GOOD DESIGN AWARD

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CC

2021

GOOD DESIGN|グッドデザイン金賞

受賞対象名
雪上車 [NAVi(開発コード)]
事業主体名
株式会社 大原鉄工所
分類
業務用車両、業務用車両関連機器
受賞企業
株式会社大原鉄工所 (新潟県)
受賞番号
21G100938
受賞概要
2021年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

近未来的な外観と南極には存在しない緑色を機体色とした極寒の環境にも負けない「自走観測基地」。 観測隊員の命を守る砦となります。 屈強な車体強度と耐寒性能、遠くからでも視認しやすい色を採用することで安全性を向上させました。 最終的に機能性とアイコン性を両立させた、「自走観測基地」としての車両デザインを実現させました。

デザインのポイント
1.強度的な信頼性
2.快適な住環境
3.見る者の好奇心に訴えかける形状
プロデューサー

株式会社大原鉄工所 代表取締役社長 大原興人

ディレクター

株式会社大原鉄工所 鈴木正人/椿哲也

デザイナー

TWOOL株式会社 和田紘典

詳細情報

https://www.oharacorp.co.jp/

発売予定
2021年5月30日
販売地域

国内・海外共通仕様

設置場所

寒極地域(南極大陸)

受賞対象の詳細

背景

本車両が使用される南極大陸内陸部は、冬場には猛烈な吹雪と-90℃にも達するまさに極寒の地で、日本で暮らす私たちには想像することもできない未知の環境です。 従来機から約30年ぶりのモデルチェンジとなった今回の車両では、長期間の実使用での課題の抽出を、開発における非常に重要なプロセスと位置づけました。 隊員へのヒアリングにより見えてきたのは、長期間滞在する住空間としての快適性への課題でした。 今回の車両ではその点を改善すべく、極地での「自走観測基地」としてのあり方を考えるところから着手しました。 また外観では、30年以上使われてきた従来機のデザインが南極観測のシンボルとして親しまれていることにも留意し、新型機でも同様に人々に愛され、注目されるアイコニックな外観を目指しました。

経緯とその成果

受注生産という性質上、形状やかけられるコストには大きな制約がありました。またキャビン容積の確保が最優先課題となり、更に隠れたクレバスへの転落及び転倒などから乗員を守るために全方位での強度が必要になります。キャビン全体の角を丸めたラウンド形状を採用したことが従来機との大きな違いで、これによりキャビンの強度が増し、フロントも強度確保のため剛性の高いフレームを取り入れました。 インテリアでは壁と天井の繋がったラウンド形状により、乗員を優しく包み込む空間が生まれ、乗員に精神的な安心感をもたらします。 さらに天然木の内装が極寒の地での生活に温もりを与えます。これらにより厳しい環境で業務をする乗員の心と身体を守りながら、見る人をワクワクさせられるデザインが実現できたと考えます。

仕様

運用環境:-50℃~0℃、標高4000m以下 全長:7490mm 全幅:3920mm 全高:3675mm 室内長:6500mm 室内幅:3200mm 室内高さ:1630mm(運転エリア)、2050mm(居住エリア) 質量:14,500kg 走行速度:0~25km/h 最大牽引力:147kN 最少旋回半径:0m(超信地旋回) 動力:直列6気筒ディーゼルエンジン 出力:368kW

どこで購入できるか、
どこで見られるか

株式会社 大原鉄工所
株式会社 大原鉄工所 ホームページ

審査委員の評価

地球環境の調査研究のために、わずかな人たちだけが滞在する南極において、厳しい自然環境の中での移動を助ける雪上車の30年ぶりのリニューアルである。開発者たち自らが南極に足を運び現地調査をするとともに、隊員たちへのヒアリングによってデザインされた。寒さや狭さを耐え忍んでいた研究者たちに、安全で快適な移動を実現するというコンセプトは、もはや車ではなくシェルターだといえる。強度と耐寒性、ピックポケットに落ちる場合に備えた前面の形、視認性を高める南極に存在しない緑色など、多くの工夫によって出来上がった雪上車は、車体ではなく研究機器の一つと言えるかもしれない。そして、研究員たちの生活の場としての、スペースの広さや防寒性も高めている。隊員たちを守るだけでなく、そのアイコニックな外装で、一般に対して南極調査への理解を広げることにも貢献している。人類の未来を担う研究そのものと、その現場を支える、力強いデザインとソリューションとして高く評価した。

担当審査委員| 根津 孝太   内田 まほろ   森川 高行   森口 将之  

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