GOOD DESIGN AWARD

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2020

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

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受賞対象名
温泉地再生 [長門湯本温泉観光まちづくりプロジェクト]
事業主体名
長門市、株式会社星野リゾート、長門湯守株式会社、長門湯本温泉まち株式会社
分類
街区・地域開発
受賞企業
長門湯本温泉観光まちづくり推進会議 (山口県)
長門湯本温泉観光まちづくりデザイン会議 (山口県)
受賞番号
20G171145
受賞概要
2020年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

衰退した温泉地の価値を高め次世代につなげるため、消費観光を脱し共感を生むエリアへ。それには投資主体・市・地域が同じビジョンを持ち、働き手暮らし手が誇りに感じ暮らしを楽しみ、地域自らが事業主体となり経済循環を起こし、来訪者と特別な空間と体験を共有する。それを実現する体制構築、空間、事業化、プロセス、観光地経営のデザイン。

デザインのポイント
1.投資主体にビジョン提案を求め位置付け、外部専門家と地元若手有志・庁内横断が融合するチームビルディング
2.県市に亘るエリア全体の抜本的土木デザイン、全域照明制御等、今日的環境デザインを民間外湯再建と共に実現
3.3年間の社会実験を経て河川空間活用や交通計画の地元合意・仕組み構築、地元主体による継続運営が可能に
プロデューサー

大西倉雄(前長門市長)、星野リゾート代表 星野佳路、長門湯本温泉まち株式会社 伊藤就一・大谷和弘

ディレクター

長門湯本温泉観光まちづくりプロジェクト・チーム、木村隼斗(前長門市経済観光部長)、有限会社ハートビートプラン 泉英明・有賀敬直

デザイナー

アルセッド建築研究所益尾孝祐、カネミツヒロシセッケイシツ金光弘志、LEM空間工房長町志穂、日本海コンサルタント片岸将広、川原晋、金剛住機木村大吾、設計事務所岡昇平、YM-ZOP、ファンタス白石慎一

詳細情報

https://yumoto-mirai.jp/

利用開始
2020年5月
設置場所

山口県長門湯本市深川湯本(長門湯本温泉)

受賞対象の詳細

背景

山口県長門市の音信川沿いに広がる長門湯本温泉街は、団体客から個人客への旅行ニーズ対応の遅れからピーク時の約半分に宿泊者が減少し活力を失っていた。創業150年の老舗ホテルの廃業を機に、その危機感から長門市は公費で解体し土地取得を決意、跡地へ星野リゾートの誘致に乗り出す。さらに星野リゾートと連携し、2016年8月に計画を策定。つまり、投資事業者が核となりマスタープランを提案し、行政が見合う事業投資を検討するという逆転の発想で進められた。そこには圧倒的なランドスケープとそぞろ歩きできる温泉地の考え方の提案、全国トップ10という明確な目標が明記された。長門市は公共投資主導で始めるのではなく、公民での事業推進体制として、プロジェクト司令塔や建築・ランドスケープ・夜間景観・交通・観光・金融・広報の専門家人材、地元有志で構成される実務検討を担うデザイン会議と、決定を担う推進会議を組成しスタートした。

経緯とその成果

上記実現のため、①公共空間を圧倒的に使いこなす②コア事業(恩湯)を民間事業で成功させる③既存地域事業者の活性化(リノベ支援)④新規事業者誘致の4つの柱を設定。その柱の成立基盤となるランドスケープデザイン、景観ガイドライン、リスクマネーの供給も並行して整えた。「つかう」目線先行でスタート、最終的にハードデザイン「つくる」や運営主体・仕組み「育む」に反映させるプロセス。川床の設置や安全運用、交通ルールや道路活用、夜間照明などは、すべて地域が参加し価値と課題を共有した後常設で実装、事業者誘致にもつなげた。また、生活者や従業員自身の暮らしが楽しく固有の文化になることを大切に、限られた資源の中で、観光客の量は追わず質と単価を高め、経済が持続する温泉地を目指すKPIを設定。そのためDMOとエリマネの両方を担うエリア経営主体を設立、入湯税と基金を活用した地域再投資の財源、外部評価の枠組みを整えた。

仕様

山口県長門市長門湯本温泉全域(0.2㎢)の公共空間再整備(土木・照明)、公衆浴場の民間再建1軒、新規民間温泉宿1軒、飲食店新設1軒、民家リノベーション新規開業5軒、周辺民間施設の修景及びリノベーション4軒、まち運営組織新設2社(河川&道路運営、エリマネ)、景観ガイドライン及び景観協定締結、社会実験実施8回、住民ワークショップ63回、河川内活用施設4カ所、道路活用エリア整備4カ所

どこで購入できるか、
どこで見られるか

長門湯本温泉の各旅館、恩湯、恩湯食、cafe&pottery音、A.side、さくら食堂、おとずれ堂
長門湯本みらいプロジェクト
恩湯
星野リゾート 界 長門

審査委員の評価

衰退した温泉地の再生プロジェクト。事業者が公共空間を含むマスタープランを提案し、公民が連携して総合的なデザインに落とし込んでいることや、主に都市的な環境で用いられてきたデザインレビューや社会実験を取り入れていることなど、新たな挑戦をしており、それが質の高い空間に結実している。再生を目指す各地の温泉地で、大型宿泊施設の囲い込みから施設を巡る形式へと移行する動きがあるが、ここではさらにその先の、エリアそのものの豊かな体験へと向かおうとしている。観光だけでなく住み働く地域としての魅力も高める方法は、持続可能な観光のひとつのヒントではないだろうか。

担当審査委員| 伊藤 香織   五十嵐 太郎   山崎 亮   山梨 知彦  

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