GOOD DESIGN AWARD

閉じる
キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2019

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
戸建て住宅の改修 [観察と試み〜深大寺の一軒家改修〜]
事業主体名
株式会社オンデザインパートナーズ
分類
戸建・小規模住宅関連のサービス、システム/HEMS
受賞企業
株式会社オンデザインパートナーズ (神奈川県)
受賞番号
19G120924
受賞概要
2019年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

築60年の標準的な木造一軒家を減築改修し、個人住宅と社会の繋がりを実験するプロジェクト。ここに長く住む60代一人暮らしの施主と「プライバシー感」をテーマに、気分に応じて日常生活を開いたり閉じたりできるよう既存建物の外部化を試みた。生活の一部を外部へ拡張することで、まちに暮らす偶然性を取り込んだ新しい一軒家生活を探る。

デザインのポイント
1.住み続けてきた築60年の住宅を、建替えではなく改修で住み継ぎ、近所関係のリノベーションを試みた
2.塀や壁で閉じて守るセキュリティだった家を、生活の一部を外部化し、近所と見守り合う、開くセキュリティへ
3.減築改修は、生活を自然に外側へ拡張することと、屋内の光環境や風環境の改善を同時に実現した
デザイナー

西田司+神永侑子+鶴田爽/株式会社オンデザインパートナーズ、遠藤俊貴/EQSD一級建築士事務所

西田司

利用開始
2017年8月
販売地域

日本国内向け

受賞対象の詳細

背景

60代で一人暮らし、ITセキュリティ研究者の施主は、母親を孤独死させてしまった経験を持つ。現代の閉じて守る機械警備等の住宅セキュリティが、住宅街のまちなみを閉じた印象にしてしまっているのではないか。また、その住宅の佇まいが、地域での暮らしや住民同士のコミュニケーションにも閉塞感を与えているのではないか。自身も一人暮らしの生活を送るなかで、人間関係で築かれる、地域住民同士の見守り合いによる、開かれたセキュリティの実現が求められた。そこで、「プライバシー感」と呼ぶ、天気や気分で変わる「生活の開き度合い」をテーマに、既存の一軒家を減築し外部化、家の中にパブリックスペースを設けた。住み手の日常が自然に外部へ拡張し、地域から見えることで、些細な日常生活の中にある、近所とのコミュニケーションのきっかけを拾い上げ、人間関係で築かれる、地域住民同士の見守り合うセキュリティが育めないかと考えた。

経緯とその成果

築60年の標準的な木造住宅を、どのように改修すれば日常が自然と地域へ開かれる状況を生み出せるのか考えた。設計前の現地調査で見えてきた、圧倒的な時間の積み重ねによる生活の跡が、この住宅の使いこなし方や気持ちの良い場所を記録にして伝えてくれているようだった。その生活の跡を、敷地目一杯隈無く「観察」し、この住宅、この場所での過ごし方を最大限引き上げると共に、それら過ごし方が外側へ拡張されるよう丁寧に減築、外部化する設計を行った。例えば、改修前南側のリビング前にあった小さなベンチは、家の中の日当たりの良い場所の跡として拾い上げ、大きなテラスへ更新した。リビングから前面道路まで大きく伸びる形状とし、通りがかる友人を迎えて会話のきっかけが増えるようにと考えた。ただ外部化するだけではなく、元来の生活を引き上げ外部に委ねるように設計することで、住宅がもっとまちとの境界を越えていけるのではないだろうか。

仕様

敷地面積:205.62㎡/建築面積:103.98㎡/延床面積:155.45㎡、木造在来/地上2階建

審査委員の評価

ライフスタイルとともにあるようなセキュリティを具現化したデザインが評価された。構造補強など住宅性能として基本的な部分を丁寧に解決した上で、ガラス張りのリビングをつくりだした。開かれていることで守られる、という逆説的な取り組みは確実にひとり暮らしの生活を拡張している。境界のデザインが生活や街並みを変えていくことを示す好例といえる。

担当審査委員| 仲 俊治   小見 康夫   千葉 学   栃澤 麻利  

ページトップへ