GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
住宅改修 [自適荘 ー住宅医によるストック活用型社会への取組みー]
事業主体名
新産住拓株式会社
分類
住宅・住空間
受賞企業
新産住拓株式会社 (熊本県)
受賞番号
15G090819
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

築80年の古民家再生を住宅医と共におこなった改修です。 住宅医とは「木造建築病理学」を体系的に学び、築年数や工法・経年変化の状況など、一つとして同じものがない既存住宅に適切な処置が施せる、すなわち「治す力」をもった設計者のことをいいます。 この自適荘は、住宅医による徹底した調査・診断のもと示された改修案によって、建築当時の面影を遺しながらも、耐震性や省エネ性能を向上させた建物へと生まれ変わりました。 住宅医が健全に改修した空き家や古家を使い続けていくことによって、人の意識が変わり、より良い社会コミュニティが実現します。それこそがストック活用型社会の意義であり、私たちが取り組む課題と考えます。

プロデューサー

新産住拓株式会社 代表取締役 小山英文

ディレクター

三澤文子

デザイナー

三澤文子+新産住拓株式会社 泉保真史、平川昌代

MSD主宰 一般社団法人住宅医協会理事 三澤文子

詳細情報

http://www.shinsan.com/

引渡
2015年4月19日
販売地域

日本国内向け

設置場所

熊本県宇城市三角町大田尾

仕様

木造平屋建て  床面積:95.40㎡(28.86坪) 改修部:76.17㎡(23.04坪) 増築部:19.23㎡(5.82坪)

受賞対象の詳細

背景

今は亡き父の故郷。この家で過ごす夏の時間は、家族の笑い声で満ちた幸せの象徴でした。 やがて時が経ち、幸せな時間は忘れ去られ、建物は放置されていきました。 「年老いた母の為、海で過ごしたことのない子供達の為、家族の思い出を残したい」と改修を考え始め、住宅医と共にこの家の歴史を紐解いていきました。あえて改修という手段を選択したことで、家族の思い出を語りながら、次の世代のことを考える機会となりました。

デザインコンセプト

住宅医による健全な改修が日本の住文化や街並みを次世代に遺し、価値あるストック活用型社会へと導く

企画・開発の意義

放置された空き家、無秩序に開発された街並み。問題を抱えた物件にはそれぞれの事情があり、それらは同じ方法で解決できるほど単純ではありません。 古いものをただ残すのではなく、「木造建築病理学」を体系的に学んだ住宅医がその建物に応じて性能向上を行い、新しい文化・技術を取り入れながら再生活用していくこと。そのような仕組みを構築・普及させていくことがストック活用型社会への移行を支えていくと考えます。

創意工夫

これからの改修は、この先何世代にも渡って受け継がれていく価値のある改修でなければなりません。 「価値ある改修」とは、歴史を感じながらも安全・快適であることと考えます。 自適荘では、縁側の雰囲気を損なわないことを強く要望されました。既存の木製建具を利用しながらも、断熱性能や耐震性能をあげるにはどのような施工が適切かを検討し、主に以下のような施工を行いました。 ①木製建具からの熱損失を補うため高性能の断熱材を施し、居室の断熱性能を新築住宅同等まで向上させた ②耐震性の観点から、束石のみだった基礎は鉄筋を組んだベタ基礎にし、更に断熱材を入れ基礎断熱とした ③建物の負担を軽減するため、屋根はガルバリュウム鋼板を用いた。また、軒先から入った空気が棟へ抜け、熱を逃がすように通気を確保した このような方法で、歴史ある木造建築が次世代へ受継ぐ価値ある建物へ生まれ変われることを実証しました。

デザイナーの想い

このような改修の際、今まで語られなかった歴史が子や孫に語り継がれ、「家族」という歯車が動き出す瞬間を目の当たりにすることがあります。 一つの歯車が動きだしたとき、それは周りを巻き込みながらやがて大きな動きへと変化します。 住宅医という存在が歯車を動かす仕掛けとなり、建物やそこに関わる家族の歴史を次の世代へつないでいく。その小さな仕掛けが、ストック活用型社会へむけた大きな取組みとなることを願います。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

新産住拓株式会社
新産住拓株式会社

審査委員の評価

既存の木造住宅を築年数に関係なく劣化部分等を適正に評価し、現在求められる水準に直すための体系「木造建築病理学」に基づいたリノベーションの例として、その方法の汎用性も含めて意味のある実施例である。

担当審査委員| 古谷 誠章   篠原 聡子   中村 拓志   松村 秀一  

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