GOOD DESIGN AWARD

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CC

2020

GOOD DESIGN|グッドデザイン金賞

受賞対象名
宿泊施設 [まれびとの家]
事業主体名
まれびとの家有限責任事業組合
分類
商業のための建築・空間・インテリア
受賞企業
VUILD株式会社 (神奈川県)
受賞番号
20G161076
受賞概要
2020年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

デジタルファブリケーション技術を用いて、木材調達から加工・建設までを半径10km圏内で完結させた本作品は、林業の衰退と限界集落化の課題に挑んでいる。人口約600人の村に地場の木材を活用し「共同保有型の」宿泊施設を作ることで、人々が親戚を訪れるように継続的に山村を行き来するような「観光以上移住未満」の暮らしを提案する。

デザインのポイント
1.地域の森林資源を建築化するための生産ネットワークを半径10KM圏内で組成し、マイクロ6次産業化を実現
2.クラウドファンディングによる新しい家の持ち方を提案し、関係人口構築のための具体的実践を提示
3.合掌造り等の地域構法とデジタルファブリケーション技術を融合し、誰でも建設に関われる仕組みを実現
デザイナー

VUILD株式会社 秋吉浩気、黒部駿人、高野和哉、小川幸起、加藤花子(設計)+yasuhirokaneda STRUCTURE 金田泰裕(構造)+DE.Lab(環境)

VUILD株式会社代表取締 秋吉浩気

詳細情報

https://architects.vuild.co.jp/works/house-for-marebito/

利用開始
2020年9月1日
販売地域

国内・海外共通仕様

設置場所

富山県南砺市利賀村大勘場433

受賞対象の詳細

背景

人口減少社会と呼ばれる昨今、各中山間地域では移住者の獲得に躍起になっているが、移住・定住の心理的ハードルの高さから、思うようにうまくいかない。一方で、コロナ禍のリモートワークの実践が明らかにしたように、もはや都心だけに住む必然性が見いだせなくなっている。このような背景から、家と宿泊所の間のような住居の所有方法を発明することで、都市と地方の間の非対称に挑んだ。具体的には、クラウドファンディングに参加した顔の見える出資者同士で保有管理する方法だ。 また、中山間地域固有には、森林資源をどう利活用するかという課題がある。林業の衰退の背景には、木材が産地から消費者の手に届くまで、多くの中間業者を介しているが故に、地域の生産者に利益が残りにくい産業構造がある。そこで、生産地である森にデジタルファブリケーション技術を導入することで、豊富に植わった大径木を地域内で家具・建築化できる生産体系を構築した。

経緯とその成果

地域の伝統構法である「合掌造り」を、現代のデジタル技術でアップデートすることを試みた。本家を踏襲し、南北に走る山脈と平行に建物を配置し、東側にウィンドキャッチャーの機能をもった開口部を設けることで、平面から風や光を建築内部に取り込み、居住快適性を担保した。 また、かつての合掌造りのような「地域住人が参加して建てる建築 」の再現を目指し、子供でも持てる小さくて軽い部品による構法を考案した。同時に、敷地周辺の未活用の木材を伐採する所から着手することで、「ほぼゼロ円の土地にほぼゼロ円の材料で」建築することを試みた。 その際、合掌梁に貫が勘合することで固まる構造形式によって、重機や足場がなくとも施工できるようにした。最終的に、デジタル加工機によって1000以上の部材と1000 以上の仕口が生じたが機械加工故に狂いはなく、地域の大工と共に設計を進めることで、土着性とデジタルの配合に成功した。

仕様

主体構造・構法: 木造、 基礎:直接基礎、 階数:2階 、最高高さ:7,106mm、 敷地面積:330.08m² 、建築面積:52.44m²(建蔽率15.9%) 、 延床面積:59.32m²(容積率 17.9%) 1階 52.44m²/ 2階 6.88m² 、 主要用途:短期滞在型シェア別荘、 最大宿泊者数:4名

どこで購入できるか、
どこで見られるか

富山県南砺市利賀村大勘場 433
「まれびとの家」宿泊情報サイト
クラウドファンディングサイト「南砺市に現代の合掌造りを建てるー地域の木材×伝統×デジタルー」
アーキテクチャーフォト「まれびとの家」作品紹介ページ

審査委員の評価

全く新しい建築のあり方を示す意欲作。デジタルファブリケーションによって作り上げられた新しい合掌作りの宿泊施設。地場の森林から木材調達し、パーツに切り出し、現地に運び、巨大プラモデルのように数名の手によって組み立てるという工程全てを半径10km県内で循環させ“マイクロ6次産業化“を実現している。できた宿泊施設は共同保有型、施工費の一部はクラウドファンディングで集めるなど、従来の建築の成り立ち方が、プロジェクトの立ち上がり方から資金の仕組み、そして製造工程に至るまで全てが新しい。さらにデジタルファブリケーションによりデータさえ渡せば量産が可能である。今までの建築の有り様を全く変えてしまう試みはこれからの建築の未来を想像させる。

担当審査委員| 原田 真宏   遠山 正道   永山 祐子   吉田 愛  

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