GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン金賞

受賞対象名
避難所用・紙の間仕切りシステム [避難所用・紙の間仕切りシステム - 熊本地震での活用 -]
事業主体名
ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク
分類
公共用の建築・施設
受賞企業
ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク (東京都)
慶應義塾大学 SFC 坂 茂 研究室 (神奈川県)
熊本大学 田中智之研究室 (熊本県)
熊本の建築家有志 (熊本県)
受賞番号
16G110978
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

避難所で長期間にわたる生活を強いられる被災者に対して、プライバシーを確保するための間仕切りである。紙管をフレームとして用い、布を簡単に掛けるだけで組み立てることができる。 基本ユニットは2m x 2mで囲まれた空間であるが、紙管の梁は連結することができ、グリッド状にいくらでも拡張することができる。そのため、1ユニット(2m x 2m)だけ使うこともできるし、布を掛ける場所を変えることで2ユニットや4ユニットをまとめて間仕切ることができるので、どのような家族構成でも対応できる。 紙管に掛けた布はカーテンのように開閉できるので、避難者の健康状態も確認でき、避難所を衛生的に保つことができる。

ディレクター

原野 泰典

デザイナー

坂 茂

坂 茂

詳細情報

http://www.shigerubanarchitects.com/works.html#disaster-relief-projects

利用開始
2011年3月
販売地域

国内・海外共通仕様

設置場所

震災後の避難所

仕様

紙管による柱と、同じく紙管による連結可能な梁によりグリッド状に拡張できる避難所用の間仕切りである。柱は長さ2mの紙管、梁も紙管だがジョイント材で何mにでも連結させることができる。基本ユニットは2m x 2mであり、布をかけることでプライバシーを確保できる間仕切りとなる。

受賞対象の詳細

背景

大規模な災害が発生すると、被災者の多くが避難所での生活を強いられるが、プライバシーの確保は重要な課題である。日本では災害時における避難所でのプライバシー確保が十分であるとは言えず、大規模な災害が発生するたびに多くの人が避難所で雑魚寝をする状況となる。 そこで2004年の中越地震から避難所用間仕切りの提供を開始し、何度かの改良を経て東日本大震災以降、現在の形で間仕切りを提供するに至っている。

デザインコンセプト

誰でも組立てが可能な、紙管と布でできた避難所用間仕切りを短期間で大量に提供することを可能にする。

企画・開発の意義

これまで数多くの災害支援の経験を通して、避難所のパーティションに必要とされることは、 目の高さより上で間仕切ることができること(腰高までの間仕切りが多く見られるがプライバシーを確保しているとは言いがたい)、短期間で大量に提供できることだと感じた。 これらを満たすことで、少しでも避難所で安心できる住環境を提供することを可能にした。

創意工夫

特に都市部においては、いつ起こるか分からない災害のために必要な数の間仕切りをストックするための保管場所がないことから、ストックをせずに災害が起きてからでも短期間で提供できる仕組みが重要だと考えた。紙管は工業製品で、秒単位で生産することが可能である。これにより、事前に生産して保管することなく、短期間で納品することが可能になった。 また、避難所での間仕切り支援を専門に行う業種がないため、地元の大学やボランティアとの連携が不可欠であることから、大規模な設置依頼でも短期間で滞りなく提供するための人的ネットワークづくりも災害ごとに行った。 2016年の熊本地震では地元の大学や建築家有志、ボランティアと連携を図りながら多くの間仕切りを短期間で提供することを実現した。

デザイナーの想い

避難所で長期生活を強いられる被災者のプライバシー確保は不可欠な課題である。同時に、避難所を管理する側が持つ、被災者の健康状態を把握し、避難所を衛生的に保ちたいという要望も満たす必要があった。 そこで簡単に組み立て可能な紙管フレームにカーテンのように開閉できる布を掛けただけの間仕切りを開発した。地震のたびに地元の大学とネットワークと作って協力してもらい、多くの間仕切りを短期間で提供することができた。

審査委員の評価

自然災害は,突然やってきて,私たちの生活を根こそぎ奪っていく。その時,建築家や空間の専門家は何ができるのか。その問いに対する長年の取り組みが,シンプルなデザインへと昇華されている。また,今回の熊本地震においては,被災地における受け入れの仕組みも充実しており,供給まで含めたシステムとしても,非常に洗練されたものとなっていた。このデザイン・システムは,自然災害が頻発する我が国あるいは世界にとって,大きな財産となるだろう。

担当審査委員| 山梨 知彦   千葉 学   中村 拓志   星野 裕司   Lee Siang Tai  

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