GOOD DESIGN AWARD

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2018

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
「たたら製鉄」による住田町のまちづくり [すみた・てつくり(鉄づくり)プロジェクト]
事業主体名
住田町
分類
地域・コミュニティづくり
受賞企業
住田町 (岩手県)
一般社団法人邑サポート (岩手県)
すみた・てつくり(鉄づくり)プロジェクト (岩手県)
せたまい町歩きガイド (岩手県)
ナグモデザイン事務所 (東京都)
受賞番号
18G161271
受賞概要
2018年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

岩手県東南部に位置する住田町の「栗木鉄山跡」は明治から大正にかけて稼働していた製鉄所跡で、最盛時には国内4位の銑鉄生産量、従業員五百数十人と一大製鉄村を築いていた場所である。これまでも住田町ではこの歴史と資産を活かし、地元で採れる鉄鉱石や砂鉄を用いた「たたら製鉄」体験を続けており、地元小学校でも授業の一環として平成23年から毎年開催されてきた。今回のサインづくりでは、盤面の木材はもとより、支柱の鉄についても自分たちで製鉄を行い、オール住田町産のサインを実現した。また、これらのプロセスは地元住民やボランティアガイドとワークショップを行いながら意見を集約していった。

プロデューサー

住田町 町長 神田謙一

ディレクター

一般社団法人邑サポート 木村直紀+福岡大学 教授 柴田久

デザイナー

ナグモデザイン事務所 代表 南雲勝志

開始
2017年8月
販売地域

日本国内向け

設置場所

岩手県 住田町 世田米地区

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

住田町の素材と技術を使いこなし、住田町だからこそ出来るデザインを住民と丁寧に作り上げていくこと。

背景

住田町は江戸期から内陸と沿岸を結ぶ交通の要衡として発展、中でも主要な宿駅として賑わった世田米地区は、現在も土蔵が建ち並び当時の繁栄を物語っている。一昨年には、明治30年代後半の伝統的な町屋と土蔵群が当時の姿のまま残されていた旧菅野家住宅を保存改修し、住民交流拠点施設「まちや世田米駅」がオープン、町のみならず周辺地域から多くの人々が訪れるようになった。周辺の景観デザインを統括するデザイン会議も立ち上がり、景観への機運も高まっている。そんな中で世田米地区の町並みや史跡の魅力をより知ってもらうために案内サインの必要性が望まれるようになった。住民やボランティアガイドの方々とワークショップを重ね、どうせなら「住田町の素材、技術を使って自分たちでサインをつくる」という方針が決まった。最終的に板面は町産の木材を、支柱は大正時代まで繁栄した栗木鉄山にちなんで鉄製で、ベースは町産石材で製作する事が決定した。

デザイナーの想い

住田町教育委員会は日本に誇る栗木鉄山を町の資産として伝えるべく小学生に鉄山跡を案内し、実際に「たたら製鉄」の体験教室を行い、鉄山と製鉄の歴史を教えてきた。製鉄には砂鉄や鉄鋼石などの素材とエネルギーとなる木炭が必要であるが、そのどちらもが潤沢にあったために栗木鉄山が発達した。その素材は今もこの地にある。しかし製鉄には相当高度な技術が必要である。ところが幸いな事に元校長先生、「住田たたら研究会」のメンバー始め、製鉄技術を持った住民が存在するのである。 今回世田米のまち歩きサインを設置するにあたり、その技術を用いて鉄の支柱を自分達たちで作る事が出来た。地域の資産、記憶を読み取りつつ、現在に活かす。それは必ず未来に繋がっていく。素材集めから鉄つくりまですべて自分達で行う事で誰も真似の出来ない究極のローカリティーと発信力、そしてアイデンティティが生まれた。まさにそれこそが本当のまちのサインである。

仕様

【支柱】住田町産鉄鉱石・砂鉄を用いた「たたら製鉄」 【盤面】住田町産木材(古材) 【石】住田町産石材

どこで購入できるか、
どこで見られるか

岩手県 住田町 世田米地区
東海新報 新聞記事
東海新報 新聞記事
たたら製鉄を学ぶ授業(有住小学校5年生)

審査委員の評価

地域に脈々と流れていたはずの失われつつある文化を楽しい体験を通して地域住民で共有することの素晴らしさと、街の景観を乱す安普請な案内板を美しくつくりなおすことを高次元で両立しているプロジェクトだ。実際にできた案内板が美しいこともまた、デザインとして評価できるポイントだ。このプロジェクトに関わって案内板を作った人が、将来それを誰かに誇らしげに語るだろう姿が想像できる、地域の語りを繋ぐプロジェクトのデザインである。

担当審査委員| 岩佐 十良   伊藤 香織   太刀川 英輔   並河 進   服部 滋樹  

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