GOOD DESIGN AWARD

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2020

GOOD DESIGN|グッドデザイン金賞

受賞対象名
陸上競技用スプリントシューズ [メタスプリント トーキョー/1093A148]
事業主体名
アシックスジャパン株式会社
分類
スポーツ用品
受賞企業
株式会社アシックス (兵庫県)
受賞番号
20G040170
受賞概要
2020年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

0.001秒を争うスプリンターのパフォーマンスを最大化するために行き着いた、業界初のピンのないスプリントシューズ。従来の常識であったスパイクピンを取り除くことによってスプリント動作時のあらゆるエネルギーロスを削減することに成功しました。この最先端テクノロジーにより、陸上スパイクの未来を切り開く。

デザインのポイント
1.効率的な力の伝達が可能な構造により、従来のスパイクピンを取り除くことに成功しました。
2.強度・耐久性向上を目的とし,複雑立体形状の端部に至るまでカーボン繊維で強化する構造を考案しました。
3.パラメトリックデザインの活用により機能的な造形が有機的に表現され、シルエットを一新しています。
プロデューサー

株式会社アシックス コアパフォーマンススポーツフットウエア統括部 執行役員統括部長 倉本学

ディレクター

株式会社アシックス パフォーマンスランニングフットウエア統括部 前嶋尚/コアパフォーマンススポーツフットウエア統括部 妹尾将司、片岡暁/スポーツ工学研究所 フットウエア機能研究部 谷口憲彦

デザイナー

株式会社アシックス スポーツ工学研究所 フットウエア機能研究部 高島慎吾、小塚祐也、石川達也/パフォーマンスランニングフットウェア統括部 矢野 晴嗣/コアパフォーマンススポーツフットウエア統括部 菱川文智、大沼輝昭

詳細情報

https://www.asics.com/jp/ja-jp/mk/trackfield/metasprint

発売
2020年6月12日
価格

39,600円 (税込)

販売地域

国内・海外共通仕様

受賞対象の詳細

背景

「接地する際にピンが刺さって抜ける感覚がある」というスプリンターの言葉を受け、「感覚があるのであれば、そこには感じるだけの時間が存在している。その時間さえも取り除くことができれば、よりパフォーマンス向上に繋げられるのではないか」と考えました。陸上スパイクはスパイクピンが生み出すグリップ力によって、パフォーマンスが最大化されると考えられていました。しかし、スパイクピンを用いずに高いグリップ力を発現することが可能となれば、従来にないパフォーマンスを提供可能ではないかと仮説を立て、研究開発をスタートさせました。靴底に採用したハニカム構造は、従来使用される材料では十分な耐久性を確保できず、数試合の使用で壊れてしまいます。そこで、複雑に配置された個々のハニカム構造の端部に至るまで、カーボン素材で強化された構造を考案しました。これによって、多くのスプリンターへ提供可能なものが完成しました。

経緯とその成果

スパイクピンには本数や大きさ等、様々な規定が存在する一方、ピンレス構造にはその一切が適用されません。従って,徹底的に分析したスプリント動作を基に、必要な場所に、必要な数だけ、必要な方向へハニカム構造を設けることを可能にします。パフォーマンスを最大化させるためには、複数の設計変数が無数に組み合わされた複雑な立体形状が必要となります。そこでパラメトリックデザイン手法を用いたシミュレーションを通して最適解を導出しました。それにより、まるで身体がスプリントの為に拡張したかように有機的であるにも関わらず、計算し尽くされた唯一無二の機能美を表現することができました。アシックススポーツ工学研究所による実験では、当社陸上短距離用スパイクシューズと比較して100m換算で0.048秒優位に走行できることが認められ、国内外30名以上のトップ選手に着用頂き自己新記録などに貢献をしました。

仕様

アウターソール構造 : スパイクピンの無いハニカム構造、 アウターソール素材 : CFRTP(炭素繊維強化熱可塑性樹脂) 、 アッパー素材 : HL-0 MESH(合成繊維) 、重量 : 約136g (27.0cm 片足)

どこで購入できるか、
どこで見られるか

アシックスジャパン公式ウェブサイト、アシックス原宿フラッグシップなど
アシックスジャパン公式ウェブサイト

審査委員の評価

靴底のハニカム構造には、強度、耐久性はもとより、一切の無駄を排した研ぎ澄まされた美しさがある。新しいスプリントシューズの開発という命題に於いて、誰しもがスパイクピンありきで構築するものと考えてしまうが、アシックスの開発チームは既成概念に縛られることなく、スパイクピンを用いずに開発にチャレンジ、実現させたことが素晴らしい。高いグリップ力を発現することに1/1000秒を競う記録と戦うのはアスリートのみならず、開発陣も同様であるということが、手に取るように分かる。実使用でのデータでも優位性が証明されているとのこと、相当な試行錯誤を繰り返したことが理解できる。まさにデザイナー、研究者、開発者の思いがこの一足にこめられている。

担当審査委員| 渡辺 弘明   色部 義昭   清水 久和   ムラカミ カイエ  

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