受賞ギャラリー
2016
グッドデザイン賞
IDEA OSG 1
IDEA OSG 1
受賞対象の詳細
IDEA OSG 1は、砂粒サイズ(0.数ミリ)のスペースデブリ(微小デブリ)の衝突を計測する超小型人工衛星です。微小デブリはその小ささ故に地上から常時監視不可能な一方で、衝突すると宇宙機の機能にダメージを与えるリスクを持っています。IDEA OSG 1は38cm×38cm×60cmのボディに、約1000cm2の計測面積を持つフィルム貫通型微小デブリセンサ「スペースデブリモニター(SDM)」を2枚搭載し、微小デブリの衝突を準リアルタイムで検知します。微小デブリの衝突データにより微小デブリの分布を推定し、宇宙機の防護設計や衝突回避運用といった適切な微小デブリ対策へ貢献することを目指します。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
プロデューサー
株式会社アストロスケール 上津原正彦
ディレクター
株式会社アストロスケール 伊藤美樹
デザイナー
IDEA OSG 1プロジェクトチーム
2016年末〜2017年初頭打上
2016/12
価格
オープンプライス
背景
従来の微小デブリ計測は回収した宇宙機の衝突痕検査でした。宇宙船で回収可能な高度(約600km以下)に限定されており、計測期間も断続的でした。デブリが最も密集している高度800~1000kmの微小デブリのデータは未だありません。多数の超小型衛星により継続的に微小デブリを計測する九州大学花田研究室が掲げたコンセプトにアストロスケール社とOSG社が共感し、IDEA OSG 1プロジェクトが始まりました。
経緯とその成果
微小デブリの計測機能に的を絞ったシンプルな超人工衛星システムを目指しました。
デザイナーの想い
小さい存在だけれども大きな脅威を秘めている微小デブリの実態を身近に知って感じて頂けるように、ミッションを体現したようなIDEA OSG 1を生み出したいと思いました。また、IDEA OSG 1が宇宙で実際に活躍することで、未だ誰も見たことのないものを見るシステムを創って実現する楽しさを伝えることが出来れば幸いです。
企画・開発の意義
微小デブリの計測という1つの個性的ミッションに特化したシンプルな超人工衛星IDEA OSG 1を創ることにより、世界中の方々にIDEA OSG 1を通じてスペースデブリ問題を身近に感じて考えて頂けるような世界の実現を目指した。
創意工夫
微小デブリの衝突を確実に検知し、かつ衝突の計測確率を最大化するために、宇宙実証済みで世界で最も計測面積の大きい微小デブリセンサSDMの搭載を採用した。一方で、他衛星との相乗り打上等も含めた打上機会を獲得しやすくするために、ロケットへの搭載性を考慮して衛星を極限までスリムかつ軽量にした。更に、人工衛星としては異例のエンブレムを、ミッションの象徴である微小デブリセンサSDMが搭載される構造外表面に施すことで、ミッションを強くアピールした。
仕様
微小デブリの衝突を計測する超小型人工衛星 サイズ: 38cm x 38cm x 60cm, 質量: 20kg
どこで購入できるか、
どこで見られるか
-
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
青山 和浩上田 壮一ナカムラ ケンタ閑歳 孝子
評価コメント
宇宙ビジネスへ民間企業の参入は年々激しくなっている中で,これからの宇宙ビジネスにおける小型衛星に対する期待は非常に高い.一方で,増えすぎた人工衛星,宇宙ゴミの問題も深刻化しており,早期の具体的な解決が必要不可欠である.本作品は,このような問題を直視し,宇宙の清掃業という宇宙ビジネスを展開する貴重な試みに繋がる衛星システムである.小型衛星のメリットを最大限に活用し,これまでに存在しなかった問題を解決すべく様々なデザインが試みられている.問題に対して解決案の自由度が高く,魅力的なデザインの展開が期待される.
