受賞ギャラリー
2024
グッドデザイン賞
トイレ
TOILET
受賞対象の詳細
トイレで行われる行為に着目することで、誰が使うかではなく、どう使うかにフォーカスしてトイレを設計した。具体的には、気持ちを落ち着ける「Relax」、気持ちを切り替える「Refresh」、身だしなみを整える「Styling」の3つのアクティビティ(どう使うか)に沿って3種類の個室トイレを計画した。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- 従来のトイレは「誰が使うか」によって分けられていたが、トイレの過ごし方「どう使うか」によって分けた
- ジェンダーに起因するトイレへのアクセス権の問題を乗り越える提案をした
- ジェンダーの問題にフォーカスすることなく、誰もが快適に使えるトイレの形を提案実現できた
プロデューサー
株式会社 日建設計 畑島楓
デザイナー
株式会社 日建設計 佐野優

詳細情報
利用開始
2023/04
設置場所
東京都 千代田区飯田橋2丁目18番3号 日建設計東京ビル 3F
背景
⽇々建築に携わる中で、建物に使われるピクトグラムに興味をもっている。ピクトグラムは建物内各室の機能・⽤途を⾔語を使わずに伝えるために⽤いられるサイネージの⼀種で、誰が⾒ても同じ理解ができるように絵が⽤いられる。例えば、⾮常⼝であれば扉を開けて外に出る⼈間が、喫煙所では煙を⽴てる煙草の絵が描かれている。これらのピクトグラムは、その空間を「どう使うか」という利⽤者のふるまい(アクティビティ)が描かれているという点で共通している。ここにトイレのピクトグラムを並べると、他とは異なる描かれ⽅をしていることに気付く。ここに描かれているのは男性、⼥性、⾞いす利⽤者―つまり、その空間をどう使うかではなく、「誰が使うか」が描かれている。トイレという空間に結びついた機能・⽤途ではなく、誰が使うかで空間が分けられているという線引きの側⾯がトイレのアイデンティティになっているのではないだろうかと考えた。
経緯とその成果
計画するオフィスにおけるトイレの使われ⽅をリサーチし、「誰が使うか」ではなく「どう使うか」に着⽬してそれぞれの個室を設えた。具体的には、トイレの使われ⽅を以下の3 つの類型に分類した。①Refresh(⽬を覚ますために顔を洗ったり、⾷後に⻭磨きをしたり、軽く伸びをしたりする⾏為)、②Relax(⼀⼈になりたいときにこもったり、気持ちを落ち着けたりする⾏為)、③Styling(服を着替えたり、靴下やストッキングを履き替えたり、メイクや髪型を整えたりする⾏為)の3 つである。結果的にあらゆる利⽤者の選択肢が増え、⽤便を⾜したり⼿を洗ったりするだけではない付加価値のあるトイレが⽣まれた。
仕様
種類:既存トイレの改修、改修部分面積:約70㎡、個室型トイレ6個室(内車椅子対応トイレ2個室)、手洗いコーナー2箇所、
どこで購入できるか、
どこで見られるか
株式会社 日建設計 東京ビル
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
評価コメント
トイレについて考える時、ジェンダーは切っても切れないテーマだと、思い込んでいたことに気付かされるプロジェクトだ。ここでは、「だれが使うか」ではなく、「どう使うか」にフォーカスして、全て個室のトイレとしてデザインしている。まず個室内の造り込みに注目すると、ディテール、素材使いから、光、音、香りまでを繊細にコントロールし、非常にリッチなトイレ体験を提供している。トイレ前の廊下もギャラリーのように整えられており、良い意味でトイレっぽさがなく、人とすれ違っても気まずさがない。トイレが使用中かどうかも、優しい光のサインでほんのり示してくれる。スペースの都合上、全てこのようなトイレにするのは難しいが、トイレの新しいあり方を示している点で評価した。
