GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
椅子 [アルティ[タンジー]]
事業主体名
パブリック株式会社
分類
生活家具/家庭用照明器具
受賞企業
パブリック株式会社 (愛知県)
受賞番号
15G050455
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

「シニア向け施設へのチェア」という開発テーマに対して、「シニア」という言葉で多様な人達をひとくくりで捉えて他の世代から切り離すのではなく、同時代を生きる感覚を有しながら、衰えてくる身体性にいかに自然に対応していくかを考えた。具体的には二つの要素で対応した。ひとつは、身体のラインにフィットする三次元の成型合板によるシェル(背と座)である。座面の奥に余分な空間をなくし、座り心地を確保しながら、背中をそっと押すような 立ち上がりやすさを生んだ。もうひとつは、前脚から背まで緩やかに繋がるアームフレームである。言わばチェア全体に手すりを回すことで、どこでもストレスなく自然に掴むことができるようになった。

デザイナー

藤森泰司アトリエ 藤森泰司

藤森泰司

詳細情報

http://www.arti-tokyo.com

発売
2014年7月
価格

74,500 ~ 97,700円 (税抜価格)

販売地域

国内・海外共通仕様

受賞対象の詳細

背景

急速に進む高齢化社会に呼応して「シニア向け施設」も確実に増え続けている。そしてその施設のありようも多様である。ただ、そこで家具は、必ずしも状況に対応しているとは思えない。「シニア」という枠の中でしか思考しないために、そして局所的な機能性に配慮するあまりに、デザイン的な観点が後回しになってしまうものが多い。今こそ、機能性にきちんと配慮しながら、デザイン性の高いチェアが求められていると考えた。

経緯とその成果

高齢者にとっていいものは、若い世代にとってもいいものであるはず。多くの世代を繋いでいくチェア。

デザイナーの想い

シニア向けのチェアで考慮すべき、立ち座りのしやすさや、「掴む」ことや「触れる」ことを、ここでは「シェル」と「アームフレーム」という二つの要素で対応した。それは、ひとつのデザインで全ての要求に応じるのではなく、重要なことに焦点を定めて全体を纏めていくことの方が、より多くの効果が現れることへの実践でもあった。シニア向けのチェアではなく、美しいチェアが自然にシニア世代に対応していくことを目指した。

企画・開発の意義

いきいきと元気に過ごすシニア世代を思い起こせば、趣味や嗜好だって他の世代と連続していることがわかる。こうした現代的な認識を、チェアのデザインに反映させたいと考えた。ゆえに、それでも衰えてくる身体性にきちんと対応しながら、現代的なデザイン性を有したもの、つまりは通常のチェアとシニア用チェアを繋いでいく新しい形式が必要だと考えた。機能用品ではない、美しいチェアをシニア世代にも使って欲しい。

創意工夫

このデザインを製品として完成させるうえで、前脚から左右のアーム、バックレストを切れ目無く滑らかに繋げること、シェル(背・座)との一体感が最も重要な要素であり、実現するためには構造体の高い寸法精度が必要となります。その為、加工後に動きの発生し易い曲げ木を使わず、無垢材を切削し組み上げる手法を採りました。構成する全てのパーツをフィンガージョイントで繋ぎ合せた後、NC加工により丸く面を取り、手作業で研磨して仕上げています。また、クッション部の取替えや張替えなどのメンテナンスに対応できるように、シェルとクッション部は一体感を犠牲にすることなく取り外しができる構造にしています。

仕様

本体:成型合板ブナ材・ポリウレタンフォーム / 木部:ブナ材 / 寸法:ダイニングチェア W555 D560 H795 SH395 / ラウンジチェア W590 D600 H715 SH365 (mm)

どこで購入できるか、
どこで見られるか

arti ショールーム
http://www.arti-tokyo.com

審査委員の評価

シニア向け施設へのアームチェアに対して、高齢者にとっていいものは若い世代にとってもいいものであり、シニアを他の世代から切り離すのではなく感覚を共有し、衰える身体性に対処していく、という考えに共感をもった。「シニア」という枠で括った考え方での機能性の配慮では、どうしてもデザインを後回しにする傾向にある現状に対して、機能性に配慮しデザイン性を高めたチェアがより開発されて欲しい。背と座が一体となったシェルは余分な空間をなくし立ち上がりやすさを生みだした。アームフレームはチェア全体に手すりを回すことで、使用者とサポートする人がどこでも自然に掴むことができる。身体性への配慮から生まれたシェルとアームフレームによる独特な柔らかい表情が現れ、シニア向けとして限定せずに、多くの人達に向けた美しい椅子へと仕上がっている。

担当審査委員| 五十嵐 久枝   鈴野 浩一   長町 志穂   服部 滋樹   山田 晃三  

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