受賞ギャラリー
2016
グッドデザイン賞
指輪
名もなき指輪
受賞対象の詳細
時を経て結婚指輪に進化する新発想の指輪です。楕円にゆがんだ真鍮のリングを芯棒に通し、木槌でたたいて真円に仕立て上げる手づくりの指輪。サイズ対応が可能なリングセットと、指のサイズを測るリングゲージなど製作に必要な道具が一緒にパッケージングされているので、いつでもどこでも誰とでも指輪づくりが体験できます。そして自分たちで作った“名もなき指輪”を原型として型にとり、プラチナやゴールドで造りかえ、結婚指輪として生まれ変わらせることができます。作るときについた叩き跡や日々の生活の中で纏った傷跡、その思い出ごとかたどり、それがそのまま刻まれた“世界にひとつだけの指輪”に。新しい価値観の次世代型指輪です。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
ディレクター
JAM HOME MADE ディレクター 増井元紀
詳細情報
発売
2014/11/22
価格
6,500円 〜 260,000円
販売地域
国内・海外共通仕様
背景
カタチより機能重視の時代感の中で、あらゆるプロダクトの画一化による表層的なデザインの終わりを感じさせる昨今。プロダクトデザイン出身のデザイナーが、「肌に最も近いプロダクト」として、肌身離さず身につける小さな一生モノ、結婚指輪の本質的な価値に想いを馳せ、「自分たちで作る」「過ごした時間がカタチになる」個人の感じる“コト”の価値を“名もなき指輪”で表現しました。
経緯とその成果
モノだけじゃない、コトの価値をデザイン
デザイナーの想い
人と人が共有すること、参加すること、双方向でつながること、その化学反応で生み出される“コト”にこそ、本質的な価値を見いだしています。利益のない価格設定は、恋人の二人を見守り、やがて“世界にひとつだけの指輪”へと共に歩むことを最も大切にしているから。一組の結婚指輪、その環の中に潜み、あるいは取り巻いている無数の価値を具現化するお手伝い。その役割を担えることこそが、デザインの理想の一つだと考えます。
企画・開発の意義
自分で作る。作ってもらう。一緒に作る。過ごした時間、思い出がカタチになる。そしてその後のストーリーを紡ぐ。特別な相手との関係性がつくりだす、自分たちだけに感じられる価値こそが、本質的な“モノ”の価値と考え、“モノ”から“コト”へ人々のプライオリティーが移りつつある今、デザインの果たし得る可能性の一つとして、有史以来人々の営みに寄り添ったプロダクトである指輪を媒介に提案しています。
創意工夫
“名もなき指輪”は、二人で作り上げたその瞬間をカタチに残しておけるだけでなく、時の経過とともにさらに深まった二人の関係までをも映し込んで、結婚指輪に進化させることができます。日々ともに過ごすなかで指輪に刻まれる傷や跡、それらアップデートされた思い出までそのままかたどったゴム型を作成し、プラチナやゴールドの素材で造りかえることができるのです。そして結婚指輪製作時には、作成したゴム型を一緒にお渡ししています。本来ジュエリーのゴム型とは、同じ形のものを大量生産するときに使われる技法です。しかし現代のジュエリー業界では、あたかもそうして作られた指輪がオンリーワンの指輪であるかのようなイメージを纏って流通しています。かけがえのない二人の日々を刻み込んだ指輪を原型にしてつくる結婚指輪は、世界に二つとして同じもののないオンリーワンの指輪であり、お渡しするゴム型は、その証ともいえるものです。
仕様
BOXキット:215×300×43(mm)
どこで購入できるか、
どこで見られるか
JAM HOME MADE 東京店 東京都渋谷区神宮前3-22-11 03-3478-7113
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
倉本 仁安東 陽子原田 祐馬山田 遊Carl Liu
評価コメント
自分だけでなく多くの関係者が製作に参加できるというストーリー性が優れている。プロダクトそのものだけでなくパッケージの質の高さにも好感が持てる。
