受賞ギャラリー
2023
グッドデザイン賞
複合施設
福岡大名ガーデンシティ
分類タグ
公共空間/土木/景観
受賞企業
事業主体名
積水ハウス株式会社
受賞番号
23G151217
受賞対象の詳細
福岡市中心部における歴史ある旧大名小学校の跡地活用事業である。市が進める天神ビッグバンの中核施設として、オフィス、外資ホテルと商業をシンボリックな高層棟に集約し、再生したグラウンドを囲むように公民館、創業支援施設、住宅を重ねて配置し低層部を立体的に緑化、都市の広場「ガーデン」として地域に新たな公共空間を提供した。
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デザインのポイント
- 旧小学校のグラウンドを広場として継承し、都市空間に開かれた賑わいや憩いの場として再生
- 歴史的空間構成に由来した躍動的なガラスの「インゴット」による天神ビックバンのアイコン
- 立体的な緑による高層棟と周辺低層地の共存及び賑わいの創出。地域を結ぶ貫通通路による回遊性向上
プロデューサー
積水ハウス株式会社 佐古田智哉、近藤 祐浩
ディレクター
株式会社醇建築まちづくり研究所 牧敦司+株式会社久米設計 髙﨑 強+PDP London David Hoggard
デザイナー
株式会社久米設計 安東直、磯矢孝、横田順、青木隆、柳下元宏、濱邊信晴、田中敬、國本徹朗

詳細情報
利用開始
2022/12/28
設置場所
福岡市中央区大名2丁目
背景
大名地区は天神の西隣に位置し、かつて黒田藩の武家屋敷が並んでいた地域である。今でも当時の街割りが多く残っており、個性的な路面店や飲食店が混在した低層の建物群が建ち並ぶ。計画地である旧大名小学校は100年以上続いた福岡市で最も古い学校であり、グラウンドは地域の運動会など人々に永く親しまれてきた。 福岡市はこの場所を天神ビッグバンの中核プロジェクトと位置付け、これまで都心部において開発の制約となっていた航空法高さ制限を国家戦略特区により緩和し、跡地を活用する事業者に対してグロ-バルな人材の交流拠点とすることを求めた。 福岡大名ガーデンシティは地域に根差した公民館や消防団施設、住宅、商業に加え国際基準のオフィスや外資ホテルが混在する複合施設である。グローバルな人材とローカルなコミュニティが個性的な大名地域において交流する場を創出し、天神地区全体に広がる新たな賑わいをつくりだすことを目指した。
経緯とその成果
計画の核となるのは南側の広場「ガーデン」である。高さの異なる建物で包み込むことで、適度なスケ-ル感と領域性を持った居心地の良い公共空間として、グラウンドの記憶を受け継ぐより開かれた賑わいや憩いの場として再生した。緑に囲まれた「ガーデン」は高層ビルと地域の低層商業地との適度な緩衝空間となり、南北に接する明治通りとえのき通りを結ぶ貫通通路も水と緑で演出し地域の回遊性を高めた。 形態は貫通通路を軸として高層棟を二つのボリュームに分割し前後に雁行させた。立体的に雁行した形態は大名地域に残る「かぎ型」の街割りに由来しており、貫通部の視認性を高めると共に人の流れを広場へと誘引する。オフィス(中層階)の床面積を最大化しながらホテル(高層階)を最適な奥行とするため、上階へ向けて傾斜させた形は全面ガラスで覆われた塊「インゴット」として表現し、天神ビックバンのアイコンとなる躍動感と象徴性を持たせた。
仕様
CFT造一部SRC造(制振構造)、地上25階地下1階、91,423.13㎡
どこで購入できるか、
どこで見られるか
-
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
伊藤 香織川西 康之倉方 俊輔平賀 達也山﨑 健太郎Jian Liu
評価コメント
福岡市が進める再開発促進事業「天神ビッグバン」の対象のひとつである旧大名小学校跡地活用事業。広場として継承された旧小学校のグラウンドは、その親しみやすいスケールを残したまま商業的にぎわいに面した憩いの場として生まれ変わった。高層棟の門形の形態で導かれる貫通通路が街区内の広場に人を引き込み、大街区の浸透性と回遊性を高めている。今後も「天神ビッグバン」が続く中で、高層化するだけでなく都市生活に資する価値を創出する開発が続くことを期待したい。
