受賞ギャラリー
2021
グッドデザイン・ロングライフデザイン賞
紙製食器(非木材)
WASARA
受賞対象の詳細
WASARAは手に持ったときの感触や、唇に触れたときの感覚を大切にしています。持ちやすさを追求した有機的なフォルムは、人間の手の曲線にもとづいてつくられているため、自然に手に馴染み、手にする人の所作さえ美しく見せます。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- 有機的なフォルムと質感によって、料理を美しく引き立てる
- 竹とサトウキビの繊維で作られているため、埋めると100%土に還る
- 軽くて丈夫なうえ、使い終わればそのまま捨てられるので面倒な洗い物をしなくてよい
プロデューサー
田辺三千代
デザイナー
緒方慎一郎
詳細情報
発売
2008/04/21
価格
550円 〜 1,078円 (各アイテムパッケージ価格(6枚‐12枚入り)※税込)
販売地域
国内・海外共通仕様
背景
WASARA誕生以前には、世界的なパーティーの場でもチープな紙皿が使われており、料理だけでなく、各業界を牽引する人々の風貌までも台無しにしていた。料理を盛りつけると美しく、持つ人の立ち振る舞いも素敵に見せるために、新しい紙の器を作る必要がある。そのためには、新しい紙皿のビジュアルは、時代に即した日本の美の感性を宿しており、さらに環境に配慮されていなくてはならなかった。WASARAは、2006年に開発をスタート。素材には、ただ捨てられているだけの余剰資源をアップサイクルするため、試行錯誤を重ねた。当時、環境問題に対する社会全体の危機意識はまだ高くなかったが、プロデューサーの田辺三千代は、人間本位の生き方を見直すことは、経済活動を行うすべての企業の「義務」であり、それがスタンダードとなる時代が来ると確信していた。
経緯とその成果
木材パルプや石油に代わり、非木材である竹とサトウキビの繊維から作られたWASARAは、器を使い捨てる罪悪感を無くし、ゲストにも気を使わせずスタイリッシュで楽しい時間を創造するライフスタイルブランドとして世界に受け入れられている。ワンウェイ製品のため、これまで陶器の皿を洗浄するために使われてきた「汚水」や「洗剤」の浄化にかかっていたエネルギーの削減にもつながり、特にコロナ禍では洗浄・消毒を必要としないことで、人々の健康を守る器として活躍している。軽くて丈夫なため、外食やホテル産業で働くスタッフの負担を軽減し、ジェンダーや個々のフィジカルによる労働問題の解消にも貢献した。2006年のWASARA誕生から、8年後の2015年9月には「SDGs(持続可能な開発目標)」が、国連サミットにて採択される。私達は過去の行いを省み、よりエシカルな未来に向けた「ライフスタイルの改革」が求められている。
仕様
角皿(中)の場合: サイズ : 150mm × 150mm × 26mm 1枚当たりの重さ : 約 15 g 材質:非木材パルプ ボウル の場合: サイズ : Φ129mm × 65mm (500ml) 1枚当たりの重さ : 約 16 g 材質:非木材パルプ
どこで購入できるか、
どこで見られるか
LIVING MOTIF(六本木),HIGASHIYA GINZA(銀座),渋谷LOFTなど
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
安次富 隆齋藤 精一藤本 幸三柳沼 周子
評価コメント
2008年にリリースされたWASARAを目にしたとき、その紙皿とは思えぬ完成度の高さ、研ぎ澄まされた美しいたたずまいに衝撃を受けた人は少なくなかったはずだ。紙皿といっても、竹とサトウキビの繊維を原料とした非パルプ系製品であり、自然環境への負荷が少ない土に還る器だ。手びねりの陶器をモチーフに、パルプモールド製法で作られたWASARAは、耐水性、耐油性を備え、既存の紙皿の代替ではなく、陶磁器やガラス製の食器と同じ並びの選択肢の一つとして支持されている。近年より加速するSDGsへの取り組みや、飲食・サービス業界における課題解決策の一つとしても、今後WASARAが担う役割は、国境を越えてますます大きくなるだろう。
