GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
住宅 [クレバスハウス]
事業主体名
是枝洋介
分類
住宅・住空間
受賞企業
株式会社seki.design (兵庫県)
受賞番号
16G100816
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

〈クレバス〉とは氷河や雪渓などにできた、深い裂け目のことです。この住宅の〈かたち〉は、四角いボリュームにさまざまな力(条件)を加えていくことによって生まれました。そのなかで空間にはズレが生じ、その境目で断裂します。しかしその〈かたち〉が、楽しく快適で気持ちの良い内部空間をつくりだすと考えました。クレバスから仰いで見える神戸の空や、目の前の公園から差しこんでくるうつくしい緑の光を楽しみながら暮らす家です。

デザイナー

株式会社seki.design 代表取締役 石 憲明

建築家 石 憲明  蔦屋書店で仕事をする

詳細情報

http://sekidesign.com/work/krd.html

竣工
2014年6月
販売地域

日本国内向け

設置場所

神戸市灘区

仕様

専用住宅 敷地面積117㎡ 延床面積106㎡ 地下1階、地上2階建 構造:地階RC造、地上階木造の混構造

受賞対象の詳細

背景

坂の多い神戸の住宅街によくみられる、掘込み車庫つきの住宅。 その問題点としては、街路にシャッターが並ぶこと、 アプローチが急な階段になること、そして車庫の安全性が不明のため、掘込み車庫を残しながらの建て替えが困難などが挙げられる。 クレバスハウスはそんな住宅街でよくみられる一般的な敷地にたつ古家の建替えで計画である。

デザインコンセプト

車庫を撤去してうまれた土地の高低差を無理なく解決しながら、街路景観にも資する意匠をめざした。

企画・開発の意義

掘込み車庫を撤去してうまれた土地の高低差と、道路の傾斜を、建築一体となって無理なく解決しながら、街路景観にも資する意匠をめざした。 その解決の過程で内部空間にはズレが生じ、その境目で断裂しクレバスとなる。そこから仰いで見える空や、 目の前の公園から差込むうつくしい緑の光を楽しみながら暮らす住まいとなっている。 この地形と連動した計画は、傾斜地での住宅設計におけるひとつの解となる。

創意工夫

地下ガレージは道路から約5m入ったところにシャッターを設けることで、その手前の車路の部分にも来客用の駐車スペースを確保。それにより見た目も掘込み車庫らしさが無くなった。側面やシャッター上部を緑化することで、山にある洞窟へと入るようなイメージとした。 クレバスはガラスで包まれた階段ホールになっており、階段を上がる時にはスリット状の〈裂け目〉を通して、目の前にある公園の気持ちよい緑の風景を楽しむことができる。またクレバスを通った光は、1階、さらに地階にまで到達し、家中を明るく照らす装置となる。 クレバスを形成するふたつのボリュームは諸条件により、700mmの高低差がついている。見上げたり見下ろしたりする視線や動線の楽しさはスキップフロアならではの魅力であり、1階と2階が近く感じることで上下移動の心理的バリアから開放される。

デザイナーの想い

その土地自身がもつ特性は元来、唯一無二であり、そこに住まう人と建築家が掛け合わされることで、無限に広がる解が自然と一つに収束していく。 敷地環境を丁寧に読み解き、場所性に配慮し、それらに逆らわずに素直に計画することで個性的なカタチと魅力あふれる空間をもつ建築が生まれる可能性を示した。 住まい手と建築家の実現したいという思いが強いかどうかが問題であり、思いがなければありふれた解しか導き出せない。

審査委員の評価

このプロジェクトは傾斜地における住宅の車庫をどうデザインするか、という外的なテーマに答えながら、同時にそれを内部空間の魅力へと導いている点が高く評価された。クレバスという非常にシンプルなアイデアであるが、それが様々な問題を解決しつつ、あたらしい住宅のプロトタイプとなっていることが意義深い提案である。

担当審査委員| 手塚 由比   石川 初   長坂 常   日野 雅司   松村 秀一   Gary Chang  

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