受賞ギャラリー
2020
グッドデザイン賞
集合住宅
プライムメゾン下北沢
受賞対象の詳細
下北沢の閑静な住宅地・代沢で、家族向賃貸集合住宅を単身者向賃貸集合住宅に建替える計画。低層住宅地での62戸の高密度な計画が、地域・近隣住民に親しまれるよう、「従前建物のおもかげとまちなみを尊重した佇まい」と近傍の「北沢川緑道のような緑豊かな環境」を創出。その佇まいと環境が豊かなくらしを育む集合住宅のデザイン
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- 従前建物のおもかげを大切にした屋根型とスケールを抑えたボリューム構成でまちなみに馴染む佇まいを創出
- 地域の緑道のうつろいを踏襲する豊かな緑地を敷地外周に設け、地域・近隣・居住者全てに良好な環境を提供
- 街路に開いた住戸配置とシェア空間の中庭を通じ、暮らしの空気が街に滲み出す「共に住むかたち」をつくる
プロデューサー
積水ハウス株式会社 宮島一仁
ディレクター
積水ハウス株式会社 若林良、中村渉+株式会社坂倉建築研究所 大木健逸
デザイナー
株式会社坂倉建築研究所 今春大介、小浜豪朗、鈴木寛己

詳細情報
利用開始
2020/01
販売地域
国内
設置場所
東京都世田谷代沢5-4-18
背景
少子高齢化や世帯構成の変化により単身者世帯は増加しており、首都圏だけで約500万世帯以上に上る。都心に程近い低層住宅地は、利便性や住環境の面で不動産としての人気が高く、戸建・家族向けの住宅が大勢を占める。既存の家族向け賃貸集合住宅から単身者向け賃貸集合住宅に建替えた本計画は、単身者居住ニーズと低層戸建住宅地の落ち着いた住環境とを共存させることで、明るい将来のまちづくりへの提案としている。これらの地域でワンルームマンションは嫌悪感を持たれることが多い。事実、採算性優先の無配慮な計画が地域に悪影響を及ぼすことも多く、行政も条例で規制している。本計画を住民意識が高い世田谷で成功させることで、新たな社会ニーズと既存環境の双方を尊重した「共に住むかたち」を実現する汎用モデルになると確信し、全体をデザインした。
経緯とその成果
高密度なワンルームマンションが近隣住民に親しまれ、優しい街並みを形成するデザインを目標とした。最上階は従前建物の屋根型を採用して街並の継承を試み、下階はスケール感を抑えたデザインでまとめ、上下2段構成により圧迫感の緩和を目指した。また各住戸を街に向けた配置とし、くらしの灯りが街を優しく照らす効果も意図した。建物の後退部には北沢川緑道を模した前庭を設け、街と親和性のある緑豊かな環境を創出した。入居者同士のコミュニケーションが誘発されるよう中庭にも樹木を植えて開放的に設え、さり気ない交流が近隣住民にも垣間見える場づくりを意識した。近隣住民や行政担当者からは「以前より街の雰囲気が良くなった」とのお言葉を頂くことが多く、入居も順調に増えている。世田谷という地域で得られたこの成果は、低層住宅地におけるワンルームマンションの「共に住むかたち」が実現できたと考えている。
仕様
■敷地面積:1405.11㎡ ■建築面積:837.51㎡ ■延べ面積:2824.18㎡ ■構造:RC造 ■規模:地下1階・地上3階
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
篠原 聡子猪熊 純駒田 由香藤原 徹平
評価コメント
本プロジェクトはセットバックさせた建物前面に前庭を設け、緑豊かな環境を地域に提供している。全ての住戸が面する中庭は、立ち寄りたくなるスケール感で、住民同士のさりげないコミュニケーションを誘発する場となっている。中庭を囲む共用廊下の軒下には木調の仕上げがなされ、ゆるやかな階段や手摺など、落ち着いた温かみのある居場所を創っている。この中庭は完全に閉じることなく、街路を行き交う人々からエントランスを通して見通すことができる。中庭が完全に閉じていない点も高く評価された。
