GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
住宅 [住居と園庭]
事業主体名
松浦荘太建築設計事務所
分類
住宅・住空間
受賞企業
松浦荘太建築設計事務所 (東京都)
受賞番号
16G100817
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

兵庫県尼崎市の住宅地に建つ住居と園庭です。住み慣れた土地に女性単身が住む際に、その住まいの新しい可能性について考え、施主と話し合いを重ねて、敷地の1部を隣地の保育園の園庭として使う計画としました。1階が外部に開放されたピロティを設け、ピロティは園児たちが遊ぶ住居の下の園庭となっています。保育園裏庭との間にある擁壁を一部取り除き、園児は道路を介さずに行き来します。夕方、園児らが帰宅した後は住居のための静かな庭になります。住宅という建築は小さくプライベートなものですが、土地の敷地境界線を越えて、この建築に関わる人達が地縁を育む場所となっています。

デザイナー

松浦荘太建築設計事務所 松浦荘太

利用開始
2015年6月
販売地域

日本国内向け

設置場所

兵庫県

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

住居側と園庭側を完全に隔ててしまうのではなく、木造壁柱の建築によって見え隠れする距離を意図しました。

背景

住宅という空間のあり方や家族構成が多様化する昨今で、地縁のある土地に女性単身が住む際の住まいの可能性について考えました。隣地の保育園が住宅地の中にあるため園庭が非常に狭く、園児や保育士の方々が近所の公園へ遊びに出かけるのを見たのが始まりです。その後、施主と保育園を交えて話し合いを重ね「住居の下の園庭」が生まれました。

デザイナーの想い

住居というプライバシーの高い空間を開放的にする際は、何に向けて開放するか、ある限定された開放性が大切だと考えます。また園庭という空間もセキュリティの面から限定が必要とされます。「住居と園庭」では道路側向けて開放するのではなく、細長い敷地の奥に園庭を設けることで、不特定多数に対してではなく、この土地に接する人々という限定をつくり、プライバシーやセキュリティを確保しながら開放的な空間としています。

企画・開発の意義

都心で住宅を設計する際、土地の内で良好な環境を得ることに終始するあまり、敷地周囲との境界を強調するような閉鎖的な空間を求められることがあります。この「住居と園庭」では、住人や周辺環境の条件から、周囲を許容する価値観を基に取り組むことで住人も周辺環境も互いに獲得するものがあると考えました。竣工後、園児や送迎に来た保護者から住人へ挨拶もよくあるようで、地縁のある建築の一つができているかと感じています。

創意工夫

敷地は間口が7m奥行が約20mの細長い土地であり、隣地は3階建ての住宅や共同住宅に囲まれているため、住環境と園庭の両方に、明るく風通しの良い空間を生み出せる建築が必要だと考えました。この建築は木造の壁柱による3つの高さのピロティで構成され、前面道路側から奥の園庭に向かうに従い徐々に高くなり、また壁柱の壁量が少なくなることで、より開放的になってゆきます。壁量の多く低いピロティ側が、壁量の少なく高いピロティを支えるようにして全体でその構造を成立させています。高さ関係が住居内に床高さの変化をつくり、リビングからの振り返ると室内と同じように、子供たちの園庭が伺える視点を設けています。また高さのズレが住空間と園庭の両方へ光と風の通りをつくるように意図しています。

仕様

敷地面積 142.80sqm 建築面積 47.61sqm 延床面積 95.22sqm

審査委員の評価

保育園は、都市部ではその数が不足し、待機児童が問題になっている一方、閑静な住宅地では建設に反対運動が起きるような、歓迎されない施設でもある。そのような対象に、高齢者の住居と組み合わせるというデザインで答えた点が評価された。既存の住宅の立地を読み解くことで潜在する価値や社会的意義を引き出す試みである。

担当審査委員| 手塚 由比   石川 初   長坂 常   日野 雅司   松村 秀一   Gary Chang  

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