展開する木造とコンクリートの混構造の構成を導き出し、同社が扱う素材を用いた表現が、建築空間の中で実体験できることを目指した。社員が働き住まう「生活の場」が、訪れる人にとって「ショールーム」として見て取ることができるようにし、自然塗料や左官材料がもつ新たな可能性を示すことを意図した。現場では社員と職人が協働して下地作りや材料調合を検討して見本板を作成し、基材や使用箇所に合わせたオリジナルの塗装や左官仕上を導き出した。軒下空間の回廊、LVL列柱の隙間やトップライトから自然光が差込み、素材と調和して表情豊かな空間が生まれた。
経緯とその成果
「生活の場=ショールーム」という関係を建築空間で表現し、自然塗料や左官材料がもつ可能性を探る。
デザイナーの想い
建物は事務所、社員寮、ショールームなど複合的な用途を併せ持つ。職住一体、しかも寮という社員が共同生活を行う用途を併せ持つため、各室をどのように配置するかが重要であった。不特定の来客もある職住の空間を、三層をつなぐ中庭、軒下空間となるピロティや回廊と二つの内部階段により立体的に回遊できるように計画し、職と住のスペースの間合いをはかりながら一体的な空間を実現している。 1階のショールームは、色をテーマにした情報発信地「色の図書館」として2018年6月にオープンした。自社製品の紹介のほか、色の歴史や製造工程など、色に特化した情報発信を行っている。色に関わる書籍を数多く揃え、図書館のようにゆっくりくつろぎながら学べる場とし、定期的な講演会の開催など柔軟な使い方ができるような空間づくりを行っている。
仕様
敷地面積:344.90㎡、建築面積:206.49㎡、延床面積:497.60㎡、主体構造:RC造一部木造、階数:地上3階
どこで購入できるか、
どこで見られるか
-
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
山梨 知彦浅子 佳英石川 初色部 義昭永山 祐子Gary Chang
評価コメント
オフィスと寄宿舎が一体となった、全体としてはまるで大きな一軒家のような建築。ヤマボウシの植えられた中庭から建物内は自然光が入り、中庭を取り囲むテラスによって内外が緩やかに繋がっている。自然塗料、漆喰を扱う会社のオフィスらしく、自社の製品が実際に使われている空間を日常の中で自然に体験することができる。全体がショールームとも言える魅力的な職場であり、生活の場となっている点が評価された。
