受賞ギャラリー
2015
グッドデザイン賞
一棟丸ごとリノベーション住宅
リアージュつくば春日
受賞対象の詳細
築24年の企業社宅を一棟丸ごとリノベーションマンションとして再生し、入居者同士が共通の話題や体験でコミュニケーションを図れるしかけを企画。特にDIYルームは、”ものづくり”を軸に親子、入居者同士のコミュニケーションを促す場となるようデザイン。暮らしの中で必要なものを買うという選択肢だけでなく、自らの手で家や家具を修理、制作することで愛着をもち丁寧に住まいや暮らしと向き合えることを期待している。その他、キッズスペースやスタディルームは子供だけでなく親同士のコミュニティを醸成するきっかけの場として企画。シェア菜園では入居者自身の手で種まきをするワークショップも開催し交流の促進が期待される。
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プロデューサー
株式会社リビタ 長瀬徳之、小林康宏
ディレクター
株式会社リビタ 藤岡寛基、西川賀子
デザイナー
株式会社南條設計室 山形毅+一級建築士事務所あとりえ とりやまあきこ+古谷デザイン建築設計事務所 古谷俊一、宮脇久恵+株式会社トリニティ・イデア+大和ライフネクスト株式会社
詳細情報
利用開始
2015/03/30
価格
3,478万円 〜 4,448万円
販売地域
国内
背景
かつての日本の住宅では、障子の張り替えや屋根の補修など日常的に自宅に手を加えメンテナンスを行っていたが、いつしか住まいは画一化され、それを管理するサービスが生まれた。それらのサービスの浸透とともに家に手を加え愛着を持つ感覚が次第に忘れられ、物とサービスがあふれる今だからこそ、改めて自分の手で生み出す事の楽しさ、大切さを伝えたいという想いから、それを実現可能な空間を共有部に導入することを考えた。
経緯とその成果
時と共に育むコミュニティの礎と、自ら手を入れる仕掛けが自然と住まいへ愛着をもたらす。
デザイナーの想い
元は暗くて湿気染みた地下の倉庫。この空間を自らの価値観を表現するアトリエとして、また入居者同士のコミュニティ形成の場にする為に、空調及び換気機能を新たに設置。床は既存のコンクリートを活かし、壁全体を白で塗装し暖色の照明を使用する事で地下の閉鎖感を改善。居住者のアトリエへと変貌させた。関係者自らでDIYした机や椅子を設置したことで、既製感のない柔らかい空間へリノベーションしました。
企画・開発の意義
建物の資産価値を守るためには、ハードのメンテナンスだけでなく、入居者が住まいに愛着を持つことが大切だと考える。自ら住まいに手を入れる経験は、住まいに対する愛着を芽生えさせる。本物件は築後100年の長期修繕計画を提案しており、それは事業者から与えるだけでなく入居者が主体的に維持管理に取り組むことを目指している。DIYルームを拠点に一人でも多くの入居者が住まいを大切にする思考が育まれることを期待する。
創意工夫
【ハード面の工夫】DIYをはじめてみたいと思っても、道具をそろえることがネックとなることは多い。あったら便利だけど買うほどではないと敬遠されやすい電動ドライバーなどの大工道具や、広い作業スペースなど、集まって住む集合住宅のメリットを活かして共有することで、DIYを日常の中に取り入れやすくした。 【ソフト面の工夫】共用部施設は、企画するだけでは入居者に利用されないことが多いためまず入居者に場に来てもらい、DIYを楽しんでもらうことに注力したイベント、ワークショップを開催した。まずDIYの魅力、面白さを実感してもらうことで、DIYルームを利用する機会が増え、おのずと入居者間のコミュニティ形成を促すことにつながることを期待している。
仕様
敷地面積 3,703.97m²、建築延床面積 7,056.84m²、構造・規模 鉄骨鉄筋コンクリート造、地上14階、地下1階建て
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
横川 正紀色部 義昭上田 壮一南雲 勝志山崎 亮
評価コメント
入居者が自ら居住空間を改善していく楽しみを余地として残し、その意欲をサポートすることをリノベーションのコンセプトにしている点で、他のプロジェクトと一線を画する。DIYルームを作って交流ワークショップを行うなどの活動もユニークで、そこに目が行きがちだが、最大のポイントは、入居者が主体的に取り組む「築後100年の長期修繕計画」を作った点にあるのではないだろうか。リノベーションを通じた入居者のコミュニティ形成が進み、住まいへの愛着へと繋がっていく事を期待したい。
