GOOD DESIGN AWARD

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CC

2020

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
本社社屋工場 [コロナ電気新社屋工場Ⅰ+Ⅱ期]
事業主体名
コロナ電気株式会社
分類
産業のための建築・空間・インテリア
受賞企業
コロナ電気株式会社 (茨城県)
bews / 有限会社ビルディング・エンバイロメント・ワークショップ一級建築士事務所 (東京都)
株式会社田邉雄之建築設計事務所 (神奈川県)
東京大学 新領域創成科学研究科 (東京都)
受賞番号
20G161017
受賞概要
2020年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

創業60年目に東日本大震災で大きく被災した民間復興事業.地域の製造ネットワークを保つべく「稼動しながら建て替え」の要望に応え,市初の全体計画認定を適用. 1期着工2012年から8年かけて造園を含め全館が昨年春に竣工した.機械が機械をつくるのではなく「人間が主体」の設計から製品化する医療系精密機器生産拠点である.

デザインのポイント
1.機械が機械をつくるのではなく「人間が主体」のヒューマンな医療系精密機器生産拠点
2.1階が製造で2階がオフィスという断面構成を崩し,階未満の小さな段差をつなげてひとつの大空間に
3.12x72mの製造エリアでは地球のヴォルテックス効果によって旋回流を起こし,一体的に清浄な空気を保つ
デザイナー

井坂幸恵(bews / ビルディング・エンバイロメント・ワークショップ一級建築士事務所)、大塚悠太(元所員)、田邉雄之(田邉雄之建築設計事務所)、佐藤淳(東京大学)

詳細情報

http://www.corona-el.co.jp

利用開始時期 Ⅰ期2013/4/1、Ⅱ期2019/5/1
2019年5月
設置場所

茨城県ひたちなか市東石川3517番地

受賞対象の詳細

背景

電話が鳴ったのは,2011年4月8日だった. 東京から特急で約1時間のひたちなか市で築50年の工場が大震災で被災したので見に来て欲しいという.赴くと地域のランドマークだった旧社屋は教科書通りに損壊.大戦後の経済復興を支えた1961年当時現場練りコンクリート6m超の片持ちキャノピーに,初代社長の世界に乗り出していく戦後復興の高揚感をひしひしと感じた.何はともあれ単管補強し,既存躯体の品質調査を経て,5月上旬構造家と共に耐震補強か全面建替えか?の提案を行い,後者を決定.その日から,50年先を見据えた生産拠点の問いかけと,現行の基準法に適合しない用途地域と建築との格闘が始まった.要望は唯一「稼動しながら建て替え」であった.実現できる法律探しから始め,市初の全体計画認定の適用に漕ぎつけた.これは,既存不適格の病院など稼動しながら基準法の一部緩和で耐震補強工事できる阪神大震災を期に生まれた制度だ.

経緯とその成果

用途は,いわゆる機械が機械をつくるのでなく,部品を精密調整しながら精緻に組立てる「人が主体のヒューマンな工場」とその本社機能である.袋小路で出し入れし難い倉庫,通過動線を避ける医用系生産指針,大きな階高で2階デスクと1階製造の行き来がしにくい旧社屋,個別の空気浄化高性能フィルター導入は高価など..これらを一挙に解決したのが「階未満」の断面構成だ.製造エリアを中央に窪ませ,その周縁にパスボックス付テラス回廊を廻し,凹凸状に製造を補完するUSB諸室をアクセス性を考慮して東西に置いた.テラス回廊と製造エリアは1m差,櫓状BOXは回廊から1.5m上,「小さな高低差」を繋いで大屋根で覆ったらひとつのコミュニケーション空間になった.テラス回廊からはガラス越しに打合せコーナーが見え,対面のUSBまで様子が分かる,平行に走るカウンターでも打合せできる,face to faceなストリートである.

仕様

用途:事務所 兼 工場(医療系精密機器工場) 構造規模:鉄骨造ラーメン構造・地上2階建て  敷地面積:7,965.24㎡(1期2期合計) 建築面積:2,896.35㎡ (Ⅰ期:1,404.43㎡)(Ⅱ期:1,491.92㎡)  延床面積:2,998.70㎡ (Ⅰ期:1,513.95㎡)(Ⅱ期:1,484.75㎡)

どこで購入できるか、
どこで見られるか

茨城県ひたちなか市東石川3517番地
コロナ電気株式会社トップページ ホームページ
bews. / ビルデング・エンバイロメント・ワークショップ一級建築士事務所 ホームページ
株式会社田邉雄之建築設計事務所 ホームページ

審査委員の評価

電気機器メーカーの社屋兼工場の更新のプロジェクトである。旧施設を完全に解体し新築するという一般的な手法は現行の都市計画区分上取ることができず、旧施設の一部を残して大半を解体し、そこからの増築という形で、プロジェクトは数段階に分けて実行された。工場は運用を継続しながら更新していく必要があり、粉塵等を嫌う精密機器の製造という機能からも、建築の背景条件は極めて複雑である。この困難な背景条件を解くことだけではなく、落ち着いた居室であるUSBと呼ばれる床高の空間を、加工場である大空間の外周にポツポツと距離を置きながら接続するという形式を見出すことで、工場の機能性を確保しつつ、労働環境の快適性も獲得している。さらに中心の工場区間の外周を巡る回廊はUSB空間の床高に揃えられ、工場を全体を俯瞰的に眺めることができるために技術的なイノベーションやコミュニケーションの向上も期待でき、かつこの回廊の下層は機能的な円環状の設備ゾーンでもある。このように極めて多くの要求を、空間的魅力を伴って解決したインテグレーションこそ、この建築の価値である。高く評価したい。

担当審査委員| 原田 真宏   遠山 正道   永山 祐子   吉田 愛  

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