受賞ギャラリー
2020
グッドデザイン金賞
デジタルシネマカメラ
EOS C500 Mark II/EOS C300 Mark III
受賞対象の詳細
EOS C500 MarkⅡ/EOS C300 MarkⅢは高品位な映像が求められる映画やドラマから、機動力が重視されるニュースやドキュメンタリーまで、幅広い映像コンテンツの制作に対応できるデジタルシネマカメラである。小型なキューブ型のモジュールデザインを採用し、手持ち、肩のせ、ドローンなど多様な撮影に対応できる。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- ジンバル、ドローン、自由雲台等の近年増加している撮影手法と相性の良いキューブ型の本体プロポーション
- 撮影規模やシーンに応じてファインダーや入出力端子、レンズマウントまでもカスタマイズ可能な拡張システム
- 操作ボタン周辺の形状や質感を見直すことにより、撮影中に操作部を見ることなく指の感覚で快適な操作が可能
プロデューサー
キヤノン株式会社 常務執行役員 イメージソリューション事業本部長 山田昌敬
ディレクター
キヤノン株式会社 理事 総合デザインセンター 所長 石川慶文
デザイナー
キヤノン株式会社 総合デザインセンター 森隆志、大橋宏顕、保刈祐介
詳細情報
発売
2019/12
価格
オープンプライス
販売地域
国内・海外共通仕様
背景
初代CINEMA EOSの登場以降、大判センサーによるボケが豊かで高画質な映像は、映画やドラマ、CMだけでなくドキュメンタリーやニュースなど多様な映像コンテンツで使われるようになった。これに伴い、大判センサーと小型ボディにより、主に手持ち撮影で高い評価を得てきたCINEMA EOSへのニーズも変化してきた。具体的には、これまでの手持ち撮影に加え、複数人での本格的な撮影や肩担ぎによる長時間撮影、そしてジンバルやドローンといった周辺機材の進化により採用が急増している新たな撮影手法への対応である。同時に、バッテリーマネジメント等の撮影現場効率化の視点からも、同一カメラで様々な撮影手法に対応できるシネマカメラが求められていた。そこで、これまでCINEMA EOSで評価されてきた手持ちでの撮影を継承しながらも、様々な撮影スタイルに対応できる革新的なデジタルシネマカメラの開発がスタートした。
経緯とその成果
デザインの課題は手持ち撮影の操作性と、様々な撮影手法への対応の両立である。その実現のために、これまでのCINEMA EOSでは本体と一体化していたビューファインダーを、ユニット化し着脱可能にした。これにより手持ち撮影時は右手、左手、接眼部の三点での安定した保持を可能にしながら、ファインダーを必要としない撮影シーンでは必要最小限の小型な本体デザインを実現した。さらに、ジンバルやドローン等の撮影シーンに対応するために、カメラがパン・チルトした際の専有空間や重心変化が少ないキューブ型の本体プロポーションを追求した。これにより、より小型のジンバルやドローンを使用することができ撮影の自由度を高める事ができる。他にも専用のハンドルユニットや大容量バッテリーユニット、レンズマウントを着脱・交換できる構成となっており、撮影規模やシーンごとのニーズに対応できる高い拡張性を実現したデザインとなっている。
仕様
<EOS C500 Mark Ⅱ> 本体サイズ:153(幅)×148(高さ)×168(奥行)mm 本体重量:1750g 有効画素数:約1869万画素 35mmフルサイズCMOSセンサー搭載 <EOS C300 Mark Ⅲ> 本体サイズ:153(幅)×148(高さ)×168(奥行)mm 本体重量:1750g 有効画素数:約885万画素 スーパー35mm相当CMOSセンサー搭載
どこで購入できるか、
どこで見られるか
キヤノンマーケティングジャパン株式会社 イメージングソリューション営業部|03-3740-3304
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
宮沢 哲青木 俊介橋倉 誠山﨑 宣由
評価コメント
「道具」の中に潜む、緻密な機能美によって醸し出される、精悍なたたずまいが美しい。プロツールに求められる多数の物理ボタンや、撮影スタイルによって選ぶオプション類まで、ひとつひとつの物理的制約を丁寧に時間をかけてデザインしたであろう、その膨大な経験の上になりたつ本製品は、会社の哲学や姿勢までもがカタチとなってあらわれているようにさえ感じ、審査委員一同、これを高く評価した。世の中の潮流である「簡単、シンプル」とは真逆の現場をささえる機能と操作性がパッケージとして見事にまとめられており、「The」プロダクトデザインといえる一つの集大成である。高品位の映画から、機動力が求められるニュースまで幅広いコンテンツをカバーすべく手持ち、肩のせ、ドローンに至るまで、撮影現場でのあくなき撮影ニーズに応えた結果、わたしたちが日々、何気なく美しい映像が享受できていると改めて気付かされた。
