受賞ギャラリー
2020
グッドデザイン賞
オンラインデータベース
知財図鑑
受賞対象の詳細
知財図鑑は世界を進化させる可能性のある「すごい知財」を世の中に広く流通させるためのデータベース。網羅性を重視した一般的な特許情報の検索サイトとは違い、知財を活用した新規事業プランをクリエイターが提案することを特徴としており、特許だけでなくプロダクトやサービス、APIまで広義の「知的財産」を対象に編集・公開を進めている。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- 既存の知財データベースとは一線を画すサービスであることを、サイトのビジュアルやトーンで示した。
- イメージビジュアルや未来を感じさせるイラストを使用し、活用方法のアイディアを湧きやすくしている。
- 立ち上げ当初より知財業界の中で異質なポジションを獲得し、特許庁や大手企業から問い合わせが来た。
プロデューサー
株式会社コネル 出村光世
ディレクター
株式会社コネル 荒井亮
デザイナー
株式会社コネル金沢 宮田大

詳細情報
利用開始
2019/12
販売地域
国内・海外共通仕様
背景
主に特許技術を指す「知財」は、企業の研究所や大学の研究室の中で扱われ、権利によって厳重に保護されていることが多い。一方、特許法では「発明の保護及び利用を図ることにより発明を奨励し、産業の発達に寄与することを目的とする」とされている。そこで「知財図鑑」は、一定の権利保護の元、知財情報を公にして幅広いユーザーへ利用を促進することにより、新たな知財活用のアイディアや新規事業プランが生み出されることを目的としてオープンした。 その際、単に知財の技術側面を紹介するだけにとどまらず、応用が有効な分野や事業アイディアをセットで紹介し、知財がもたらす「理想の未来像」を描くことで知財の可能性を拡張している。その結果、発明者自身でも思いつかなかったようなアイディアを元にプロトタイピングを実施し、描かれた未来を実現したいパートナーとのマッチングを促進し、新規事業の創出へとつながる役割を期待されている。
経緯とその成果
「知財」のイメージとして「取得しておかないと、競合他社にアイディアを奪われる」といったような「守り」のイメージがある。知財図鑑では「守り」から「知財を活用して、生かしていく」といった「攻め」のイメージを新たに付加できるように、現状の知財業界界隈ではあまり見られないような「フラットかつ、グラフィカルな要素の強い」デザインを心がけ「知財界の異端児」を目指した。 ただ、従来の知財の「スマート」「知的」というイメージは踏襲させるために、装飾を極力ひかえて合理的でシンプルなデザインにした。また、「図鑑」の名の通り、検索しやすいUIや検索したいビジュアルになるよう心がけた。例えばVIでは、インテリジェントな図鑑として前記のような「異端児感」を目指すために「箱組み」で構成し、フォントは強めで有機質の残る「貂明朝体」を基本に採用した。WEBサイト自体もそのトーン&マナーを引き継いで構築した。
仕様
利用者のターゲット:企業の新規事業担当者、知財部門担当者、クリエイター、エンジニア、プランナー、学生 利用形態:Webサイト閲覧、検索、問い合わせ 利用範囲:Webサイト閲覧、検索、問い合わせ
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
井上 裕太川上 典李子ナカムラ ケンタ山出 淳也山阪 佳彦
評価コメント
単に特許の概要っやポイントを紹介するだけでなく、社会に実装され、活用されることを意識してつくられている。個々の知財の価値を、具体的な活用ビジョンや将来像も含めて紹介することで、知財への関心を高め、活用範囲を拡張する役割を果たした。思わず使いたくなるような見やすさと興味深い内容、インターフェイスの工夫も素晴らしい。休眠特許を掘り起こしなど、具体的な成果も出ている。今後、知財活用のプラットフォームとして定着し、多くのクリエイティブの誘発につながることを期待したい。
このページの画像、テキストの無断転載を禁じます。©JDP All rights reserved.