受賞ギャラリー
2022
グッドデザイン賞
音知覚装置
電車の音、初めて知った。「エキマトペ」
受賞対象の詳細
エキマトペは駅のアナウンスや電車の音といった環境音を、文字や手話映像・オノマトペとして視覚的にディスプレイ表示できる装置です。聴覚障がい者が、必要な情報をタイムリーに感じ取る事ができる安全安心な駅利用を目指しています。毎日の鉄道利用が楽しい体験になるように、川崎市立聾学校の生徒たちと一緒にアイデアを考え、開発しました。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- 川崎市聾学校の生徒のアイデアを複数の企業(富士通・JR・DNP)が一緒になり開発・実現させたこと
- 駅にある音を視覚体験に変換する事で、耳の聴こえない・聴こえづらい方々に安全安心を提供できたこと
- スーパーコンピューター×AIで開発、最先端テクノロジーを活用してD&I社会に貢献できたこと
プロデューサー
富士通株式会社 未来社会&テクノロジー本部
ディレクター
富士通株式会社 未来社会&テクノロジー本部 本多達也
デザイナー
富士通株式会社 未来社会&テクノロジー本部 荒川敬, 日水真理, 山本悦子, 蓑和俊朗, 今村亮太, 寺西広太郎+株式会社アルテクナ 千崎雄大+株式会社方角 方山れいこ
詳細情報
6カ月間の実証実験 / 2022年06月16日~2022年12月15日
2022/06/16
価格
(パブリックサービスなので無料です。)
設置場所
国内 / JR上野駅 1・2番線(京浜東北線と山手線のホームの自販機の上)
経緯とその成果
【1:自助をデザインする】初回巣鴨駅での実証実験では、川崎市聾学校の生徒達が日常感じている問題をヒントに「音声アナウンスを、正確に文字と手話で表示する」「環境音はあえて排他せず “オノマトペで表示”することで、その場の雰囲気込みで状況を認知してもらう」というUX/UIに落とし込みました。結果3日間という短い期間にもかかわらずtwitterへ投稿した動画が460,000回再生され、多くの反響とフィードバックをいただくことができました。また生徒達には”想いは実現する”という経験を与えることができました。 【2:共助をデザインする】現在稼働中の上野駅では、上記の機能に加え「台東区のボランティア団体の情報を掲載」しています。パブリックスペースである駅のホームで広く告知することで、共助のきかっけが日常の中にある環境を目指します。
仕様
マイクによって集音された駅ホーム内のアナウンスや電車の環境音をAIで分析、文字や手話にリアルタイムに変換して専用ディスプレイに表示します。環境音の文字化はアニメーションで表現したオノマトペ、手話はJR東日本の駅員による動画、DNPの「感情表現フォント」を活用。これらを駅ホーム内のそれぞれの音情報に合わせて表示します。また、AI開発には当社スーパーコンピューター“FX1000”を活用しています。
どこで購入できるか、
どこで見られるか
JR上野駅1・2番線(京浜東北線と山手線)[期間: 2022年06月16日~12月15日]
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
西田 司ナカムラ ケンタ原田 祐馬廣田 尚子横田 響子
評価コメント
駅では、誰もが安全に利用するため様々な情報収集が必要である。聴覚に障害がある人への情報提供のあり方を模索したプロセスで、複数の企業とユーザーが連携してインクルーシブな手法で行われたことは、プロジェクトのスキームづくりが充実しているとして評価した。また実証実験したアウトプットは、オノマトペが持つ言葉の情報と文字デザインが持つ視覚的効果が合わさって、楽しさや臨場感といった感性にも訴える情報に昇華している。障害がない広い対象の人にとっても同じように受け入れられる、インタラクティブな情報提供の好例である。
