GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
治療室のモデルルーム [スマートサイバー治療室]
事業主体名
学校法人東京女子医科大学
分類
専門家向けの先端的デザイン
受賞企業
学校法人東京女子医科大学 (東京都)
受賞番号
16G110959
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

スマート治療室(SCOT)とは、基本機器のパッケージ化と治療室のネットワーク化を基盤として、強力なコンピュータ支援の元に治療の安全性と効率を向上させることを目的とする最先端の手術室である。本応募対象は、時間軸の管理に加え、術中診断画像中の3次元的な病巣位置を統合して管理し、治療の効率と安全性を向上させる4次元(時間+空間)SCOT「Hyper SCOT」のモデルルームである。術中、外科医に有用なデータを提供する「意思決定ナビゲーションシステム」や、治療の効率化を促進し外科医の負担を低減する「精密誘導手術システム(術中MRI、ロボット手術台、術者コックピット、ロボット顕微鏡)」から構成される。

プロデューサー

学校法人東京女子医科大学 村垣善浩

ディレクター

学校法人東京女子医科大学 正宗賢、岡本淳

デザイナー

株式会社日本設計 高橋正泰

詳細情報

http://www.amed.go.jp/program/list/02/01/029_01-03.html

利用開始
2016年4月
販売地域

国内・海外共通仕様

設置場所

東京都新宿区河田町8-1TWIns内

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

「見える化」(モニタも情報も状態も)。ガラスの皮膜と手術機器をつなぐミドルウエアネットワーク

背景

治療室における多くの機器はほとんどスタンドアロンとして機能しており、データの連携は全くされていないのが現状である。また、各々の機器の時刻同期がされておらず、データ同士の時系列の一貫性に問題が生じ、比較が不可能であることが多い。そのため、医療情報として信頼性、有用性および客観性に乏しく、医療プロセスを第三者の目で客観的に評価できない問題があった。解決のためにAMED事業としてSCOT開発が始まった。

デザイナーの想い

従来の手術室は、ほとんど感染防止を主体とした環境づくりをしており、術者やスタッフの快適性、効率性は省みられていない。感染防止は当然のことであるが、今以上に安全に手術成績を上げるためには、更なるスタッフへの配慮が求められる。オフィスワーカーにとっての執務空間と同様に当手術室を術者等のスタッフにとってのワーキングプレイスと捉え、情報対応、照明環境等術者をサポートする数々の工夫を盛り込んでいる。

企画・開発の意義

ネットワーク化された医療機器から得られる多元的な術中情報(術中MRI画像、神経検査情報、術中迅速診断画像等)がひと目で確認ができるので、がんなどの腫瘍の取り残しを防げると同時に、術後の麻痺等の合併症を抑制することが可能になると考えられる。ベテラン医師でしか成し遂げられなかった高度な判断を要する手術が一般にも普及する。

創意工夫

既存の動物手術室の改修のため、数々の制約条件を前提にして最先端の手術室をイメージできるデザインにする必要があった。その2つの条件を同時に満たすデザイン素材として、従来の手術室では見られない、ガラスの皮膜を採用した。照明も最先端の有機EL照明を採用した。LED照明は網膜損傷、メラトニン抑制等人体にとって影響があるといわれている波長を多く含む。それに比べブルーライトが少なく、光のバランスが良く、色温度、RGB調色が可能な有機EL照明で1/fゆらぎ、サーカディアン、レインボー等演出し患者、スタッフの快適性を求めた。更に照明光の色変化による情報提供(高リスク:赤、低リスク:緑)の機能ももたせた。当手術室をモデルとした脳外科手術では、患者の意識を維持しながら開頭手術をするので、視覚環境も重要と考える。また、レーザーポインターや床デザインにより、病巣中心を自動的にセッティングできることを視覚化した。

仕様

平面形:6,997mm×6,687mm(46.48㎡),天井高さ:3,000mmのスマートサイバー治療室のモデルルーム及び動物手術室

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東京都新宿区河田町8-1TWIns内
東京女子医科大学先端生命医科学研究所
東京女子医科大学先端生命医科学研究所先端工学外科学分野
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構

審査委員の評価

次世代の手術室(SCOT)の在り方を目指してデザインされた施設で、コンピューター技術を使った3次元的な病巣位置の把握に加え、さらに時間軸の概念をも取り込んだ4次元の「Hyper SCOT」を目指した野心作である。システムのみならず、各部のディテールにおいても踏み込んでデザインが成されて好感が持てるが、一方で手術室に不可欠と思われる、埃対策や患者の精神的不安を取り除くことなどについては、さらなる検討が必要に思われた。

担当審査委員| 山梨 知彦   千葉 学   中村 拓志   星野 裕司   Lee Siang Tai  

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