受賞ギャラリー
2023
グッドデザイン賞
学校机用アタッチメント
つくえ+
受賞対象の詳細
つくえ+(たす)は教育ICT化に伴う学習シーンの多様化に対応し、これからの時代の学びに適応した快適な机上環境の実現をサポートする拡張ツールです。 既存の机に後付けすることで、タブレットや教材などの置き場所と落下防止策としてはもちろん、垂直方向へ収納することで目線が上がり、児童生徒の学習姿勢にも配慮されています。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- 既存の机を活用し、簡単に着脱ができるサスティナブルへ配慮した設計。
- 子どもたちが直感的に使い方を想起できる、目的に沿った機能と安全性を備えた造形。
- 既存机との親和性がありつつも、教室空間を明るく見せるデザイン。
ディレクター
コクヨ株式会社 ワークプレイス事業本部 TCMマーケティング部 斎田 清隆
デザイナー
コクヨ株式会社 ワークプレイス事業本部 革新センター 徳山洋、福島拓真/インテリア開発部 谷川原結衣、松尾泰久
詳細情報
発売
2022/10
価格
6,100円 〜 6,600円
背景
文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」により、児童生徒1人1台ずつ学習用端末の導入が行われ、教育のDX化が加速しています。教材が大きくなったり数も増えている一方で、教室空間や机自体は何十年も前から変化していないため、机上に教材を広げきれない、机上からの端末落下が相次ぐ、といった問題が発生しています。私たちは、それらの課題を解決し、時代に適応した快適な学び環境の実現をサポートしたいという思いから、学校現場での観察と検証を繰り返し、既存の机を活用できる導入しやすい製品を目指して開発を行いました。
経緯とその成果
児童生徒の持ち物を調べなおすと、机上面を平面的に広げるだけでは課題解決として不十分であることが分かりました。そこで、つくえ+は垂直方向への拡張を行うことで、教室の通路幅や机の収納数を確保しながらも、少ない机上面積を有効活用できるようにしています。また、机上面を立体的に使用すると目線が上がり、学習時の姿勢にも好影響があります。スリットにはICT端末以外に筆箱や補助教材などの収納が可能で、内部の段差によって、厚みの異なる教材でも適切な角度で置くことができるようになっています。更に、教材が落下しずらいように背面にこぼれ止めを設けたり、掃除のしやすさにも配慮したデザインになっています。着脱は2本のボルト操作のみで簡単に行うことができますが、子どもたちが授業中に誤操作しにくいように前方下部に設置しました。 カラーは教室全体が明るく見えるように、暖色寄りの明るいグレーを採用しています。
仕様
寸法:JIS規格対応:W678xD120xH66(旧JIS規格対応:W628) 重量:約550g(旧JIS規格対応:約520g) 材質:ABS樹脂
どこで購入できるか、
どこで見られるか
コクヨ東京ショールーム/コクヨ梅田ショールーム
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
橋倉 誠原田 祐馬山本 和豊ライラ・カセムPraseuth Banchongphakdy
評価コメント
教育現場にタブレットやノートPCなどの端末の導入が行われ、教育のDX化が進む一方で、教室や机の環境などは昔のままで、様々な問題やギャップが発生していることを顕在化してくれるデザイン事例である。学校の机自体を新しいライフスタイルや教育シーンに合わせて、一からデザインすることも考えられるが、全国に普及している既存の机を一斉にリニューアルすることも現実的にはなかなか難しいだろう。既存の机が共通の仕様となっていることは、共有のアタッチメントを作ることで素早く対応できるメリットもある。過渡期のためのデザインでもあるが、実際の学校現場での観察と検証を繰り返しながら、リアルな現場の問題をいち早く解決しようとする試みは高く評価できる。
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