受賞ギャラリー
2021
グッドデザイン・ロングライフデザイン賞
国際客船ターミナル
横浜港大さん橋国際客船ターミナル
受賞対象の詳細
〇規模・構造 地下1階、地上2階建て、鉄骨造一部RC造 〇建物の概要 長さ:約430m、幅:約70m、最高高さ:約15m 〇全体床面積 約44,000㎡ 〇施設内容 地下:機械室、1階:駐車場、2階:客船ターミナル(交通広場、出入国ロビー、CIQ、大さん橋ホール等)、屋上:緑地(広場、送迎デッキ等)
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デザインのポイント
- 曲面を多用したデザインと柱のない大空間を特徴とした世界にも例を見ない建築物として内外の注目を集めた。
- 建物や屋上の床はブラジル産イペを使用したウッドデッキになっており、屋上には天然芝の緑地を設けている。
- 入港した客船からの眺望や周辺空間の眺望を遮らないことを考慮し、最高高さ約15mとしている。
デザイナー
アレハンドロ・ザエラ・ポロ、ファッシド・ムサヴィ
2002年6月1日より一部の供用を開始
2002/11/30
販売地域
国内
設置場所
横浜市中区海岸通1-1-4
背景
当初の「大さん橋」は、イギリス人技師H.S.パーマーの設計により鉄桟橋として1894(明治27)年に完成し、その後、鉄桟橋の補強や拡幅が行われてきましたが、鋼材の腐食やコンクリートの劣化など、補修による対応が限界に達したため、1989(平成元)年から再整備工事に着手しました。 新しい「大さん橋国際客船ターミナル」のデザインは、海外からの船客を迎えると同時に、市民が後世にも誇れるような横浜港のシンボルとするため、1994~1995(平成6~7)年に国際デザインコンペ(国際建築設計競技)を実施しました。 このコンペには、世界41か国、660作品の応募があり、イギリス在住の建築家、アレハンドロ・ザエラ・ポロ、ファッシド・ムサヴィ両氏の作品が最優秀作品に選ばれました。
経緯とその成果
国際コンペの審査講評では、「客船ターミナルとしての機能、市民施設としての快適性、さらに工法に至るまで十分な考慮がなされている。建築全体のフォーメーションを同一システムで構成することによって、空間の連続性を図り、CIQ部分の空間など、国内船、国際船それぞれの入港時にフレキシブルな対応が可能となっている。また、さん橋の性格上、先端が袋小路になりがちになるのを回避した動線処理が考えられているのと同時に、屋上は全体に多彩に市民利用ができる空間として考慮されている。総じて、抽象的な形態でありながら自然の形態にアナライズした革新的なデザインであり、客船がさん橋に停泊したときに客船を引き立たせてみせるとともに、この施設もより魅力的な表情を見せるであろう」と評価されました。 現在、横浜港は東アジアを代表するクルーズ客船発着拠点となっています。
どこで購入できるか、
どこで見られるか
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審査委員の評価
担当の審査委員
安次富 隆齋藤 精一藤本 幸三柳沼 周子
評価コメント
2002年に完成した「横浜港大さん橋客船ターミナル」は、国際コンペによって600組に及ぶ応募された建築プロポーザルの中からイギリスをベースに活動する2人組ユニットFOAのアレハンドロ・ポロと、ファシッド・ムサヴィを選出した。客船と港との融合を心掛けたデザイン、波をイメージした外観、波のうねりをイメージした二つの山なり、環境に優しい庭のような港、バリアフリーを前提にした柱の無い大空間、横浜港の眺望を妨げない配慮、景観に配慮した高さ、送迎デッキ、屋上広場、野外イベント広場、出入国ロビー、税関、検疫、etc…etc...これらの要求を見事に解決し、旅行客、市民、パブリックに解放された全てのファシリティに敬意を表したい。ペリー提督の黒船来航から1859年に開港した横浜港、7代目の改築となった大さん橋の今後の活躍に期待を込めて。
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