GOOD DESIGN AWARD

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CC

2021

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
集合住宅 [TREES]
事業主体名
長久保 弘
分類
小規模集合住宅
受賞企業
伊藤潤一建築都市設計事務所 (神奈川県)
受賞番号
21G111070
受賞概要
2021年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

3階建て11戸の集合住宅である。住戸のベランダに木が植えられ、入居者は、その木を育てることが条件となっている。木という「厄介なもの」を家族の一員に迎え入れる事と引き換えに、都市の中で自然と共に暮らす喜びを感じることができる。上下階は木を育てる「厄介なこと」を介して繋がり、喜びと豊かさを共有する集う住まいである。

デザインのポイント
1.着想:計画地である「鵜の木」の地名の通り、昔は鵜が住む豊かな森であった。その原風景の再生を試みた
2.提案:自然と人との関係を、都市住居の中で再定義することで、人・自然・地域との新たな絆をつくる
3.方法:各住戸のベランダに木を植え、成長と共に建物を覆う。地域住民や子供達と季節の変化を共有する
プロデューサー

長久保弘+伊藤潤一+伊藤潤一建築都市設計事務所

ディレクター

伊藤潤一+伊藤潤一建築都市設計事務所

デザイナー

伊藤潤一+伊藤潤一建築都市設計事務所

詳細情報

http://ito-jun.com/pg715513.html

利用開始
2020年1月
設置場所

東京都大田区鵜の木

受賞対象の詳細

背景

私たちの生活は、いつしか地面から乖離し、住宅が多層化することで自然と暮らすことの喜びを失ってしまった。自然と共に暮らす生命の根源的な営みを、「厄介なこと」として生活から遠ざけてしまったことで、命あるものと共に生きることでしか感じえない喜びも、同時に失ってきたのではないだろうか。この建築は、多層化する都市住居の要請に応えながらも、「厄介なもの」の存在により、「集い・住まう」ことでしか得られない住人同士の関係や地域住民との新たな関係性を生み出すことを試みた。それは、私たちが都市住居の中で排除してきた「厄介なこと」を取り戻すことでもある。

経緯とその成果

ベランダに植えられた木の上部は解放され、上下階は1本の木を介して立体的につながっている。下階の木や花を上階の住人が愛でることができる。しかし同時に、上階の木の葉が下階や隣の住戸へ落ちることもあるだろうし、邪魔な枝は上階住人が剪定する必要がある。こうした迷惑のかけあいをお互い様として許容しながら住むことになる。集って住まうことで起きるちょっとした迷惑のかけあいを許容することで、ここでしか得られない心の豊かさや喜びを住人同士で分かち合うことができる。すべての住人が抱える「厄介者/木」を介して互いが協調し、精神的につながりあうことのほうが豊かである。人が集うことで、木は森となり、街の風景をゆるやかに整序させていくきっかけとなる。それは、地域の人々や子供たちとも豊かさを分かち合う集合住宅の新たなプロトタイプの提案である。

仕様

敷地面積:480.92㎡、建築面積:318.69㎡、延床面積:918.18㎡ 、壁式鉄筋コンクリート造、3階建て

審査委員の評価

小学校のはす向かいに建つ小規模集合住宅。壁柱によって、印象的な立面をつくっている。また壁だけでなく、廊下を路地的に取り入れた平面計画も効果的で、良質な住宅ストックとなっている。作品タイトルになっているように、各住戸のテラスに一本ずつ木が植わっており、その木を一緒に育てていくとで、街の顔を育てていこうというユニークなデザインアプローチをしている。このように街の重要な交差点に建つ集合住宅によって、質の高い公共空間の形成を企図するのは大変重要なビジョンであり、大いに評価できる。

担当審査委員| 藤原 徹平   網野 禎昭   千葉 学   手塚 由比  

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