受賞ギャラリー
2018
グッドデザイン賞
"パティオ"を内包する集合住宅
グラン レ・ジェイド若松町レジデンス
受賞対象の詳細
新宿区の閑静な住宅街に位置する31戸の集合住宅。密集する住宅街の中で、住民の生活に豊かな自然環境を取り込むための計画を行うと同時に、プライバシー・セキュリティの確保を図った都市型集合住宅。建物の中央に中庭を設けることで、北向きの住戸も豊かな通風・採光が得られる。また、共用廊下の形状を工夫し、プライバシー・セキュリティを確保しにくい廊下側の洋室を直接パティオに面するようにすることで、通風・採光とプライバシー・セキュリティの確保を両立させた。元々、古い洋館と日本庭園があった場所であり、土地の記憶を承継するため、その洋館を想起させるデザインとし、日本庭園で使われていた景石を外構材として再利用した。
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プロデューサー
株式会社日本エスコン
ディレクター
株式会社日本エスコン
デザイナー
株式会社スタイレックス、宮川事務所、株式会社いろ葉デザイン
詳細情報
利用開始
2017/07
設置場所
東京都新宿区若松町22-8
背景
都心の密集した住宅街における集合住宅では、自然環境をいかに取り込むかが課題となり、また、特に高級住宅街の集合住宅ではプライバシー・セキュリティの確保が求められる。本計画では、その両立を目指すとともに、古い建物・風景が新築に代わることにより失われがちな土地・建物の記憶を承継し、プランニング・デザインを行った。古いものと新しいものを融合させるのではなく、あえて共存させることで、昔からそこにあったような存在感を演出した。
経緯とその成果
住宅街におけるプライバシー・セキュリティと自然環境の確保を両立させた都市型集合住宅
デザイナーの想い
明治以降、西洋の文化に影響を受けた実業家などが邸宅を構えてきた場所であり、当該敷地も、古い洋館と深い森に包まれた日本庭園が残る場所であった。この古い遺産を新しい建物に更新するにあたり、邸宅地として受け継がれてきた土地や建物の記憶を承継し、深い森に代わる豊かな自然環境を享受できるようプランニングを行い、現代の暮らしの舞台として昇華することを目指した。パティオにより、今も昔も変わらない要素である、「自然環境」の取り込みを行った上で、外観、共用部のデザインにあたっては、元々あった洋館の内装やディテールを取り入れた。また、元々あった日本庭園にて用いられていた景石や手水鉢、灯篭を外構の素材として再利用した。建物のアプローチとなる約100mの私道においては、歴史が刻まれた轍(わだち)の形状を保持し、床素材の貼り分けを行った。
仕様
鉄筋コンクリート造地上6階建て、全31戸、敷地面積1662.75㎡(内、私道部分505.05㎡)、延床面積2876.31㎡、第一種中高層住居専用地域、準防火地域、20m第2種高度地区、パティオ
どこで購入できるか、
どこで見られるか
東京都新宿区若松町22-8
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
篠原 聡子猪熊 純西田 司
評価コメント
外観に強烈に飛び出たガラスのバルコニーが目を引くデザイン。外観の印象に対して、風や光を取り込む効果が考えられた中庭がもたらす抜け感という違う顔があることに興味を持った。2面性をもつことをポジティブに捉えたデザインが都市型集合住宅の外部空間のとり方に一石を投じている。
