受賞ギャラリー
2020
グッドデザイン賞
多目的ホール
高崎芸術劇場
受賞対象の詳細
高崎芸術劇場は「音楽の街高崎」の都市文化を創造・発信する劇場として高崎駅東口にオープンした。高崎駅東口のこれからの都市の発展の起爆剤となるように、それぞれのホールそのものやスタジオ群、さらには建物内部で行われている活動が前面道路に映し出されるスクリーンとして建物を構成し、賑わいが街にあふれだす構成を意図した計画である。
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デザインのポイント
- 『賑わいを映し出すスクリーン』として文化芸術活動や利用風景が街に映し出され都市景観を作ること。
- 大劇場の栗梅色のテラコッタ壁面を街に表出させ、劇場を象徴するアイストップとして都市に表出すること。
- 開かれた劇場のシンボルとして、スタジオ群の活動を可視化させ、この利用風景を内外に映し出すこと。
プロデューサー
高崎市
ディレクター
株式会社佐藤総合計画 境静也
デザイナー
株式会社佐藤総合計画 多々良邦弘、清水芳昭、小太刀憲行、岡本晋作

左より、境静也、多々良邦弘、清水芳昭、小太刀憲行、岡本晋作
詳細情報
利用開始
2019/09/19
設置場所
群馬県高崎市栄町9-1
背景
高崎市は古くから交通の要衝・商都であり、現市街地の駅西口は、商業・文化・行政機能が集積している。中でも群馬音楽センターは、高崎の歴史を紡ぎ、文化創造拠点であり続けてきたが、狭隘化・機能劣化によって新たな文化創造の場が待望された。そこで駅東口エリアに都市集客施設が構想された。音楽、ビジネスの2街区に、様々な都市機能を集積し、相乗効果によって都市に新しい価値観と共感を生み出し、都市発展の牽引を図るものである。その中で高崎芸術劇場は、文化の力で都市に賑わいを作り出す、“新しい公共”の概念を持つ劇場として計画された。観客の高揚感を高める空間演出、感性に響くおもてなしの空間づくりや質感へのこだわり、出演者サイドの快適性にも配慮した楽屋ゾーンやアーティストラウンジなど、観客や利用者のみならず、出演者、主催者からも「選ばれる劇場」・「また来たくなる劇場」を目指しこれを実現した。
経緯とその成果
高崎らしさを継承、新しい創造環境の場を現し、魅力ある都市を創出するため『都市に大きく開かれた劇場』を基本理念とした。都市に顔を出すホールと、それらを繋ぐ空間の活動や利用風景を可視化する構成を作り、『賑わいを映し出すスクリーン』とした。施設は、様々な舞台芸術に対応する大劇場、ロック・演劇・能と利用可能なスタジオシアター、光に包まれた音楽ホールで構成され、それらをエントランス吹抜に立体的に分散し、その存在を都市に表出することを意図した。特に大劇場は栗梅色のテラコッタ壁面を街に表出させ、劇場全体の印象を創り出すとともに、象徴的なアイストップとなって都市に存在を示している。これは、文化の力で街を活性化していくという、高崎の都市戦略の具現化でもある。スタジオ群は活動を誘発するよう吹抜沿いにガラス張りで可視化し、もうひとつのシンボルとして、活動そのものが都市に映し出され街に広がるような構成とした。
仕様
敷地面積:10,984.10㎡/建築面積:8,814.15㎡/延床面積:27,203.96㎡/建蔽率:80.24%(許容:90%)/容積率:243.02%(許容:600%)/階数:地下1階 地上8階 /最高高さ:38.570mm/軒高:37.770mm/主体構造:鉄骨鉄筋コンクリート造 一部 鉄骨造/基礎:杭基礎/地域地区:商業地域 防火地域、準防火地域
どこで購入できるか、
どこで見られるか
群馬県高崎市栄町9-1 高崎芸術劇場
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
伊藤 香織五十嵐 太郎山崎 亮山梨 知彦
評価コメント
ホワイエの華やかな賑わいや市民のアクティブな芸術活動が前面に表出するホール建築。長らく市民に愛されてきている群馬音楽センターとは対比的な立地・形態であるが、自動車からも認知しやすい大きなガラス面と可視化される多様な活動は、駅に近く幹線道路に面した環境に適した解答であり、今後駅東口発展の核になっていくことが期待される。
