GOOD DESIGN AWARD

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CC

2019

GOOD DESIGN|グッドデザイン大賞

受賞対象名
診断キット [結核迅速診断キット]
事業主体名
富士フイルム株式会社
分類
医療用機器・設備
受賞企業
富士フイルム株式会社 (東京都)
受賞番号
19G100752
受賞概要
2019年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

結核により世界で年間160万人が死亡、HIV感染者の一番の死因でもある。本製品はHIV感染者など結核罹患の可能性が高い人々の診断を可能にする結核診断用検査キット。写真現像の「銀増幅技術」を応用し、尿中の僅かな成分から結核菌の存在を判定することで、早期治療に繋げることが可能。電源や装置を用いない簡単確実な検査を実現した。

デザインのポイント
1.操作手順が一目でわかるグラフィックと検査者の技能を問わない簡便な操作性
2.電源や専用装置を使用せず、最少部品で機能を成立させた検査デバイス
3.採取しやすい尿検体方式を実現した検査システム
プロデューサー

富士フイルム株式会社 メディカルシステム事業部

ディレクター

富士フイルム株式会社 デザインセンター長 堀切和久

デザイナー

富士フイルム株式会社 デザインセンター 大野博利 池上彰彦

利用開始(海外)
2019年5月
価格

オープンプライス

販売地域

国外市場向け

受賞対象の詳細

背景

結核は、世界で年間1000万人が罹患し、160万人が死亡する世界三大感染症の一つである。 なかでも、開発途上国の罹患者の割合は全体の87%に達し、その感染力と医療コストの大きさで開発途上国の社会、経済活動に深刻な影響を与えている。 免疫力低下により健常者の20~30倍も結核感染リスクが高いHIV陽性患者では、結核が主な死因となっている。また、2017年には、HIV陽性患者の中から90万人が新たに結核と診断されているが、その70%以上がアフリカに集中している。 結核診断には喀痰を用いた検査が一般的だが、診断が必要なHIV陽性患者の20〜60%が喀痰を出すことができないと言われ、治療が間に合うタイミングで結核と診断されずに多くの命が失われている。そこで、電力供給などのインフラが安定しない開発途上国では、機器を使わず、喀痰以外から簡単にその場で結核菌の有無を判定できることが重要となっていた。

経緯とその成果

下記により、簡単にその場で結果を得られる結核診断用検査キットを実現。①喀痰以外の採取しやすい検体を用いる:結核症状のあるHIV患者の一部、小児や高齢者等は喀痰採取が困難である。また肺以外で発症する肺外結核では喀痰を用いた検査は不十分とされている。尿であれば容易に採取でき、尿中の結核菌特有成分LAMを検出できれば、問題解決できると考えた。尿中LAMはごく微量だが、当社が写真現像技術で培ってきた「銀増幅技術」を応用し、LAMに大きな銀粒子を目印として結合させることで、検出を可能にした。② 高度な検査技能や機器が不要:試験紙/増幅試薬/ケースからなる最少部品構成のカートリッジは、操作部位と手順を関連付けた単純明快なグラフィックに沿って、検体を滴下後、右→左の順でボタンを押下することで内蔵した増幅試薬を注入し結果を表示。検査者の技能を問わない単純操作で検査結果を得られるデザインとした。

仕様

■外形寸法:107(W)×30(D)×20(H)mm ■重量:13g

審査委員の評価

開発途上国に多い結核患者を救うため、高額な機器と同等の感度70%で容易に結核菌の有無判定を可能にした志と技術とデザインを高く評価した。また、結核が死因の40%になるHIV陽性患者にとって難しい喀痰ではなく、尿中に微量に含まれる結核菌特有成分を検出するために、銀増幅技術という従来から社内にあるシーズを活用したことも、あらためて私たちに温故知新の大切さを知らせてくれる共振力の高いデザインと感じた。

担当審査委員| 安次富 隆   石川 善樹   重野 貴   村上 存   Sertaç Ersayın  

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