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2024年度グッドデザイン賞
Portrait - 齋藤 精一 2023
2024年度グッドデザイン賞 |審査委員長
齋藤 精一

2024/4/1

勇気と有機のあるデザイン

今、デザインの持つ「さまざまなモノ・コトをより良くする」力は、あらゆる場面や場所でさらに求められています。

かつてデザインは物理的な存在に対してのみ機能すると考えられていた時代がありました。しかし、今ではモノを生み出すプロセスや思考自体にもデザインが要求されます。とりわけグッドデザイン賞は一つの創作物を多種多様な断面から分析し、さまざまな分野の審査委員が共通のアウトカムを持ち議論を重ね審査を行う、世界的にもユニークなデザイン賞です。

グッドデザイン賞がいま探求するデザインとは、すべての人が直面する個々で少しずつ違う問題・課題に対して改善の力を与えてくれる存在であり、生活をよりいっそう美しくしてくれる活動であると考えます。それは、社会を単に一つの大きな集団として捉えるのではなく、実践的創造に関わる人々が解像度高く分析・分解することで、はじめて見出すことができるものです。

2024年度のテーマである「勇気と有機のあるデザイン」は、昨年度のフォーカス・イシューを編纂する過程で生まれました。デザインに関わる人が勇気を持って一歩踏み出し、しなやかに美しく、場面や場所に応じた有機的な考えと体制によって、アイデアを社会に実装していくこと。そうしたデザインの潮流をさらに探求し、さまざまな分野や部門から生まれるモノ・コトの、ときに大胆でときにささやかな、強いデザインを見つけたいと思います。

今年度も、よりよい社会を創り上げる「勇気と有機のあるデザイン」に出会えることを楽しみにしています。


Portrait - 倉本 仁 2023
2024年度グッドデザイン賞 |審査副委員長
倉本 仁

2024/4/1

状況を切り拓く力

今年もグッドデザイン賞が始まります。 昨年の審査会から見えてきた潮流から私たちが見出したテーマは「勇気と有機のあるデザイン」。 気候変動や大きな災害に脅かされる日々の暮らし。停滞感に包まれ、少しずつ、しかし確実に勢いを削がれていく経済、そして社会。世界の人々とともに共有できていたと信じていた良識は戦争・紛争に姿を変え、私たちに大きなショックを与えました。しかし、楽観的に未来は明るいと言いづらくなったこのような状況下でも「ものづくり」の過程を通して見えてくる人々の、より良い変化を望む力はとてもポジティブでまぶしく感じられました。

今、デザインに求められていることの一つに「状況を切り拓く力」があります。 停滞した状況に向かって声を上げる個人の勇気と強い意志でアイデアが提起され、それを受け止める形で企業や組織が有機的に手を組み、行動をともにして、社会に実装される大きなうねりへと発展させる。デザインと総称される活動にはそんな力があるのです。 私たちは創作者の描く事物が人々の暮らしに浸透してより良い変化を生み出すことを期待し、また同時にそれが自然環境や多くの動植物にとって過不足なくバランスする状態であって欲しいと願っています。社会に向けた大きな視野とともに、細部にこだわるものづくりへの執念にも出会いたい。 今年度もグッドデザイン賞を通して強い意思、多様な提言に触れられることを楽しみにしています。

Portrait - 永山 祐子 2023
2024年度グッドデザイン賞 |審査副委員長
永山 祐子

2024/4/1

デザインの力の向かう先

昨年、私は「デザインの力を信じているか」という問いをめぐってメッセージを書きました。今年は、そこから一歩進めて「デザインの力の向かう先」について考えたいと思います。

2023年度のテーマは「アウトカムがあるデザイン」でした。そして、受賞作品全体の傾向、潮流から導き出されたのが、今年度のテーマである「勇気と有機のあるデザイン」。有機的に分野を超えてしなやかに連携しながら、勇気を持って踏み出す、そんな姿がイメージされます。その一歩を踏み出す方向がどこに向かっているのか。それがとても重要です。

最初に踏み出す先が、果たしてより良い未来に向かう道につながっているのか。方向を間違えばそれは大いなる労力の無駄遣いになってしまう可能性もあります。私たちはたくさんのアイデアを出し、デザインを決定します。それゆえに資源の無駄遣いと同じくアイデアの無駄遣いは見直すべきです。1人の人間が考えられる量は時間的、質的にも限界があり、デザインの力を最大限発揮し大きく歩を進めていくには、方向を正しく見定める必要があります。一方で正しき道とはどちらなのかという難しい問いもあり、それを見定めていくには、トライ&エラーを繰り返しながら模索していくしかないというのも事実です。

いずれにしても多くの労力をかけなければ正しき道を見つけられず、そこからまた沢山の労力をかけてデザインをし、やっとゴールを目指すしかありません。1人では限界はそこまでですが、多くの人のトライ&エラーが共有されればもっと早くそして遠くにゴールを設定することができるはず。それがこの賞の意義だと考えています。

皆でアイデアを寄せ合い、そのプロセスを共有し、他の誰かのヒントになる−−今年のグッドデザイン賞がそうした場になることを願っています。「勇気と有機のあるデザイン」をテーマに、デザインプロセスの中で、どのように困難に立ち向かい有機的に勇気を持って乗り越えたのか、ぜひ応募作を通じて共有していただければと思います。


主催者からの挨拶
Portrait - 深野 弘行
公益財団法人日本デザイン振興会 |理事長
深野 弘行

2024/4/1

今年は、元日に能登半島地震が発生し甚大な被害が生じました。地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に対してお見舞いを申し上げます。被災地域では、グッドデザイン大賞受賞の水循環利用システムが活用されました。伝統工芸などものづくりの盛んな地域でもあり、復興の中でもデザインが皆様に寄り添い、勇気を与え続けられることを願っております。今年度のグッドデザイン賞では、石川県に本拠地を置く企業・デザイナーの皆様からのご応募に関する費用を原則として無料とするなど、当会もできうる限りの復興支援をしてまいります。 昨年度より、審査から今向き合うべき課題を読み解く取り組みである「フォーカス・イシュー」をさらに強化し、審査委員長、両審査副委員長がディレクターとして直接、9つの視点から提言をとりまとめました。その内容は、2024年度のテーマに反映させるとともに、行政、企業や関係団体、デザイナーなどステークホルダーの皆様に対してお伝えしてまいります。今年度もこれからのデザインの在り方、デザインが社会において果たしている役割などについて、さらに議論を深めていけることを期待しております。 グッドデザイン賞は、デザインを通じた交流を生み出す機能も担っています。このため、できるだけ多くの皆様が、デザインに携わる人同士で交流していただける機会や、デザインそのものに触れられる場所を作りたいと考えております。そこで、今年度の大賞選出会・受賞祝賀会については、会場の規模を拡大して実施することとし、受賞展は昨年度同様、受賞作品の全点を展示することとしております。また、世界に開かれたデザイン賞であり続けるため、今年度も外国からの審査委員にご参加いただき、国際交流を深めてまいります。 おかげさまでグッドデザイン賞は、例年幅広い領域から活発なご応募をいただいております。私たち日本デザイン振興会の役割は、社会の様々な分野に広くデザインの力をお届けすることです。2024年度も多くのグッドデザインを見出し、広めていきたいと考えておりますので、今年度も皆様からの積極的なご応募をお待ちしております。

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グッドデザイン賞は、公益財団法人日本デザイン振興会が運営しています。