GOOD DESIGN AWARD

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CC

2021

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
認定こども園 [正和幼稚園]
事業主体名
学校法人 正和学園
分類
公共の建築・空間
受賞企業
ナフ・アーキテクトアンドデザイン有限会社 (東京都)
受賞番号
21G141265
受賞概要
2021年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

約50年前に造られた東京郊外のマンモス団地の一角にある幼稚園の建て替え計画。団地内に住む在園児が減る中で「いかに団地外と関係づけられるか」が命題だった。それとともに、保育室から直接園庭に出られる配置、遊戯室とキッチンの一体化、2棟の建物間に設けた多目的に使える拡張空間を通して、関わりを重視した園の理念を丁寧に計画した。

デザインのポイント
1.園庭と園舎の配置を旧プランから逆転させることで、アクセス方向を団地内外に対して逆転させた。
2.よりアクセスのいい大通り側に配置した遊戯室とキッチンが一体化した棟は、イベント会場として利用できる。
3.隙間をあけて配置した2棟間にかけ渡した開放的なアーケードの下で、カフェや遊び、イベントが展開される。
プロデューサー

学校法人正和学園 理事長 齋藤祐善

ディレクター

ナフ・アーキテクトアンドデザイン有限会社 取締役 代表 中佐昭夫

デザイナー

ナフ・アーキテクトアンドデザイン有限会社 取締役 代表 中佐昭夫、須田牧子

詳細情報

https://www.naf-aad.com/works/1932.html

利用開始
2019年8月1日
設置場所

東京都町田市山崎町2261-1

受賞対象の詳細

背景

東京の郊外に建てられた団地の中でも日本住宅公団(現・UR都市機構)が町田市に開発した山崎団地はかなり規模が大きい。住宅戸数は約3900戸で、1960年代末、正和幼稚園はその住人のために設置された。しかし今では少子高齢化が進み、6割程度まで居住者の数が減っている。近年では団地内からの園児は10名以下で、残りのほとんどは団地外から通っていた。もはや団地住人のための幼稚園とは言えない状況の中、園舎は老朽化し、補助金によって建て替えの機会が訪れた時に、一番の命題は「いかに団地外と関係づけられるか」だった。 幸いにも幼稚園は団地の南西端にあり、団地外に向かう大通りからのアクセスもよかったため、大通り側にある今の園庭に新園舎をつくり、竣工したら大通りに対して奥側にある旧園舎を解体し、そこに新たな園庭をつくることになった。園庭と園舎の配置を逆転させ、アクセス方向も団地内外に対して逆転させる考え方とした。

経緯とその成果

園庭と園舎を逆転させた配置を下地とし、園舎の各部屋を丁寧に計画した。 外壁をゆるやかにカーブさせた長い建物(A棟)を奥側の園庭に接して配置し、運用しやすさと安全のため、すべての保育室から直接園庭に出て行けるようにした。逆に大通り側には外来駐車スペースと遊戯室とキッチンが一体化した建物(B棟)を配置し、地域のイベント会場としても利用できるように設えた。 さらに、補助金のルールで「A棟とB棟の合計面積は旧園舎と同じでなければならない」という制約があったため、A棟とB棟を隙間をあけて配置し、上部に光を通す膜屋根をかけ渡して、アーケードと名付けた。そこはカフェテラス・保育室の拡張空間・エントランスホール・廊下など多目的に使える半屋外空間となり、園舎全体として、旧園舎の約1.2倍の床面積を擬似的に確保した。アーケードでは、毎日のランチや地域で活動する作家を招いての体験活動などが盛んに展開されている。

仕様

敷地面積:3389.74 m2、建築面積:973.11 m2、延床面積:997.70 m2、主体構造:鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造および補強コンクリートブロック、地上2階建て

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東京都町田市山崎町2261-1
正和幼稚園(学校法人正和学園 ウェブサイト)
正和幼稚園(ナフ・アーキテクトアンドデザイン ウェブサイト)

審査委員の評価

1960年後半、東京郊外のマンモス団地につくられた幼稚園の建替え計画である。建替えにあたっては、団地外の需要を取り込むため幼稚園に保育所機能を付加している。背景には、団地に住む在園児の減少に加え、女性の社会進出により幼稚園需要が減少し、保育の場を求める社会状況があった。その一方で、社会の状況は変化したが、自然の営みは変わらず続くことを大切に考え、園の設立から半世紀以上の年月を経て大樹となった木々を子供たちの新たな遊び場として再利用する配棟計画がなされた。そして次の50年を見据えて植えられた苗木は、子供たちが毎日世話をすることで自然の営みに関わり続けている。時代の要請に応じて新たな制度や仕組みを柔軟に取り入れつつも、「子供たちにとって何が一番大切か」という問いに答え続けた風景がここにある。時代がどのように変化しても、小さな苗木が子供たちの夢を育む大樹に成長する社会であり続けてほしいと願う。

担当審査委員| 伊藤 香織   五十嵐 太郎   西村 浩   平賀 達也  

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