GOOD DESIGN AWARD

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CC

2020

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
個人住宅 [朝霞の3棟再整備計画]
事業主体名
石嶋幹夫
分類
戸建て住宅
受賞企業
株式会社アラキ+ササキアーキテクツ (東京都)
受賞番号
20G140880
受賞概要
2020年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

施主は、家族(故人)の遺品を端緒とした隣人との交流のある暮らしを望んでいた。まず倉庫併用住宅を新築し、広い収蔵庫を確保し、石蔵は着物や掛軸の虫干しや展示用の空間へと改修した。母屋は塀を解体し見通しの効くデッキを設えた。最後に3棟を渡り廊下により繋ぎ、地域に開き、私設ギャラリーを内包した敷地へと更新した計画である。

デザインのポイント
1.遺品を整理、展示する空間をしつらえ、それらをきっかけとした隣人とのコミュニケーションの創出。
2.石蔵を中心としたひと繫がりの建築群とすることで、家財と建築を見せる街への姿勢の表明。
3.一人暮らしの生活において、人との接点を外から取り戻す敷地の更新。
デザイナー

株式会社アラキ+ササキアーキテクツ 荒木源希、佐々木高之、佐々木珠穂、青木昂志良

詳細情報

http://arakisasaki.com/portfolio/154w_asaka/

利用開始
2019年3月1日
設置場所

埼玉県朝霞市

受賞対象の詳細

背景

当初、施主は家財の整理と地域とのつながりのある生活を望んでいた。家財は着物・掛軸・茶道具などのいわゆる骨董品であり、一般的には貨幣価値は必ずしも高くは無いが、家族にとってはひとつひとつに想いのある、かけがいの無い物である。約2年に渡る対話の中で、施主は家財が人の目に触れることを潜在的に望んでいる事が分かった。そこで家財を見せる事で地域とのコミ ュニケーションのきっかけを作るというアプローチに移行した。家財を整理する動き、メンテナンスの過程までも、施主と家財の関わり方として、地域に開いている。地域の私設ギャラリーのひとつとして家が開かれていく姿勢である。このような家の形は、住み方が多様化する時代において、汎用性のあるプログラムと考えている。

経緯とその成果

かつてこの敷地の正面は母屋の門であったが、この度の整備において敷地の重心を石蔵に据え直した。その新しい正面に新しい要素として、家財の移動動線となる渡り廊下を配置した。動線をファサードとしたわけである。取るに足らない日常的な私的行為である家財の移動を視覚化し、私設ギャラリーとして正面性を持つ事で、家を開くという街への意思表示になっている。将来的に予定されている母屋の減築工事の後も石蔵と渡り廊下は維持される予定であり、施主の意思は担保される。また、3棟がひとつながりの建築群となることを目指し、新築した倉庫併用住宅は石蔵と1階壁面ラインを揃え、母屋とは屋根 形式を共通させている。外観に点在するヒノキ・大谷石は、素材レベルでの3棟の共通項となっている。

仕様

倉庫併用住宅:敷地面積 128.62㎡ 建築面積 59.62㎡ 延床面積 106.82㎡ 木造2階 石蔵:建築面積 19.70㎡ 延床面積 33.30㎡ 組石造2階(木造補強) 母屋:敷地面積 466.02㎡(母屋+石蔵+渡り廊下) 建築面積 138.83㎡ 延床面積 211.87㎡ 木造2階 渡り廊下:建築面積 9.81㎡ 鉄骨造

どこで購入できるか、
どこで見られるか

住宅建築賞2020奨励賞
新建築住宅特集2020年6月号掲載
Archello掲載

審査委員の評価

倉庫併用住宅の新築、石蔵の改修、母屋の減築と、それぞれ異なる時代の建築群に、必要に応じた「手入れ」を行い、新しい全体像を築いた住宅である。その「手入れ」の方法が、新旧を対比的に扱うのでもなければ場当たり的に行うのでもない、絶妙な部分と全体の関係を築いており、新しさの中に歴史の地層を見るような魅力を醸し出している。さらに使い方においても過去の再発見/再構成から導かれたギャラリーを介し、地域に開かれた住宅へと生まれ変わっている。時間を紡ぐことを通じ、人の記憶や地域との関係性を再構築していくことは、建築が成し得る最大の価値だろう。

担当審査委員| 手塚 由比   小見 康夫   千葉 学   山﨑 健太郎  

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