受賞ギャラリー
2016
グッドデザイン賞
保育園
よしの保育園
受賞対象の詳細
楕円形の大きな屋根の保育園。屋根は日光をより受け止めるべく南に傾むき、端部は地面に達している。傾斜は車椅子は押せるが子供の動きを励起するには十分である。屋根の上には際限無く走り続けたり転げまわる子供たちを見ることができる。雪が積もる冬には斜面を利用したスポーツも予定している。屋根の下に生まれる天井高さの違いは、空間に多様性を与える。最も低い部分は子供の聖域となり、高い部分は遊戯室となる。金物を殆ど使っていない嵌合結合の木造躯体が、年月を刻みつつ健全な子供に成長を育んでいくはずである。
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デザイナー
手塚建築研究所 手塚貴晴、手塚由比

詳細情報
利用開始
2015/10
販売地域
国内
設置場所
青森県むつ市緑町17-8
背景
青森県の陸奥にたつ保育園である。本プロジェクトは陸奥の線路跡にのこる美しい鉄道林の見学からはじまった。陸奥の美しく豊かな自然から着想し純木造の建物とした。子供たちは故郷の山の景色を視界の端に挟みながら屋根の上を走り回る。この保育園が地元に愛され、地域の財産になることを願っている。
経緯とその成果
南に向かって傾いた屋根の上を子ども達が走り回る木造の保育園。
デザイナーの想い
陸奥の鉄道林から着想した木構造の保育園である。本物の木組が子供たちを包み込む。故郷の山の景色を見ながら子供たちは屋根の上を走り回る。木組みの建物の暖かさ柔らさは何にも変えがたい財産である。子供達は木の柱に時を刻みつつ育っていくはずである。木は歳を重ねる度に美しくなり、卒園生達を30年たった未来でも笑顔で迎えてくれるはずである。
企画・開発の意義
屋根が傾斜した保育園。子供たちは同じところを回り続けることが大好きである。屋根の勾配に注意深く設計をおこない、安全でありながら、子供たちの運動を喚起するのに適切な角度にしている。南に向いた屋根の上は暖かい斜面になる。雪の季節の始まりには、そり遊びに興じる子供達の歓声が聞こえるであろう。
創意工夫
楕円形の傾いた屋根は子供達の動きを促すのにちょうど良い勾配となっている。勾配は南向きとなっていて、北国にありながらより多くの日光を捉える暖かい斜面となっている。 傾いた屋根によって、子供たちだけが潜り込める低い軒下空間をつくっている。構造は陸奥の鉄道林をイメージした純木造である。時間とともに味わいを増しより地域に親しまれる建築に育つことを願っている。雪を考慮した深い軒と縁側空間。効率の良いオンドル式床下空間暖房。陸奥の厳しい自然環境に合わせた設計である。北国でありながら冬を快適に過ごせる内部環境を整えた。
仕様
敷地面積:2975.00㎡/ 建築面積:1004.84㎡/延床面積:862.15㎡/階数:1F/構造:木造
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
山梨 知彦千葉 学中村 拓志星野 裕司Lee Siang Tai
評価コメント
子供たちが思わず走り回りたくなる屋根を持つ保育園である。ドーナッツ状の屋根は斜めに傾いて大地と連なり、有機的なつながりや新しいアクティビティが生まれている。基礎部分には小さな子供だけしか入れないスペースが生まれており、それもまた保育園独特の空間として魅力を持っている。
