受賞ギャラリー
2015
グッドデザイン金賞
サービス付き高齢者向け住宅
わかたけの杜
分類タグ
住宅
事業主体名
社会福祉法人若竹大寿会
受賞番号
15G090930
受賞対象の詳細
わかたけの杜は横浜市青葉区こどもの国駅に程近く、敷地内に保存樹林を有する緑豊かな環境にある。サービス付き高齢者向け住宅66戸に診療所・24時間対応訪問介護看護施設を併設し、既存の老人保健施設と特別養護老人ホームと連携によって小さな「地域包括ケア」が完結した都市的施設である。センターハウス(受付・エレベーター・食堂・ラウンジ)を中心に木造集合住宅8棟が2階部分を空中歩廊によって連結された「低層分棟連結型」配置によって戸建て感覚の「土に近い暮らし」を実現し、コミュニケーションを誘発する「路地」を意識した配置や介護度の進行に応じた可変住戸プランなど、都市における新しい高齢者施設のあり方を提示した。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
プロデューサー
社会福祉法人若竹大寿会 竹田一雄
ディレクター
株式会社ヨシダデザインワークショップ 吉田明弘
デザイナー
株式会社ヨシダデザインワークショップ 吉田明弘+健康設計 井上康+有限会社カネミツヒロシセッケイシツ 金光弘志+日本社会事業大学 井上由起子

吉田明弘、井上康、金光弘志、井上由起子
詳細情報
利用開始
2014/12
販売地域
国内
設置場所
神奈川県横浜市青葉区奈良4-6-12
背景
若竹大寿会は横浜市における高齢者福祉の牽引者としてこれまで多くの事業を展開してきた。敷地は同法人が運営する介護老人保健施設と介護老人福祉施設に挟まれており「手厚いサービスの連携」が期待されたことから、この地における事業の総決算として「こんな施設が欲しかった」と言われるような革新的な高齢者住宅と、大都市近郊の住宅街における理想的な地域包括ケアシステムの実現が求められた。
経緯とその成果
「低層分棟連結型」「見る見られる関係」「路地裏コミュニティ」「差別化とズレ」「可変性と選択性」
デザイナーの想い
高齢者の孤立化といった都市問題に対する一つの解答として、収益性を確保した上で、画一化したマンションタイプに無い「土に近い暮らし」や「見る見られる関係」と言った路地の親密性を併せ持つ新しい高齢者住宅の形を提示。更に住空間において高齢者住宅にこそ必要な可変住戸プランを実現することによって、ADL「日常生活動作」が低下してもQOL「生活の質」の低下を招ねかずに済む「終の住処」の理想像を実現すること。
企画・開発の意義
土地活用や収益性の観点から住環境が高層・高容積化する大都市近郊の現状に対し、周辺環境への影響を最小限にした上で、必要住戸数を確保した戸建て感覚の「土に近い暮らし」を実現した。また介護度の変化に応じた住戸平面の可変性や選択性、路地裏コミュニティ、既存施設連携など、都市部における新しい地域包括ケアの先進的取り組みとして新たな価値観を示すことで入居者の要望を満たすと同時に施設の競争力を高めた。
創意工夫
敷地を東西に分断する高圧電線下の建築限界エリアを「プロムナード」とし、隣接する既存施設の連携動線と賑わいの広場をつくり出した。東側では8棟の2階建木造長屋をセンターハウス(EV・受付・食堂・ラウンジ)を中心に、2階住戸に車椅子でアプローチできる空中歩廊のネットワークで連結した「低層分棟連結型」配置とすることで、収益戸数を確保しつつ戸建て感覚を持つ住環境を実現した。住戸は可動間仕切・家具によって介護度に応じた間取変更が可能で、南北面のフルハイトサッシと南面の有孔折板スクリーンによって自然の恩恵を得つつ穏やかな視線の制御を可能にしている。西側の診療所併設アパートタイプでは、共用リビングと窓際キッチンを持つワンルームと専用光庭を持つ住戸によって更に選択の幅を広げている。外観はボリュームのズレと仕上げの変化により思わぬ発見や豊かな感覚を享受させると同時に、「我が家」としての視認性を与えている。
仕様
敷地面積:15,617.16㎡、建築面積:2,874.06㎡、延床面積:3,788.48㎡、階数:地上2階、構造:木造+一部鉄骨造(東棟)/鉄骨造(西棟)
どこで購入できるか、
どこで見られるか
〒227-0038 横浜市青葉区奈良4-6-12
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
古谷 誠章篠原 聡子中村 拓志松村 秀一
評価コメント
高齢者の居住環境として、施設的なものに陥らず、恵まれた敷地条件を生かして、戸建ての感覚を維持したデザインが秀逸。今後の同種建物のデザインに大きな示唆を与えている。
