GOOD DESIGN AWARD

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2019

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
歩行者専用道・散策路 [記紀の道 古代と現代をつなぐ道]
事業主体名
西都市
分類
地域・コミュニティづくり
受賞企業
株式会社イー・エー・ユー (東京都)
西都市商工観光課都市デザイン係 (宮崎県)
妻北地域づくり協議会 (宮崎県)
受賞番号
19G181359
受賞概要
2019年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

記紀の道は、古都西都の田園風景の中に新たに整備された散策路である。古事記、日本書紀の神話に基づく伝承地をめぐる道で、国の特別史跡西都原古墳群と市街地をつなぐために、10年の月日をかけてつくられてきた。地域住民がつくる一本の道であり、住民と来訪者の交流の場であり、古代と現代をつなぐ風景である。

デザインのポイント
1.点在していた古代の伝承地を現代の道でつなぎ、既存の地形や水系と一体となった風景として具現化した。
2.道路法の道路において、地域住民と協働し、時間をかけて使いながらつくる独自の公共事業の手法を採用した。
3.散策マップやサインの製作には地元の作家や子供たちも参加し、地域性を大切にした道づくりを実践している。
プロデューサー

西都市商工観光課都市デザイン係

ディレクター

西都市歴史を活かしたまちづくり委員会

デザイナー

株式会社イー・エー・ユー 小笠原浩幸、崎谷浩一郎、西山健一

詳細情報

http://www.eau-a.co.jp/works/str.html

利用開始
2011年4月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

宮崎県西都市大字三宅

受賞対象の詳細

背景

西都原古墳群は一ツ瀬川の河岸段丘上に三百基余りの古墳が点在する日本最大級の古墳群であり、年間約百万人が訪れる県内有数の名所である。河岸段丘の中段域には、民家や田畑に混じって古墳が点在する独特の風景が広がり、日向総社の都萬神社や日向国府跡等の史跡や、日本最古の歴史書『古事記』『日本書紀』(記紀)に記される日向神話の舞台とされる伝承地が点在するなど、歴史的資産が多く残る。一方、豊かな湧水、点在する樹齢数百年の巨木、田畑の奥に広がる山並みなど、悠久さを感じさせるおおらかな風景もこの地域の特徴である。戦後の区画整理事業で田畑は住宅に変わり、水質は悪化し、田園風景は失われつつあった。地域への関心が低下した結果、神話の伝承地は埋もれ、西都の歴史的資産としての継承が危ぶまれていた。古代史跡と神話の伝承が息づく風景を取り戻し、西都原古墳群との相乗効果によって地域の価値を再構築するデザインが求められていた。

経緯とその成果

本事業は歴史を生かした地域再生を目標とした国の補助事業として実施された。西都の歴史的資産である記紀の道を舞台に住民と来訪者の交流が生まれること、自分たちが暮らす地域への愛着や誇りが醸成されることを目指した。計画当初の道のルート設定が重要なポイントであったが、伝承地沿いの既存の水系や樹木を基準に設定し、水路、池、田畑の扱いは住民との話し合いを経て決定した。また、ルート沿いの風景を守り育むために、市の景観条例で「記紀の道ゾーン」として指定した。少しずつ進む整備に合わせて、道沿いの草花の手入れなど地域住民が主体的に関わる機会が増えてきた。ベンチや柵には地場産の杉材を積極的に使用し、散策マップの作成には地元の画家や作家が参加している。住民のアイデアによって、サインの題字には地元小学生の書が採用された。記紀の道の整備を通じて地域の人たちの思いがこもった風景が生まれたことが何よりの成果である。

仕様

[延長] 歩行者専用道区間約1.2km(全長約4km) [道路幅員] 2.5m [面積] 約10ha(市有地;公園+広場など)

どこで購入できるか、
どこで見られるか

宮崎県西都市大字三宅

審査委員の評価

地道な取り組みである。長い時間をかけて、地域住民の力を継続的に集めながら取り組み続けている。多くの費用を使って短時間に仕上げてしまうデザインが多いなかで、地域づくりに必要な時間をしっかりと確保しながら、少しずつ地域の風景を納得できるものに変化させていくという丁寧なプロセスが評価できる。

担当審査委員| 服部 滋樹   近藤 ヒデノリ   平林 奈緒美   山出 淳也   山崎 亮  

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