受賞ギャラリー
2007
グッドデザイン賞
椅子
竹集成材プロジェクト/ TENSION
受賞対象の詳細
竹集成材の素材特性を引き出したダイニングチェア。竹集成材にスリットを設けることで、構造部材にクッション性を持たせ、シャープな見た目に反する柔らかな座り心地を実現している。しなやか且つ堅牢なフレームは、独自の接合法の開発によって実現し、製造行程の削減とそれに伴うコストダウンにも寄与している。肘付きタイプと肘なしタイプをラインナップ。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- 竹集成材独自の質感、弾性、堅牢さ。
- 竹の割れを防ぐ独自の接合方法と、竹の弾力を活かした座面。それらを素直に融合させた造形。
- 天井の低い日本の住環境に適した、背が低く幅の広い独自のプロポーション。
プロデューサー
株式会社テオリ 代表取締役 中山正明+岡山県立大学 デザイン学部 准教授 村木克爾
ディレクター
岡山県立大学 デザイン学部 助教 三原鉄平
デザイナー
岡山県立大学 デザイン学部 助教 三原鉄平

三原鉄平 顔写真
詳細情報
指定なし
2007/02/01
デザイナーの想い
竹集成材は環境性能が高い素材ですが、同時に、幾つかの課題の克服が必要な扱いにくい素材でもあります。「竹集成材プロジェクト」はこれらの課題を克服し、竹集成材の可能性を模索するデザイナーチームとメーカーによる取り組みです。このプロジェクトを通じて竹集成材の魅力を可視化し、より一層の普及に貢献できれば、持続可能な社会の実現に寄与できると考えています。
使用者、社会等への取り組み
ユーザーの使いやすさや商品の親切さの向上のためにデザインが特に取り組んだ事項
竹集成材は比重が高く、結果的に重い商品になりやすいが、堅牢さを維持しながらなるべく軽量な仕上がりとなるよう設計を行った。また、竹の弾力を受け止めるスリット部分は、しなる部分と若干の段差をつけることで、手を挟みにくいよう配慮している。
製品の寿命を長くするための工夫、あるいは寿命を全うした商品が廃棄される段階での対応
長期間の使用に耐えうるよう綿密な強度試験を行った。特に座面クッション部は、多くの検討を行い、最も割れが起こらないスリット形状を採用した。また全てが単一素材で作られている為に、分別廃棄の必要がない。
デザインが技術・販売等に対して行った提案
この椅子の主な特徴である、割れを防ぎ強度を高める独自の接合方法や座のベンディング機構は、デザイナー自身の考案によるものである。また販促物制作や展示会の実施といったプロモーション活動や、パッケージデザイン等もデザイナーチームによってデザインされている。
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
益田 文和五十嵐 久枝黒崎 輝男船曳 鴻紅
評価コメント
このところ竹が、単に環境保護運動としてだけでなく、竹自身の素材としての可能性に着目してインテリアに利用されるようになってきた。単なるイメージとしての使い方だと、重歩行の場所でフロアに使うなどの疑問符がつく場合も見受けるが、この椅子はきちんと竹の特性を活かすデザインとなっている。座面に、竹集成材を1枚の板面ではなく10本の細材とすることで、クッション性を実現させている。
評価ポイント
1. 良いデザインであるか
グッドデザイン商品、建築・環境等に求められる基本要素
美しさがある
誠実である
独創的である
機能・性能がよい
使いやすさ・親切さがある
安全への配慮がなされている
使用環境への配慮が行き届いている
生活者のニーズに答えている
価値に見合う価格である
魅力が感じられる
2. 優れたデザインであるか
商品、建築・環境等の特に優れた点を明らかにするポイント
デザインコンセプトが優れている
デザインのプロセス、マネージメントが優れている
斬新な造形表現がなされている
デザインの総合的な完成度に優れている
ユーザーのかかえている問題を高い次元で解決している
「ユニバーサルデザイン」を実践している
新しい作法、マナーを提案している
多機能・高機能をわかりやすく伝えている
使いはじめてからの維持、改良、発展に配慮している
新技術・新素材をたくみに利用している
システム化による解決を提案している
高い技能を活用している
新しいものづくりを提案している
新しい売り方、提供の仕方を実現している
地域の産業の発展を導いている
人と人との新しいコミュニケーションを提案している
長く使えるデザインがなされている
「エコロジーデザイン」を実践している
調和のとれた景観を提案している
