GOOD DESIGN AWARD

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2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
公共サイン、サイン計画、地域デザイン [重要文化的景観「佐渡相川の鉱山及び鉱山町の文化的景観」相川地区誘導サインと地域デザイン]
事業主体名
佐渡市
分類
公共施設用機器・設備/公共用家具
受賞企業
株式会社イー・エー・ユー (東京都)
ナグモデザイン事務所 (東京都)
佐渡市 (新潟県)
受賞番号
16G090727
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

2015年10月に国の重要文化的景観に選定された「佐渡相川の鉱山及び鉱山町の文化的景観」において、佐渡金銀山の中心である相川地区に設置された来訪者のための公共サイン。江戸時代から現代まで操業していた鉱山と近世から続く町並み、佐渡の海を一繋がりのものとして体感でき、文化的な風景の一部として必要十分な誘導サインを目指した。デザインは相川地区のサイン計画検討と並行して進め、安心して来訪者が散策するための情報提供に加えて、町の骨格を形成する構成要素を明示することや交通ネットワーク形成と密接に連携することもトータルで検討し、既存の文化的景観に新たな時間・価値を積み重ねるようなプロダクトとして統合した。

プロデューサー

佐渡市世界遺産推進課、新潟県教育庁文化行政課世界遺産登録推進室

ディレクター

篠原修

デザイナー

南雲勝志、崎谷浩一郎、田邊裕之

南雲勝志、崎谷浩一郎、田邊裕之

詳細情報

http://www.eau-a.co.jp/

利用開始
2016年4月
販売地域

日本国内向け

設置場所

佐渡市相川

仕様

本体:高さ1850mm(GLより上部)、幅200mm、重量約40kg、アルミ鋳物、ステンコート焼付塗装仕上げ(全体)、インクジェットシート貼り(表示部)/町名表示板:高さ71mm、幅244mm、厚み8mm、真鍮鋳物、古味仕上げ、文字部磨き

受賞対象の詳細

背景

世界遺産登録を目指す佐渡市(「金を中心とする佐渡鉱山の遺跡群」として平成22年11月に国内暫定リスト入り)において、相川金銀山はその普遍的価値を示す重要な金銀山関連遺産の中核として位置づけられている。佐渡市は、相川地区の重要文化的景観の選定を期に、地区全体のサイン計画や来訪者の受け入れ体制など、地域のトータルデザインを模索しながら、具体的な取り組みのひとつとして誘導サインの設置を実施した。

デザインコンセプト

シンプルなエレメントでサイン機能を満たしつつ、地区固有の鉱山文化を風景の一部として表現すること。

企画・開発の意義

計画レベルでは地域固有の地形や文化的価値を再解釈することで、来訪者にも理解しやすく効果的な誘導ルートを設定し、サイン群を体系化した。情報を階層化することで、情報量は変えずに分かりやすい表示となった。ものづくりレベルでは、ルートや情報の階層性を可視化しつつ、周囲の町並みが重ねてきた表情に相応しい形状やテクスチャを与えた。それら2つのレベルを連続的に思考する検討体制を確保し、トータリティを実現した。

創意工夫

歩行者が優先的に利用する5つの「ルート」と交通の結節点となる「回遊拠点」を設定し、それらのネットワークを可視化する装置として誘導サインをデザインした。 利用者の視点では、不慣れな土地において現在地と大まかな方角を知ることが最優先事項であった。そこで地形的にも歴史的にも町の骨格となる通りや坂を5つの「ルート」と名付け、必ずルートの端点には町の「シンボル」が配置される構成とした。「ルート」で大まかな位置を、「シンボル」で方角を掴み、自由に散策しつつ方向性は見失わない仕組みを考えた。 また島内は車両交通が専らの移動手段となるため、パークアンドライドを始めとした車両ネットワークとの連携も利用者にとって重要であった。駐車場やバス停を「回遊拠点」に設定し「ルート」と繋ぐことで、車両と歩行者のネットワークを連続的に計画した。 結果的に使いやすく自然と地区の鉱山文化を体感できる誘導サインシステムとなった。

デザイナーの想い

ものが飽和する時代に、新たにものをつくる意味や価値について問い直したい。公共におけるものづくりは、そのプロセスの不透明性や匿名性によって、ものづくりに対する尊厳が薄れる傾向にある。特に公共サインは場当たり的な設置やデザインが目立ち、利便性の追求とは裏腹に、わかりづらさや地域の固有性や価値を損ねるものも少なくない。小さくとも、そこに地域の価値を醸成するための計画論やデザイン思想が必要なときでないか。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

佐渡市相川

審査委員の評価

不慣れな土地の観光では、地図上のどの位置に、どこを向いて立っているのかを把握することが難しい。当サイン計画は、来訪者が必要とする情報を、町の骨格となる「ルート」、交通の結節点となる「回遊拠点」、方向を示す「シンボル」に分類することで、最小限度のサインの設置で散策時に方向性を見失わない工夫をしながら景観の保持にも配慮していると評価した。また、当サイン計画の考え方は普遍性があるため、他地域への応用も期待できる。

担当審査委員| 安次富 隆   玉井 美由紀   寺田 尚樹   村上 存   Jung-Ya Hsieh  

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