GOOD DESIGN AWARD

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CC

2019

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
免震建物 [戸建住宅]
事業主体名
個人施主
分類
住宅用工法・構法
受賞企業
アルシプラン株式会社一級建築士事務所 (東京都)
受賞番号
19G120966
受賞概要
2019年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

関東平野に位置し海から1キロ圏内の東日本大震災で被害のあった地域、地震に強く安全な住まいを施主から求められた。本格基礎免震装置を採用し、災害時に家族の命と資産を守り、建物損傷を最小限にとどめ引き続き家族の生活を確保し、持続可能な住宅を実現した。上部構造は構造メリットを活かし、開放感に溢れた広々とした空間をデザインした。

デザインのポイント
1.大地震に備え、家族の命と資産を守り、安心・安全に次世代に渡り長く住み続けられる持続可能な住宅を造る。
2.計12基の免震装置を設置し、建物の水平変位を抑え、震災時に建物の損傷を最小限にとどめた。
3.上部構造は免震メリットを活かし高い階高、大スパン、大開口が可能となり、解放的な大空間をデザインした。
デザイナー

アルシプラン株式会社 榎本康三、土屋佳世

榎本 康三

利用開始
2018年12月

受賞対象の詳細

背景

いま日本では毎日のように地震が起き、関東、東海地方でも今後30年以内に80%程の確率で大地震が起こると予想されている。過去の大地震においては死傷者の約80%以上が建物の倒壊による窒息死、圧死が原因、負傷者も同じく約80%程が建物の倒壊、家具などの転倒による負傷が原因となっている。また倒壊した建物の復旧における経済損失は膨大である。建物の耐震安全性は重大な責務を担う。公共建物などは免震化が普及しつつあるが、低層建物、小規模建物、住宅などには本格的な普及が遅れている。今後はそれらの建物にもより高い耐震安全性が不可欠と考え、免震化により「壊れないこと」から「揺れないこと」、「生命を守る」から「将来生活も守る」ことを実現したいと取り組んだのが今回の計画である。免震構造を採用したことで、上部構造には免震構造のメリットを活かし、施主と練り上げた大空間デザインの発想へと繋がった。

経緯とその成果

本計画は鉄筋コンクリート造の壁式構造である。免震構造のメリットを活かし、壁式構造の告示基準である階高3.5mを超えた階高4.3mとした。これにより、天井内に設備機械装置、設備配管の為のスペースを確保しつつ、室内の天井高さは3mを確保できた。またスパンを7m近く取り、壁量を極力少なくし、壁開口は5m近く確保できている。開放感のある内部空間が造れ、空間の自由度を最大限に生かすデザインで施主の要望にも応えられた。さらに医師である施主が長らく地域医療に携わってきたことから、今後も地域へ貢献をしたいという気持ちを鑑み、地震災害時の建物の損傷が少ないことから地域の避難所、仮診療所としての役割を担えるように、特に1階の玄関エントランスホール、リビング・ダイニングは大空間を確保した。また玄関までのアプローチやリビング前のテラスなどは、外部空間との繋がりを持った連続した場を提案している。

仕様

敷地面積:818.0㎡ 建築面積:269.25㎡ 延床面積:488.57㎡ 主体構造:鉄筋コンクリート造(基礎免震構造)、2階建

審査委員の評価

戸建住宅のための本格的な基礎免震装置の採用例。高層建物では普及しつつある免震装置も、戸建住宅ではまだごく一部で用いられているに過ぎない。本作では、免震効果による構造的な余裕を高い階高や大開口に利用することで、その効果を「見える化」している。まだまだ高価な装置ではあるものの、こういった先行事例が将来の普及への足掛かりになるという意味で、地震多発国・日本ならではの技術のデザインとして評価したい。

担当審査委員| 仲 俊治   小見 康夫   千葉 学   栃澤 麻利  

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