受賞ギャラリー
2024
グッドデザイン賞
和三盆
CLAY WASANBON
受賞対象の詳細
会社創立90周年を控え、新たに設立された富士フイルムのデザイン開発拠点『CLAY』。スタジオ開所を記念して、歴代の製品を日本の伝統菓子和三盆に設えた、目でも舌でも楽しめるお土産を制作。90年の感謝を伝えるとともに、製品の昔話に花を咲せながら、さらなる創造に向けてコミュニケーションを誘発させる。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- 製品の特長を精巧に写し取り、1つ1つの色再現/味にまでこだわったアイコニックな佇まいの和三盆。
- 社名に由来し、日本の象徴である「富士山」を紙加工で印象的に再現したスリーブ。
- 「箔押された桐箱や和紙等の伝統的な包装」と「“製品”を模った和三盆」の伝統と革新を融合させた佇まい。
プロデューサー
富士フイルム株式会社 デザインセンター
ディレクター
富士フイルム株式会社 デザインセンター デザインセンター長 堀切和久
デザイナー
富士フイルム株式会社 デザインセンター 岡田 誠、鈴木 陽香、大橋 梓、小林 寛
利用開始
2023/05
価格
オープンプライス (お土産の為、販売価格はなし)
設置場所
東京都港区南青山6-6-15 富士フイルム株式会社 デザインセンター CLAYスタジオ
背景
『CLAY』では、カメラや医療機器、化粧品など、幅広い製品やサービスをデザインしている。90年という長い歴史の中で、デザインの原型となる数々の製品が生まれてきた。それらはいずれも、現在に引き継がれるCLAYのフィロソフィーと同様に、日本企業らしい「誠実なデザイン」と「丁寧なものづくり精神」でつくられてきた。90周年の節目と新拠点開所にふさわしいお土産として、歴代の銘品を、日本の伝統的な砂糖菓子『和三盆』で蘇らせることとした。和三盆には、富士フイルムのデザインにつながる、日本のものづくりの精神が宿っている。デザインの重要なエッセンスである抽象化するプロセスを通して、アイコン化してもなお強い個性を持つデザインの特長を、表すことができる。「デザイン愛」を感じるお土産として、当社の歴史と日本の伝統様式と組み合わせながら、おもてなしの心を表現した。
経緯とその成果
製品特長を小さな和三盆で表現する為、日本国内に数人しかいない菓子木型の職人に依頼し、樹齢百年を超える山桜で木型を起こし、調整を丁寧に繰り返した。1つ1つ色の再現/味にまでこだわり、かわいらしいフォルムながらもそれぞれの製品の特長が写し取られた精巧な仕上がりとなっている。パッケージでは、社名に冠される富士山をモチーフに紙加工を駆使して再現したスリーブや、箔押しが施された桐箱、箱を開けた際に和紙の向こうに和三盆が透けて見える演出など、ディティールを追求しながら伝統様式と革新性(和三盆で製品を模ること)を融合させた佇まいとした。喜びを分かち合いながら感謝を伝えるお土産として、新拠点を訪れた方々に提供し、製品を振り返りながら昔話に花を咲かせ、その幅広い事業領域に改めて驚いていただいたり、持ち帰ってご家族と楽しんでいただくなど、次の節目へ向かう笑顔の溢れるコミュニケーションを生み出すことができた。
仕様
外箱サイズ:W119mm×H47mm×D25mm
どこで購入できるか、
どこで見られるか
東京都港区南青山6-6-15 富士フイルム株式会社 デザインセンター CLAYスタジオ
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
評価コメント
質の高い周年記念の販促物。ものづくりの企業であること、そして企業内の象徴的事業であるフィルムで写真を「写す」ということを、日本の伝統工芸の和三盆の菓子型を使用し和三盆の形に「写す」というアイデアに心打たれた。日本の伝統工芸を生かすことで、日本の企業であること、90年の歴史・老舗感も演出されている。スリーブに、社名にも冠された富士山の形がさりげなく施されているのも、美しい。自社プロダクトの形の美味しい和三盆を食べて楽しんでもらうという、多くの事業を抱えつつ、その土台が人の手から作り出されたもので人を幸せにしていきたいという、企業の姿勢が有機的に楽しく繋がり写し出された作品だと感じた。
