GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
本屋 [森岡書店]
事業主体名
株式会社森岡書店
分類
一般・公共向けの先端的デザイン
受賞企業
takram design engineering (東京都)
受賞番号
16G141129
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

森岡書店に置かれる本は、一冊だけです。期間は一週間。そのあいだ、本にまつわる様々なイベントを催します。主題につながる展示を企画したり、著者本人を招き、トークや朗読の場を持ったり。それにより、筆者と読者のあいだで幸福な対話が生まれる場となります。電子機器でのコンテンツ消費が支配的になる中、物理的な場所の尊さを再び提起します。これまで薄利多売の書店業態が生き残るには、アマゾンのように在庫数を多く抱えるのが唯一の選択と考えられていましたが、この書店はあえて真逆の「一冊だけ」というアプローチを採りました。一冊のみだからこそ、解釈はより深く。一室だけだからこそ、対話はより密に。一冊、一室。森岡書店。

プロデューサー

森岡督行 / 遠山正道 / 吉田知哉

ディレクター

渡邉康太郎

デザイナー

山口幸太郎 / 藤吉賢

詳細情報

http://old.takram.com/ja/projects/a-single-room-with-a-single-book-morioka-shoten/

開店
2015年5月5日
販売地域

日本国内向け

設置場所

中央区銀座1-28-15 鈴木ビル

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

一冊だけの本を扱う書店である事と、所在地の歴史的意義を伝えるため、ロゴ内にスローガンと住所を含めた。

背景

森岡書店銀座店のオーナーである森岡督行氏は古本や貴重な本が集まる街、神田古書街で8年間書店員として働いた経歴をもつ。のちに独立し、立ち上げた森岡書店茅場町店で本の企画展を数多く行った経験から「一冊の本を売る書店」というアイデアにたどり着く。一冊だけだからこそ生まれる本への深い理解。必然的に生まれる作者と読者の密な関係。本を読む本質的な楽しみを伝えるため、株式会社スマイルズの出資を得て開店に至った。

デザイナーの想い

ロゴのデザインを担当したtakramは、もともと森岡書店の代表である森岡氏と、その出資者である株式会社スマイルズ代表の遠山正道氏とを引き合わせた立役者でもある。銀座店の構想が実現への一歩を踏み出す瞬間から、その場を共有してきたtakramは、そのブランディングデザインを担当するのみならず、事業の成功を切に願うあまり、2016年3月に森岡書店への出資も行う運びとなった。

企画・開発の意義

出版ビジネス全体が斜陽となっている。電子機器でのコンテンツ消費が支配的になる中、あえて書店を開設することで、物理的な場所の尊さを再提起する。またこれまで薄利多売の書店業態が生き残るには、アマゾンのように在庫数を多く抱えるのが唯一の選択と考えられていたが、この書店はあえて真逆の「一冊だけ」というアプローチを採る。一冊のみだからこそ、解釈はより深く。一室だけだからこそ、対話はより密になる。

創意工夫

ブランドロゴには菱形の図が使用されている。込めたメッセージは「開かれた一冊だけの本」と「小さな一つだけの部屋」の二つ。前者は自明として、後者は所在地の重要性も表現している。森岡書店銀座店は、銀座一丁目にある近代建築で東京都歴史的建造物に指定されている鈴木ビルの1階に位置する。鈴木ビルは、かつて写真家・名取洋之助氏が率いた編集プロダクション<日本工房>が事務所を構えていた場所。当時この場所で、名取洋之助氏をはじめ、日本のグラフィックデザインの礎を築いたと言われるデザイナー亀倉雄策氏、山名文夫氏、河野鷹思氏らが集い、対外宣伝(プロパガンダ)のためのグラフ誌「NIPPON」を作っていた。写真やグラフィックデザインとの深い繋がりを大切にしてきた森岡書店にとって、この鈴木ビルを新たな書店の場所として選ぶのは、必然的な偶然であった。

仕様

森岡書店に置かれる本は、一冊だけです。期間は一週間。そのあいだ、本にまつわる様々なイベントを催します。主題につながる展示を企画したり、著者本人を招き、トークや朗読の場を持ったり。それにより、筆者と読者のあいだで幸福な対話が生まれる場となります。電子機器でのコンテンツ消費が支配的になる中、物理的な場所の尊さを再び提起します。一冊のみだからこそ、解釈はより深く、対話はより密に。一冊、一室。森岡書店。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

森岡書店銀座店  住所:東京都中央区銀座1−28−15 鈴木ビル1階
森岡書店 Facebook ページ
森岡書店 ブランドデザインについて - Takramサイト内ページ

審査委員の評価

インターネットにより、リアルな書店は今までどおりの営業を継続させることが難しくなりつつある。森岡書店はこの状況に対する答えをとても軽やかに提示している。リアルな書店に求められる役割は、人と人との関わりや体験が伴うものである。一冊の書籍しか販売しないという方法で、それを実現していることが素晴らしい。

担当審査委員| 青山 和浩   上田 壮一   ナカムラ ケンタ   閑歳 孝子  

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