GOOD DESIGN AWARD

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CC

2018

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
賃貸住宅(リノベーション) [石垣の上に建つ鉄骨の家]
事業主体名
大和船舶土地株式会社
分類
戸建て住宅
受賞企業
神戸芸術工科大学 プロジェクトチーム (兵庫県)
大和船舶土地株式会社 (兵庫県)
有限会社ランドサット (大阪府)
受賞番号
18G100873
受賞概要
2018年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

高度成長期に開発された石垣の上の宅地に建つ築40年余りの量産型住宅のリノベーションである。以前の所有者は、転出後に不動産の有効活用を試みたが引き受け手がみつからず、5年間空き家として放置されていたものを、本事業者が買い取った。道路との高低差と急な階段、そして老朽化した量産化住宅という、通常劣悪と見なされるこれらの条件を、他にない固有の場所性と建築の可能性と捉え直し、それらの潜在力を最大限に生かして魅力的な住宅として再生することに挑戦した。周辺に多く集積する同様の不動産物件についても、個性を生かした改修や建替を行い、結果として、地域全体を多様な魅力に溢れる住宅地へと再生することをめざしている。

プロデューサー

大和船舶土地株式会社 鈴木祐一

ディレクター

神戸芸術工科大学 プロジェクトチーム(山門久晃、花田佳明、川北健雄)+有限会社ランドサット(安田利宏)

デザイナー

神戸芸術工科大学 プロジェクトチーム(山門久晃、花田佳明、川北健雄)+有限会社ランドサット(安田利宏)

山門久晃、花田佳明、川北健雄、安田利宏

詳細情報

https://www.daiwasenpaku.co.jp/house

発売
2018年1月30日
販売地域

日本国内向け

設置場所

神戸市須磨区禅昌寺町1-10-20

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

社会ストックとしての量産型鉄骨住宅の、地域の個性を育む持続的な住まいへのリノベーション

背景

改修前の住宅は、人口減少と高齢化を背景に不動産的価値を喪失した郊外住宅地における老朽家屋の典型例であった。しかしながら、地形を改変して獲得された土地と、量産化住宅の合理的な構法には、開発当時の住まいづくりの理念が反映されている。石垣に張り付く直線階段は、利便性よりも眺望獲得を優先する住まい方が選択されたことを示している。半世紀という時間的距離を隔てて見返すならば、この住宅は半世紀に渡って山麓部に形成された、そのような郊外住宅地のランドスケープ全体を象徴する存在にもなっていた。 現況調査の結果、建物の基礎や軽量鉄骨造の構造体は健全で、老朽化した外内装材を取り替えさえすれば、低コストでの改修が可能であることが判明した。そこで私たちは、これを地域特性に応じて内外の空間を再構成した住宅に蘇らせ、これを個性的な新しい住まい方の選択肢として、賃貸住宅市場に提供することを目論んだ。

デザイナーの想い

本プロジェクトの改修デザインの原案は学生によるもので、大学における学部3年次の実習課題の最優秀作品を、実施案として選定したものである。事業主と教員チームは、改修対象が位置する地域の特性、事業採算性に基づく条件、量産型住宅の特色、等の設計与件を設計前に明示し、実習期間中、デザイン案の指導にあたった。課題作品の提出後は、実施案の選定を行い、決定後は実施設計に責任を負う建築家がチームに加わって詳細を決定し、施工中は施工業者も参加して、チーム全員の議論を通して、必要な調整を行った。 実現されたデザインは、異なる立場のものが、それぞれの視点からアイデアを出し合い、議論した結果を反映している。デザインによって社会的課題を解決するためには、異なる責任主体間のチームワークが重要であり、このようなデザインプロセスそのものも、持続性のあるデザインを実現するために不可欠な手法であると考えている。

仕様

軽量鉄骨造2階建、量産型住宅のリノベーション。敷地面積109.09㎡、延床面積79.91㎡(1階44.72㎡、2階35.19㎡)。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

神戸市須磨区禅昌寺町1-10-20
大和船舶土地株式会社
神戸芸術工科大学 環境デザイン学科
有限会社ランドサット

審査委員の評価

量産型軽量鉄骨住宅のもつ、骨格の強さを上手く活かしたリノベーション。あえて軽量鉄骨フレームを見せるべく設けられた吹き抜けや間仕切壁により、新築では成し得ない魅力のある空間が生み出されている。赤く塗られた古い鉄骨と挿入された新しい木質壁の対比が独特な表現となっており、この住宅を特徴付けている。また、古いまま残された外観からは想像し得ない、開放的な内部空間が実現されている点も高く評価したい。このような良質なリノベーションにより、ストック住宅の再生・活用が促進されることを期待させるプロジェクトである。

担当審査委員| 仲 俊治   小見 康夫   手塚 由比   栃澤 麻利  

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