受賞ギャラリー
2023
グッドデザイン賞
住宅
熊本の木のある暮らし
受賞対象の詳細
「熊本の木のある暮らし」は、住宅街における住まいづくりの在り方を追及した計画。地域の「木」材による住まいづくりと、植栽の「木」を効果的に中間領域に計画することで、豊かな暮らし提案と環境・街並みに溶け込むことを意図した。また、温熱環境性能と併せて熊本の気候風土、近隣コミュニティも考慮した暮らしのプロトタイプとして提案。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- 「中間領域に植栽”木”を配する」ことで外をより近く感じる効果。
- 「3つの土間空間」が、ソトとウチの境界を曖昧にする効果。
- 「中間領域の屋根の一部を適切に開口」し、熊本の気候風土に合せた採光・採風を得る住環境向上の効果。
プロデューサー
新産住拓株式会社 代表取締役社長 小山英文
ディレクター
株式会社gege 金谷 尚大、 新産住拓株式会社 川本哲也、佐藤佑美、畑崎勇介
デザイナー
新産住拓株式会社 浅井健太、菅原京助、荒木聖子、坂田綾子、村本晴佳、権藤瑠奈
詳細情報
利用開始
2023/04
設置場所
熊本県熊本市南区
背景
コロナ禍による巣ごもり需要の拡大により、住まいづくりは以前にも増して、おうち時間に重きを置いた計画の必要性が望まれた。次のフェーズに移りつつある中においても個の時間の豊かさは重要視されている。反面、反動的に他との繋がりへの関心・欲求もあり、多様化多目的化が見られる。しかし、住宅取得の若年層化と昨今の物価上昇による戸建て住宅価格の高騰により、購入する敷地面積は小規模化傾向にあり、地方の熊本においても同様の傾向がある。また、熊本地震後は平屋志向も高まっており、敷地に対する建物の割合が増えることで庭やコミュニティを形成する場の減少傾向がみられる。「熊本の木のある暮らし」は限られた敷地の中でも中間領域等を取り入れた豊かな住環境を創出することによって暮らしの環境とコミュニケーションの向上、美しい街並みづくりに繋げることを目指した。
経緯とその成果
限られた敷地に豊かな中間領域を設け、ソトとウチの親和性を高めることで住環境とコミュニケーションの向上を目指した。その手法として①「中間領域に植栽”木”を配する」ことで外をより近く感じる効果。②「3つの土間空間」広く木々に包まれた土間テラス、ソトと繋がる土間リビング、キッチンとつながるアウトドア土間ダイニングが、ソトとウチの境界を曖昧にする効果。③「中間領域の屋根の一部を適切に開口」し、熊本の気候風土に合せた採光・採風を得ることによる住環境向上の効果。この手法を用いることで温熱環境性能は確保しつつ、晴れの日・雨の日、そして四季を身近に感じ楽しめ、コミュニケーション向上にも繋がる暮らし提案を実現した。
仕様
木造軸組構造、2階建て、敷地面積246.71㎡、延床面積169.07㎡、1階床面積117.51㎡、2階床面積51.56㎡
どこで購入できるか、
どこで見られるか
新産住拓株式会社
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
手塚 由比秋吉 浩気中川 エリカ藤原 徹平Chiyi Chang
評価コメント
3つの土間と植栽が繋ぐ、屋根の下の中間領域が豊かな住宅の提案である。空間的な豊かさもさることながら、この中間領域にはゆっくりとした時間が流れ、無理をしない時間的余裕が感じられる。同様に、家ができるプロセスにも時間的な豊かさが感じられる。なぜならば、森に負担をかけない長期的な計画によって、天然乾燥によって木材を調達しているからだ。このような、持続可能な「時間のデザイン」をハード面でもソフト面でも取り組んでいる点が評価された。また、これまで培ってきた住宅設計手法を改良し続けようとする姿勢も評価された。
