受賞ギャラリー
2020
グッドデザイン賞
ブックトラック
ネスティングブックトラック
受賞対象の詳細
長い図書館の歴史でも、あまり変化のなかったブックトラックに格納面積を最大限縮小できる全く新しいさっぱりしたデザインの構造体をもち、高い操作性と自由で使い勝手のよい機能性をマッチングした、図書館をよりよくする利用者を含めたみんなのためのデザインです。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- 機能的なカンチレバー構造による 最大限のスペースセーブができるネスティング可能なブックトラック。
- 使用状況を徹底的に分析し、最適な操作性、バランスの取れた直進性、静音性を兼ね備えたブックトラック。
- 図書館バックヤードで作業の身近に配置が可能で、大幅な業務改善と働き方改革を促すことが可能。
プロデューサー
キハラ株式会社 代表取締役 木原一雄
ディレクター
キハラ株式会社 マーケティング部 木原正雄、須藤純司
デザイナー
エコフォン社 建築アドバイザー ポール イェンセン

ポール イェンセン氏
詳細情報
発売
2019/12
価格
86,000円
販売地域
国内
背景
ブックトラックは、100~300Kgもの重い書籍を運搬する重要な役割を世界中の図書館で果たして参りましたが、バックヤード等には数多く並べられ、通路を塞いでしまい、災害時の避難経路を妨げ危険であるとの指摘がありました。そうした現場の声から、徹底したネスティング設計を生かした省スペースに収納できるブックトラックに着目し研究しました。ネスティングによる収納配置する場所を決めることで、必要時に必要分をすぐに使用でき、使用後は元位置に戻すといったワークスタイルの変化を産み、業務の省力化といった働き方改革を促すことも可能になりました。また立ち作業時には腰を屈めなくても本を取出し易く、車椅子等の座り作業時でも使い易く視認性の良い棚板位置と角度を最適に設定し、あらゆる人が安心・安全、そして快適にすごせる空間づくりに貢献する世界初のユニバーサルデザイン・合理的配慮に適したブックトラックとなっています。
経緯とその成果
世界中のブックトラックを研究し、格納面積を極力小さく操作性に優れたブックトラックの可能性を探求しました。その中でデンマークの図書館が世界でトップレベルであるという事実と、機能的なデザインに共感するものがあり、デンマークのデザイナー ポール・イエンセン氏と共同開発を行いました。その過程でブックトラックの格納の問題は世界の図書館の共通問題であることを認識しました。その結果、書籍の運搬という過酷な業務に耐えながら快適に使いやすい、スマートでスペースクリエイトな新しいデザインのブックトラックを作ることが出来ました。カンチレバー構造体の省スペース型ブックトラックは世界初の製品であり、今後の世界の図書館にもデザインが受け入れられ貢献できると確信しています。実際の図書館の意見として、本製品は今までの運搬する物から、作業するすぐ横に複数台置ける、よりフレンドリーで身近な存在であると評価を頂いています。
仕様
寸法:W.788 D.423 H.957 、重量:20kg、積載量100kg 棚1段あたり約21冊収納、材質 :スチール製、仕上:粉体塗装、カラー:ホワイト&ブラック、キャスター:100Φ・125Φ 静音タイプキャスター採用
どこで購入できるか、
どこで見られるか
キハラ株式会社 本社 住所:東京都千代田区神田駿河台3-5
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
田子 學佐藤 弘喜鈴野 浩一長町 志穂
評価コメント
ブックトラックは本を運搬するというシンプルな機能の道具であるが、それゆえに新たなデザインを生み出すことが難しい製品である。長年使われ続けてきた常識的なキャスター付きカートの形式の範疇にありながら、構造や形状を見直すことで、大幅な収納効率の向上と負担を軽減する操作性を実現している点が高く評価できる。台形構造による走行性能の問題を車輪径の変更によって改善した経緯は、製品開発の実直な取り組みを感じさせる。
