GOOD DESIGN AWARD
2026年度受賞結果
主催者挨拶
Portrait - 深野 弘行 2025
公益財団法人日本デザイン振興会 |理事長
深野 弘行

2026/10/15

2026年度グッドデザイン賞を受賞された皆様に心よりお祝いを申し上げます。

グッドデザイン賞の役割は、グッドデザインを発見し、共有し、広めることで経済や社会に力を与え、次なる創造の扉を開くことにあります。グッドデザインは分野の壁を越えて選ばれる大きな集合体であり、受賞された皆様が全体としてグッドデザインを形作っています。個々の考え方が響き合い、次のグッドデザインを生み出す力へとつながっていく、この創造のサイクルが続いていくことをグッドデザイン賞は目指しています。

今、私たちは容易に正解の見つからない課題に直面しながらも、暮らしに幸せをもたらすものを求めています。今年の受賞作は、有形無形、分野の垣根を越えて、その総体としてこうした時代のニーズに応えるものとなりました。

グッドデザイン賞の真価は、各分野の第一線に立つ100名の審査委員が一堂に集まり、現物を前に熱い議論を交え、評価を定めていくプロセスにあります。その議論を経た評価コメントは、受賞デザインへの理解を深める一助となるものと思います。

グッドデザイン賞は来年度70周年を迎えます。社会の関心と応募者の皆様のご期待に応え続けられるようこれからも努力を続けてまいります。


審査委員長挨拶
Portrait - 中川 淳 2026
2026年度グッドデザイン賞 |審査委員長
中川 淳

2026/10/15

このたび受賞された皆さま、そして受賞に関わられたすべての皆さまに、心よりお祝い申し上げます。

今年度、審査委員長に就任するにあたり、私は「ビジョンに資するデザイン」という視点を掲げました。今回の審査では、従来の評価軸に加えて、応募された商品や取り組みが、その主体である企業や組織の掲げるビジョンとどのようにつながっているのかを意識して見てきました。

応募情報だけではビジョンが十分に読み取れない場合には、企業や組織のウェブサイトなども確認しながら、なぜこの商品や取り組みが生まれたのか、それがビジョンの実現に向けた前向きな一歩になっているのかに思いを馳せました。

審査を終えて感じたのは、ビジョンとまったく関係のない商品や取り組みは、ほとんどなかったということです。一方で、「このビジョンだからこそ、このデザインなのだ」と直感的に理解できるものも、まだ多くはありませんでした。丁寧に読み解けばつながりは見えてくる。しかし、そのつながりが一見して伝わるところまでは届いていない。そんな印象を持ちました。

実際のユーザーはそこまで時間をかけて背景を読み解いてはくれません。だからこそ、ビジョンと商品や取り組みとの関係が、より自然に、より明確に伝わるようにデザインすることには、まだ大きな可能性があると思います。

これから「この企業や組織だからこそ、これをつくるのだ」と感じられる商品や取り組みが、さらに増えていくことを期待しています。グッドデザイン賞がそのきっかけとなれば嬉しく思います。


審査副委員長挨拶
portrait - 川上 典李子 2026
2026年度グッドデザイン賞 |審査副委員長
川上 典李子

2026/10/15

グッドデザイン賞を受賞された皆さま、誠におめでとうございます。

応募いただいた製品や活動、それぞれの背景や取り組みのプロセスを丁寧によみとくことを心がけた審査の過程は、デザインの役割や可能性を見つめ直す意義深い時間となりました。ご参加くださったすべての皆さまに、感謝を申し上げます。

大賞を受賞した専用マイク付きドラム拡張モジュール「EAD50」は、音楽と人との豊かな関係を思索し続けてきた企業だからこそ結実し得た製品です。演奏者の身体性や熱意に応える開発が目ざされ、現代の先進技術が効果的に活かされています。一貫した視座のもとで重ねられてきた探究の成果であり、企業のビジョンを象徴する好例として、心に残りました。

ほかにも、開発や活動の歩みのなかで洞察を深め、そのものの存在を深化させていこうとする姿勢は、金賞受賞のプロジェクトをはじめ、幅広い領域で目にすることができました。また、既存の建築や構造物を未来へと継承・活用していく試みのように、課題に対する的確な視点に加え、そのずっと先にある社会や生活を見すえる意志と思慮深い判断による、多様な挑戦のかたちにも出会うことができました。

ビジョンと、それを貫く探究心、そして熱意。それらを原動力とした実践の積み重ねが、私たちの社会をより豊かにかたちづくっていきます。グッドデザイン賞とは、考察のプロセスやそこからもたらされる可能性に光をあて、広く社会へと共有していくための機会であり、場にほかなりません。意欲的なデザインの数々に触れ、多くの皆さまと考えを交わすなかから、未来への糸口が躍動的に紡がれていくことを期待しています。


審査副委員長挨拶
Portrait - 鈴木 元 2026
2026年度グッドデザイン賞 |審査副委員長
鈴木 元

2026/10/15

受賞された皆さま、このたびは誠におめでとうございます。 本年度も多くの素晴らしい作品に出会い、たくさんの気づきと学びを得ることができました。

今年、特に印象深かったデザインには、共通して長い時間を見つめる強さがありました。市場の要望に応えるだけではなく、自分たちは何を大切にし、どんな未来をつくりたいのか。そこを起点にデザインしようとする意志を感じるものでした。

大賞を受賞されたYAMAHAの専用マイク付きドラム拡張モジュール「EAD50」、そして金賞を受賞された同じくYAMAHAの練習用ラッパ「トローヴァ™ YTL-110」は、それぞれの製品の完成度の高さだけでなく、「音・音楽の力で人々の個性輝く未来を創る」という企業のビジョンが、製品を越えて一貫したかたちとして現れていました。

常盤橋の復旧にも、ニカイメノイエの建築にも、同じように遠くを見つめる姿勢がありました。それは、単に長く使えるものをつくるということではありません。短期的な正解や目の前の合理性に閉じることなく、過去から受け継いだものを読み解き、現在の課題に応答しながら、未来へ手渡すべきものを選び取っていくことです。そうした一つひとつの意志ある判断が、その人や企業・組織、そして社会だからこそ生み出せる「美しいかたち」につながっていくのだと思います。

最後に、この賞に多くのデザインを届けてくださった、すべての応募者の皆さまに感謝申し上げます。グッドデザイン賞が、これからも多様な実践や考えが出会い、ともに未来を考える場であり続けることを願っています。


審査副委員長挨拶
Portrait - 原田 祐馬 2026
2026年度グッドデザイン賞 |審査副委員長
原田 祐馬

2026/10/15

2026年度グッドデザイン賞を受賞された皆さま、誠におめでとうございます。そして、ご応募いただいた5000件以上のプロジェクトに関わられた皆さまにも感謝申し上げます。

審査委員一同、応募資料を読み込み、二次審査に並んだ展示物をもとに、多くの議論を重ねてきました。そして、審査の視点に照らし合わせながら、グッドデザイン賞の受賞対象を選定し、大賞、金賞、グッドフォーカス賞、グッドデザイン・ベスト100を選出しました。

今年の顔となる大賞、YAMAHAの専用マイク付きドラム拡張モジュール「EAD50」は、専門性の高いプロダクトではありますが、AIを活用することで、複雑だったマイクのセッティングを進化させています。技術とデザインが見事に手を取り合った、新しい時代のプロダクトデザインだと感じました。「誰かのために」という視点は、専門性が高いからこそ、明確に浮かび上がってくるのだと感心しました。 また、金賞の一つ「郷土史『めぐる、』」は、雑誌というクラシックなメディアの特性を活かし、世代を超えた多くの人たちに、地域の新たな見方を教えてくれる取り組みです。これは、想像力を灯す、灯したくなるデザインとなっています。 ここで一つひとつを語ることはできませんが、栄養分の高い土壌のようなビジョンと、そこから生まれたプロジェクトが多く、審査は驚きの連続でした。その驚きが共鳴し合うことで、グッドデザイン賞というかたちを、応募者の皆さまとつくっているのだと改めて感じるような審査会だったと思います。

これからも皆さまと、このような共鳴の機会を広げていきたいと思います。それが、明日をより良くするきっかけとなることを願っています。

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グッドデザイン賞は、公益財団法人日本デザイン振興会が運営しています。