GOOD DESIGN AWARD
受賞ギャラリー
2021
グッドデザイン・ベスト100
心肺蘇生訓練キット
CPRトレーニングボトル

分類タグ

メディア/コンテンツ

事業主体名

一般社団法人ファストエイド

受賞番号

21G151388

受賞対象の詳細

日本の心臓突然死は年間約76,000人。目撃者がいても約半数は全くCPR(心肺蘇生)がされていない。訓練には高価な人形が必要なため職場や学校で救命知識を広めることは難しい。そこでペットボトルと紙のシートを使い、訓練用人形とほぼ同等の胸骨圧迫訓練ができる手法を世界で初めて確立、訓練シートを製品化し訓練方法動画を公開した。

※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります

デザインのポイント

  1. 心臓から広がるハートの線で人体を表現し、心臓の圧迫で全身に血液が循環するCPRの役割を視覚的に表した
  2. ポップで親しみやすいデザインで訓練用人形が持つ独特の不気味さを解消し、訓練への心理的ハードルを下げた
  3. 音楽に合わせて楽しく手軽に訓練できるYoutube動画で、心肺蘇生法に関心が薄い方にも訓練が広がった

プロデューサー

株式会社AOI Pro. 加藤久哉・丸川貴史

ディレクター

株式会社博報堂 三浦竜郎

デザイナー

株式会社SEESAW 村越陽平designer

詳細情報

発売

2019/08

価格

1,540円 (5枚入り、送料込、消費税込)

販売地域

国内

背景

サントリーのペットボトル飲料の中からCPR訓練に最適なボトルを探した。床に横に置いたボトルを人体の胸部に見立て、ボトル中央部を胸骨圧迫した際の変形量とかかる荷重を測定し、訓練用人形と比較したところ、サントリー天然水のボトルは世界的に普及している訓練用人形によく似た変形特性があり、ほぼ同等の訓練ができることが判明した。硬くて変形しにくい一般的なペットボトルとは異なり、サントリー天然水550mlは11.9gの国産最軽量の非常に薄く柔らかいボトルのため、圧迫してボトルが凹んでも空気圧で形が復原するため繰り返し圧迫することができる。全く新しい訓練方法のため安全性の検証やボトルの耐久試験も実施し、訓練用人形とペットボトルの比較試験データを公開しコンセプトを発表した。その後、講習会での使用を重ねてペットボトルでの訓練方法を確立し、クラウドファンディングで多数の支援を受け、訓練シートの一般販売に至った。

経緯とその成果

突然の心停止の7割が住宅で発生しており、住宅で発生した場合の救命率は3%と著しく低い。住宅で命を救うには家族全員がCPRの重要性とやり方を知っていなければならないが、それができていない。訓練用人形は1体数千円〜数万円もする高価なものであり、講習の場でも受講者の人数分用意することは難しく、人形の空き待ちの時間が発生し効率的な訓練が難しい。そこでCPRトレーニングボトルを活用した救命講習では全員分の訓練シートとペットボトルを用意し、動画の音楽のリズムに合わせて一斉にCPR訓練することで全員がしっかりと訓練する時間を確保しつつ全体の講習時間は短縮できた。十分な訓練によりCPRができるという自信がつくことで、人にCPRを伝えられるし、緊急時にも行動できる。シートは折り畳み型にして講習受講者が持ち帰りやすくし、家族にCPRのやり方を共有することで救命知識が受講者からその家族にも広がる仕組みを作った。

仕様

[コンセプトモデル] 寸法:展開時 515mm×720mm、折り畳み時 153mm×100mm/材質:紙、[プロトタイプモデル] 寸法:展開時 420mm×594mm、折り畳み時 107mm×100mm/材質:紙、[量産対応モデル] 寸法:展開時 420mm×594mm、折り畳み時 210mm×148mm/材質:紙

どこで購入できるか、
どこで見られるか

CPRトレーニングボトル プロジェクトサイト/ファストエイド オンラインショップ
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

審査委員の評価

担当の審査委員

佐々木 康晴鹿野 護木住野 彰悟ムラカミ カイエ

評価コメント

ペットボトルの存在意義が問われる中、ただ悪者にするのではなく、その正しい活用方法を考えることも今を生きる人々の責任の一つである。従来の装置では多くの人に体験してもらいにくかった心臓マッサージの所作を、どこにでもあるペットボトルで可能にする。そのためにきちんとデータをとり、教材として利用できる状態まで高め、NPO側もサステナブルになる形で提供する。その「全体」のデザインを高く評価したい。
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