GOOD DESIGN AWARD

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CC

2017

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
集合住宅 [サクラノキテラス]
事業主体名
シマダハウス株式会社
分類
集合住宅
受賞企業
シマダハウス株式会社 (東京都)
シマダアセットパートナーズ株式会社 (東京都)
伊藤博之建築設計事務所 (東京都)
受賞番号
17G100955
受賞概要
2017年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

細い道路の突当りにある敷地で、既存の桜を残し、その下にテラス(広場)を設け、取り囲むように建物を配置した。テラスによって周囲の街区が少しだけ明るくなるだけでなく、道程の暗さも、この場所へ至る路地としてポジティブに捉えられると考えた。トリプレットの各住戸の各階からは、高さによって様相を変える樹木を見る。1階では黒々とした幹とテラスが見え、2階では窓全面を桜が覆い、3階では周囲の住宅が樹木で見切られ、空が広がる。樹木を鑑賞対象として捉えるだけでなく、その視線や日差しを制御する役割と、その下に場所を作る力に注目した計画であるため、桜は、建築の一部という以上に、その骨格となっている。

プロデューサー

シマダハウス株式会社 代表取締役社長 島田成年

ディレクター

シマダアセットパートナーズ株式会社 専務取締役 佐藤悌章+シマダハウス株式会社 デザイン室 傅 均

デザイナー

伊藤博之建築設計事務所 伊藤博之

利用開始
2010年4月
設置場所

東京都目黒区上目黒

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

既存の桜を残して計画の骨格とした。一本の樹木が、まちと建築の接点となり、双方を豊かにしている。

背景

賃貸住宅が、住宅設備等のスペックと広さだけから審判されるものではなく、固有性と持続的な価値を持ちうるためには、その場所にあるものや条件をいかに引き受けるかが、重要であると考える。この敷地においては、隣地から続く桜の保存とその位置づけが最優先と考えた。 単に各部屋から桜が見えるというだけでなく、樹木がもともと持っている力を引き出すことに留意した。具体的には、木の下にテラスを設けて開くことで、人の居場所と、適度な人の動きが生まれ、細い道路も含めて、街区をより魅力的にすることができ、周囲への貢献が、結果的に建物自体がここにしかないものになると考えた。

デザイナーの想い

竣工後、ディレクターのもとに土地の前の所有者から感謝状が届き、敷地の桜は小学校の卒業式で渡された桜の枝を庭に植えたものであったことを知った。土地の資源を生かすことは、まちの主体である、個々の住まい手の記憶の継承であることを、実感することができた。 一般に、収益性を前提にした計画は更地に戻してステレオタイプな建物が作られることが多いが、そのような時間の消去が望ましくないのは、公共施設の場合だけではない。桜のように分かりやすいものではなくとも、敷地を取り巻く状況全てから、何を受け継ぎ、どのように生かしてゆくかを考える事こそが重要であると考えている。

仕様

木造 集合住宅 敷地面積 184.28 ㎡ 建築面積 107.65 ㎡ 延床面積269.27 ㎡ 6世帯

審査委員の評価

地域のシンボルであった桜の木を残すという決断により、桜の木との関係をデザインアプローチとした点を評価した。桜の木を囲むように配置されたトリプレットの住戸からは、各階異なる視点で桜の木を眺めることができる。また、桜の木は視線や環境制御としての役割も担っており、より良い住環境が出来上がっている。放射状で間口の狭い住戸プランには若干無理が感じられるが、それでもなお桜の木を残した価値は十分に認められる計画となっている。

担当審査委員| 手塚 由比   千葉 学   栃澤 麻利   Gary Chang   Shu-Chang Kung  

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